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過去の作品①

コーヒー現像を始めるまではモノクロはほとんど撮りませんでした。
自分が見ている世界には色が溢れているし、色にはその時代らしさもある。
カラーを選択することが当たり前。
カラーは日常でモノクロは非日常。
そんな印象でした。

実際モノクロは非日常かもしれません。
モノクロを詰めると心持ちが変わります。
街を歩いていても、カラーの時とはちがうものを自然と追いかけてしまいます。
光と影のバランス、線や形の美しさ、黄色い花。
そうして選び取ったそれらの瞬間は、不思議なことにカラーよりももっと自分自身の奥深くと繋がっている、そんな気がしています。

それをですよ。
そこまで想いを乗せて撮った写真を、コーヒー現像なんて不安定極まりない現像方法の実験台にしようというのだから、まともじゃありません。
言ってみればギャンブルが与えてくれる快楽のようなものかもしれません。
50本現像しても「ちゃんとできてるかなぁ」と毎回不安でいっぱいになりますし、現像終わってネガをタンクから引き出した時の「やった!現像できてる!」ってドーパミンがドバドバでるあの瞬間は何物にも変え難い喜びがあります。
ま、そのあとスキャンして1コマずつみると絶望感に苛まれたりするんですけどね(笑)

でもそれがまた次に進む原動力になるんです。
「どうしてダメだったんだろう。今度はこうしてみよう。」
夏休みの自由研究に取り組む小学生の気持ちで、友人たちに教えを請いながらわちゃわちゃと楽しく続けています。

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