自転車主義の生き方

どうして家から離れないといけないのだろう。前にある世話になった方から「あなたは個人主義者っぽいし」とぽろっと言われたのがずっと気になっていた。町内会の遠足レベルの団体行動でもおっくうでしんどくなるので、そのぶん家から離れたくないし、出歩くのも常にひとり、それも自転車が常。自転車は個人主義を貫ける。交通法規を守りさえすれば誰にもとやかく言われないし「あいつ独りで自転車に乗ってやがる」と後ろ指をさされることもない。

家と自転車。そこにSNSが重なる。ちなみにスマホは持っていない。先月亡くなったあの漫画家さんもスマホは持っていなかった。「ひとに縛られているようで嫌」と、親しい芸人さんには述べていたという。家のパソコンで間に合うし、と。

小学生のとき、日曜になると校庭で少年野球教室があった。父はああいうのを見に行くのが好きで私もよく連れられていった。級友の男の子たちもいて、コーチがいつも偉そうにガミガミ叱る様が、私にはどこか異世界に思えた。個人主義ということばは知らなかったけれど、自分のそういう主義を無効化する、気味悪い異界で、そこには足を踏み入れないようにすべきだと、何となく感じていた。

続きを綴るのは気が向いたら。


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