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蒼月海里さん「咎人の刻印」を読みました

 もうすぐ2巻が発売される「咎人の刻印」をやっと読めました!!
 沖縄は入荷が5日程度遅れるので、2巻読めるのはわたしの「夏休み」が終わってからになるかなぁ。楽しみです。

さて、読書感想文。

 下手なりにまとめたあらすじ(文庫本裏表紙のあらすじを参考にしたので読めるものになってると思う…イチから自分で書いたら「要約とは」と首をひねりたくなるくらい長くなって読めたもんじゃなくなりそう)。
 「令和の切り裂きジャック」と呼ばれる殺人鬼・神無は、自分に愛を告げる女の腹を割いて、その愛がどこにあるのか探し求めていたが見つけられずにいた。そんな神無の前に表れた美少年・御影は「それが欲しいなら、おいで。愛してあげる」と神無の手をとる。
 罪を犯して外道に落ち「聖痕」と呼ばれる罪の証を身に刻んだ異能の咎人たちの物語。

「1頁16行、1行38字の読みやすさよ!」
 内容とは直接関係ないのですが、まず最初の数ページを読んでいて真っ先に思ったのがこれだったのです。
 作品の雰囲気や表現は耽美さを感じるもので、わたしの悪癖(精緻な説明/表現が並び紙上で字がギュッと詰まっているとうっかり斜め読みしてしまう)が発動しかねなかったのですが、それがない!
(言い訳をすると、小学生の頃から朝3冊借りて学校にいるうちに読みおわり、放課後にまた3冊借りて家で読む、という読み方をしていたので、お話の流れを追うのを最優先にしてしまう読みグセがついてしまっているのです…。もっとしっかりじっくり読めばよかったのになと今は思います)
 美しい言葉を美しいまま読むことができました。

 何より魅力的なのは、神無と御影のそれぞれのキャラクターと関係性。
 ふたりとも、背負う肩書き(?)である「殺人鬼」「吸血鬼」と本人とのギャップがあるのですが、そのギャップはけしてバーンと突きつけられるものではないのです。お話の中でじわじわと、まるで実際に知り合ってその人となりをつかんでいくような感じで、少しずつ自分の中で「神無」と「御影」が像を結んでいきます。それはきっと、このふたりがお互いのことを理解する速度と呼応していて、そのせいか、読み始めと読後で、彼らの印象はだいぶ違ったものになっていました。
 読み始めは、装画に近い、赤と黒を貴重としたゴシックなイメージだったのだけど、読み終わった脳内には、水族館の青の涼やかな中であたたかな時間を過ごす二人と、青い空に向かってティルトアップしていくイメージが残っていました。

 また、作中には神無と御影のほかに、マスコットキャラ的存在や、同じく異能の存在が出てきます。その誰もが魅力的!
 東雲が好きすぎるので、2巻も出てきてくれるかなぁと期待しています。

 書きすぎるとネタバレになるかな〜と思って掘り下げられない^^;

 あともう一つ、キャラクターのモチーフが「切り裂きジャック」とか「吸血鬼」とか「ジャンヌ・ダルク」とか「串刺し公」とかで、お話や異能との絡め方も最高です。
 これからどんな人たちがどんなモチーフから生まれてくるんだろうなとワクワクします!

 ぜひぜひ読んで欲しい一冊です(*´∀`*)

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