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映画「ゴールデンカムイ」を観てきた

映画「ゴールデンカムイ」を観てきた。

大人気漫画の実写映画化。
というニュースを初めて聞いたのって、ずいぶん前のような気がする。調べてみたら、漫画連載が終了するころに発表されたみたい。2022年4月だった。原作漫画のファンだった私は、ニュースを知って少々興奮した。
でも、なかなか詳細が出てこないものだから、
杉元は誰がやるんだ?
あれ、もしかして頓挫した?
なんて勝手にヤキモキしていたが、その後あまりアンテナはってなかったら、気づいたらもう公開日を迎えていた。

そんな感じで、ゴールデンカムイへの思いも当時より減り、実写化への偏見などもあり、あまり期待をせずに映画館へ足を運んだ。

そんな私が映画を観終わった後の感想を簡単に言うと、こう。

早く続きが観たい!

私が好きなゴールデンカムイが、そこにあった。

※以下、少々ネタバレあります。

まだキャストが発表される前、何となーくのイメージで、杉元は柳楽優弥さんが良いかな~なんて思っていた。見た目のイメージだけだけど。
あと、アシリパちゃんは橋本環奈ちゃんね。これも完全に見た目。

そして発表されたキャストは、
杉元=山﨑賢人さん
アシリパ=山田杏奈ちゃん

山﨑賢人さんは好きな俳優さんではあるけれど、杉元のイメージとちょっと違うのでは?なんて、映画を観るまでは少々不安に感じておりました。

が、そんな心配は全く必要なかった。
冒頭の戦争シーンでの杉元なんて、これ、ほんとに山﨑賢人?と思うぐらい。「不死身の杉元」が出来上がる大事なシーン、その気迫に満ちた演技に引き込まれた。
主人公の二人だけでなく、他のキャスト陣も本当に素晴らしく、個性強すぎる登場人物たちを、みなさん見事に演じられていた。

結局、見た目が似ているとかそういうことじゃないんだよ。
そんなこと、ドラマ「だが、情熱はある」でもうわかってたはず。
顔なんてぜんぜん似ていないのに、髙橋海人は若林正恭になっていたのだから。

中でも、鶴見中尉。玉木宏さん、やってくれてる。
アニメではじめて観たときに一番衝撃を受けたキャラだっただけに、実写で再現するのってムリなのでは?とあまり期待をしていなかったのに。
もう鶴見中尉そのものだった。
アニメで衝撃を受けた、杉元を走って追いかけるシーン。再現度すごかった。というか、もうアニメの鶴見さんも超えていて、笑ってしまった。

アシリパ役の山田杏奈ちゃん、白石役の矢本悠馬さんなど、メインキャラのほとんどが、原作イメージのまま違和感なく、ストーリーにも入り込みやすかった。
谷垣ニシパのキャスト情報まったく入れてなくて、誰だっけ?と見ていたら、大谷亮平さん。ちょっとこれは意外だったけど、今後の活躍も楽しみ。

あと、アニメでは尾形役の声優をしている津田健次郎さん。映画ではナレーションをされていた。尾形の声の印象が強く、津田健次郎さんの名前を知ったのもこのアニメがきっかけだったかも。今じゃ役者としても大活躍だし、ナレーターとしてもその声を聴かない日がないくらいだけど。

実写版の尾形は、眞栄田郷敦くん。こちらも尾形ぽい目力。かっこよかった。

そんなキャラクター作りには、衣装や小道具なども欠かせない。その細部までのこだわりが、再現度を高めている。
アシリパが身に着けているアイヌの衣装、一年ぐらいかけて作ったとか。

そういったこだわりを感じるのは、衣装や小道具だけじゃない。
とにかく原作へのリスペクトを強く感じる。
原作の世界観をそのまま実写で表現するということ。
そこにこだわって、丁寧に作りこまれている。
メイキング映像や公式サイトのプロダクションノートからも、それは伝わってきたし、実際に映画を観て感じた印象も同じだった。

でも、ただそのまま再現するだけなら、実写である必要ないよね。
この作品では、実写であるからこその良さを感じられるシーンも多くある。

北海道の自然の美しさ、そして厳しさ。
冒頭の日露戦争における戦闘シーン。
ヒグマとの格闘(CGだけど)
ソリでの逃走シーン。などなど。

これらの迫力ある映像には、実写ならではのこだわりを感じる。
大きなスクリーンで体感できるのも良い。

それにしても、この2時間ちょっとの映画で、まだ物語の序盤までしか進んでないんだよね。まだまだ導入部分だし。ここから先も面白いシーンもいっぱいあるし、他にも個性的なキャラがまだまだ出てくるし。
さすがに、ここで終わってしまうのはもったいない。
続編、絶対やるよね。でも、どこまでやる?
原作に忠実すぎて、ぜんぜん進んでいかない気がする(笑)
山﨑賢人さん、「キングダム」も継続中だしね。
「キングダム」みたいに、続編も一緒に撮影してないのかなぁ。

とにかく、早く続編が観たい。
そう強く思わされるほど、実写化の出来が素晴らしかった。

ところで、この映画は、アイヌの考え方を象徴するこの言葉で始まる。

天から役目なしに降ろされた物はひとつもない

この言葉は、原作コミックの各巻の表紙カバーにも記されている。
アイヌの人たちは、「アイヌ=人間」以外のものすべて、自然や動物、道具などを「カムイ=神」と考える。熊も、料理に使う「火」も、鍋も、すべて理由があって人間世界に降りてきている。だからすべてのカムイを大切にし、感謝する。

大学時代に短期講習でアイヌ語の講義を受けたことがある。(30年も前の話だけど。。)そこで初めてアイヌ文化に触れ、アイヌの考え方に感銘を受けた。アイヌ語はほとんど覚えていないが、熊おくりの話は強く印象に残っている。
それからずっとアイヌのことが頭の片隅にあった私は、アイヌのことを描いている漫画があると知り、「ゴールデンカムイ」にたどり着いた。

アイヌについての描写はもちろん興味深いし、そのストーリーにもぐいぐい引き込まれた。そして次々と出てくる魅力的なキャラ。というか、変態ばっかり出てくるけど。そんなところも、私には合っていた。

調べてみたら、この作品のアイヌ語監修をされている中川裕先生。
私が大学時代にアイヌについて興味を持つきっかけとなった、あの講義をしてくれた先生だった。
この漫画に惹かれるのは、そんなことも関係していたのかもしれないなぁ。なんて考えたりもする。

この映画をきっかけに「ゴールデンカムイ」を好きになる人が増えたらいいな。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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