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究極のワイン

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このマガジンでは、アメリカのすごいワインに関連する話題を取りあげます (50本)。 「ワインにはあまり興味がない」 「ワインをおいしいと思ったことはあまりない」 このような方々に… もっと読む
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記事一覧

なぜ、すごいワインにひかれるのか? 〜 11つの理由 〜

「なぜ、すごいワインにひかれるのか?」 すごいワインの魅力として、11つの理由を考えてみました。 1. とにかくおいしい   どのくらいどのようにおいしいかはさておき…。多種多様。でも開けるまでわからない。 2. ラベルを含めたアート性   こだわりのすごさ。付加価値。 3. 希少価値へのあこがれ   収集心。簡単に味わえない (たとえ入手できたとしても)。自身が早期に関与することで得られるかもしれない購入権がさらに拍車をかける (生産者との“ゆるい”つながり)。お店

究極のワインを超えていく

カルトワインはワインを超える究極のワイン。 では、カルトワインを超えるワインは存在しないでしょうか。 これまで、カリフォルニアワイン、とりわけSine Qua Non シネクアノンに関する記事を中心にご紹介させていただきました。 シネクアノンは、赤・白ともに、辛口から甘口に至るまで満点の評価を非常に多く獲得してきているばかりか (アメリカ1位、世界3位)、外見も含め熱狂的に愛されています。リリースされた後の価格の上昇は、赤・白いずれも尋常ではありません。また、ロゼについて

日本でワインを流行らせるためにやりたいこと

「日本は雨が多いから、醸造用ブドウを栽培するのは難しい」という意見を聞くことがある。では、モーゼルやボルドーでのブドウ栽培は簡単だろうか。これらの産地の生産者を目の前にしても、「日本でのブドウ栽培は苦労が多い」と言えるだろうか。 (ボルドーでワインを造ってわかったこと (安蔵光弘 著)) 日本ではさほどワインが流行っているようには思えませんが、みなさんはどのように思われますでしょうか。 より豊かな未来を追求するために、その理由を11つ考えてみました。 (多々誤りがあるかも

アメリカワイン記念日 !?

今や確固たる地位を築いたカリフォルニアワイン。どのような歴史があったのでしょうか。 ロバート モンダヴィの活躍など歴史の詳細は別記事に譲りますが、名誉の歴史が刻まれた出来事があったのです。 それは、“パリスの審判” Judgment of Paris とよばれています。 カリフォルニアワインの品質が世界に認められたのは、1976年5月24日、パリで行われたイベントでのことでした。 カリフォルニアワインが好みであったイギリス人のスティーブン スパリエ Steven Sp

いちばん高いアメリカのワインはスクリーミング イーグルではなくシネ クア ノンだった?!

今回ご紹介するシネ クア ノン、なんと1本1000万円まで高騰したようです。 先ほど確認したら、今日は売っているところはないようでしたが、世界のどこかにきっとまだあるはずです。 自分とは縁のないものですが、「宝探し」のようで、なんだかワクワクします。 さて、みなさんは「いちばん高いアメリカのワイン」と聞いて、なにを思い浮かべるでしょうか? 何も思い浮かばないという方がほとんどかもしれませんし、オーパス ワン?という方もいらっしゃるかもしれません。あるいは、S.....?

アメリカのすごいワイン 〜 もうひとつのS..... とクレーム ド カシス?! 〜

昨年、ホリエモンが潜入したプレミエ ナパ ヴァレー、最新の中田敦彦のYouTube大学で紹介された書籍「安いニッポン」といい、日米に大きな物価の違いを感じる今日この頃。 前回は、アメリカでいちばん高いワインとして、Sine Qua NonとScreaming Eagleを取り上げました。 今回は、アメリカのすごいワインとして、もうひとつのS.....をご紹介したいと思います。 もうひとつのS.....アメリカのすごいワイン、その名は、 Scarecrow (スケアクロ

スケアクロウの価格とその推移

プレミエ ナパヴァレー オークションで史上最高額のレコードを有するラザフォードの 最新カルトワイン「Scarecrow スケアクロウ」。以前の記事でご紹介したとおり、ナパ最古の樹から採られたブドウから造られた特別なものでした (Toto’s Opium Dream)。 今回は、スケアクロウのファーストヴィンテージから現在に至るまでの価格の推移についてご紹介したいと思います。 作成した図をご覧ください。 価格は、リリース時のものと2022.1.27時点での店頭のもの (wi

いま売っているいちばん高いアメリカワイン 〜泥棒ワイン!?〜

Thief。 650万円強で販売中です。 おそらく、今売っているアメリカワインで、いちばん高いものだと思います (mL換算)。 どうしてこんなに高いのでしょうか。 実はThiefというワイン、Robert Parker Wine Advocateからもっとも多く100点を獲得しているアメリカワイナリー「シネ クア ノン」が立ち上がる前に造られたもっとも古い作品なのです。 シネ クア ノンは、前回ご紹介しましたとおり、ファーストヴィンテージは1994年であり、一夜にし

最高峰のラベルへのただならぬこだわり

先日、「今売っているいちばん高いアメリカワイン」をご紹介しました。 それは、Thief 1990というもので、アメリカNo. 1 ワイナリーであるシネ クア ノンが設立する前に、オーナーであるマンフレッド クランクルらがつくった ”プロジェクト ワイン” のひとつでした。 それでは、ほかに “プロジェクト ワイン” はなかったのでしょうか。 ある記事をみますと、プロジェクト ワインは、4種5本存在したようです。 4種5本?! そうなんです、1種については、中身は同じで

2番目に高い販売中のアメリカワイン

先日、いま売っているいちばん高いアメリカワインをご紹介しました。 今回は、2位をご紹介したいと存じます。 Sine Qua Non Gewürztraminer With No Name 1999です。 本日時点で300万円強で販売中のようでした。 1位のものはラスベガスで販売中ですが、こちらはロンドンで販売中です。 Hedonism Winesというお店で、わたしがもっとも行ってみたい場所のひとつです (ヘドニズム: 快楽主義)。さまざまな写真をみる限り、内容もさるこ

11つのカルトワイン

ワインは「見る」ものではなく、「味わう」ものだと言うかもしれないが、味わう前に、まず目で見て、リストを作り、記憶し、それを欲しなければならない。 つまり、ものには順序がある。 ミシェル・ベターヌ [幻のワイン100 (ミシェル=ジャック・シャスイユ 著)] さて前回、明確な定義はないものの、アメリカのすばらしいワインの中には、「カルトワイン」とよばれるものがあることを紹介しました。 そしてそれは、少なくとも希少であり、人気が高いものであることを提案しました。 今回は、11

カルトワイン 〜「希少」であり「人気」が高いこと 〜

一部のアメリカのすばらしいワインは、あるよばれ方をしていますが、ご存知でしょうか。 それは、 「カルトワイン」 です。 1990年前後からよばれるようになったようですが、明確な定義はありません。 何をカルトワインとよぶかは人によって異なり、アメリカ以外のワインであってもカルトワインとよばれることがあるくらいです。 ということで、私なりにカルトワインの定義を整理したいと思います。 カルトワインの定義 (カルドルネ版)カルトワインとは、少なくとも以下2つを満たすもの

カルトワインに共通すること

これまでの記事で11つのカルトワインをご紹介しました。 外見に注目したいと思います。 これらすごいワインに共通することは何でしょうか。 以下の点に気づきます。 1. ラベルのデザインがシンプルであること 2. ラベルに使用している色が数色であること 3. ラベルの紙質が良いこと 4. キャップシールのほとんどが赤か黒あるいはない場合もあること 一行にするならば、 『良質なラベルに描かれるデザインやキャップシールは、色数も含めてシンプルで美しい』 となるでしょうか。

一夜にしてカルト化したシネ クア ノン

「私を信用してください」と、パーカーはクランクルに告げた。「何度も同じようなことを経験していますから。私の次のニュースレターが発売されたあと、ものすごい数の電話がかかってくるようになります。…」 [引用: ワインの帝王 ロバート・パーカー (エリン・マッコイ著)] マンフレッド クランクルは、ロサンゼルスでレストランを経営していました。 一方で彼は、「濃密でリッチ、際立って個性があり複雑、そして世界に二つとないワインを造ってみたい」との思いがあったそうです。そして、妻エ