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その後、本を出してみた理由

インターネットの海を何年か旅しながら、いろいろな方と、国境を越えて出会い、語り、ときにはデスマッチを繰り広げながら、様々に思うところがあって、とうとう本を出すに至りました。

本当は翻訳者として書籍デビューするはずだったのですが、これもまた紆余曲折があって、最終的には著述家として書籍デビューすることになりました。

どういう本だったのかは、ここでは明かしません。

日本のある天才怪物職人ワンアンドオンリー芸術家について、ある私独自の洞察から論じたものです。

怪物的天才とはここまで孤独なのかというラストになりました。

そして、それを本当に理解できているのは世界で私ひとりではないかと、遠回しにですが結論付けて、幕を引きました。

高校生のときに出会ってすっかり虜になってしまった、ある音楽映画と、小学生のときに出会ってからずっと私の心のなかに印象深く残り続けた歴史まんがの二つを、この本を書きながら追体験するような、執筆作業でした。

「神の愛でし者」とあだ名される若き音楽家の楽曲に心奪われ、翻弄される宮廷作曲家と、片目片腕の身障者として育ち、そのすさまじい情念を表現に昇華させていく天平の仏師の、両方になり切って、書き上げた本です。

今はもう手に取って読み返す気すらわきません。通過点という以上ではない、その程度の著述です。

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