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大失恋の話③ 短い恋の諸々。

彼の自営業を手伝うことにした。
その間、一緒にいられるから。

私には事情があって…今すぐ彼と普通にお付き合いできる状態ではなかった。

電車に乗って、1時間半、door to door で約2時間の中距離恋愛だった。
私の今の懐具合では、彼の家まで会いに行くことが難しい中、彼の最大限の配慮だったと思う。

一緒にいる間の思い出はキラキラしている。
たった半年のお付き合いだったのに。
人生で一番短い恋だったが、最も心に爪痕を残している。

彼は一時的な仮住まいのマンションに住んでいた。
生活道具が全く揃っていなくて、片付けが追いつかず洗濯物が山になり、まずは落ち着いた日常生活を取り戻す必要があるように見えた。

私は1から生活を立て直すことに張り切っていた。
彼は嫌な顔1つせず、私が必要と言ったものをどんどん買い物してくれた。

私の様々な提案を受け入れてくれたことは、不器用な彼の最大の愛情表現だったのだな、と今になったらわかる。

私は、このまま彼と一生を添い遂げられるような気がしていた。

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