ゆりこ

1990年生まれ東京在住女性。 2024年5月に文学フリマに初出店します。

ゆりこ

1990年生まれ東京在住女性。 2024年5月に文学フリマに初出店します。

最近の記事

「虎に翼」:呪いを受け継がない、新たな呪いを生み出さない

NHKの朝ドラ「虎に翼」がほんとうに良くて、最近毎朝の楽しみになっている。米津玄師の主題歌にも力をもらえてエンドレスリピートしている。 一方で、女性には刺さるドラマだけれど、男性の目線から観てどうなんだろうという気はしていた。 そんな中、やはり、という記事をみつけた。 モヤモヤに対する私なりの回答は、「女性の苦しみが、今も頻度や濃度や形を変え存続していると思って見てほしい。そしてそれは決して男性だけのせいではなく、当人より上の世代の女性を含めた社会のせいであることを知り、

    • 邦画が豊作だ…

       私は中学頃から割と好みが年増で、邦画のヒューマンドラマばかり観てきた。コロナ流行を機にこの数年間は映画館からやや足が遠ざかっていたが、年末のPERFECT DAYSから続けて観たいものが出てきて、また昨年映画館のある街の近くに越してきたのもあり、ちょくちょく観るようになっている。  昨日は「夜明けのすべて」を観た。XやInstagram、好きなpodcastでもお勧めされていたこの映画、いやほんとに観てよかった。  この作品に関しては一つ一つのシーンを大切に慈しみながら観

      • カラオケ行こ!がめっちゃよかった

         2月某日。前職同期のはるに誘われ、映画「カラオケ行こ!」を観に行った。  最近寝ても覚めても綾野剛を推しているはるに、もうすぐレイトショー終わっちゃうからどう?と声をかけられ、綾野剛は私も俳優の中では割と好きな系統だし、ストーリーが面白そうだったので観に行ってみることにした。完全にノリであった。  公式サイトにも書かれている範囲で言うと、合唱部部長の岡聡実(齋藤潤)がヤクザの成田狂児(綾野剛)に突然カラオケに誘われ、歌のレッスンを頼まれるところから、2人の交流を中心に展

        • 傘に意識を向けたい

           私はしょっちゅう傘をなくす。今年に入ってまだ2ヶ月も経っていないのにすでに2本なくした。  1本はしかも、お気に入りの傘で2代目だった。1代目との意図せぬ別れのあと、悲しみの淵でもう二度と離すまいと固く決意して再び呼び寄せたのに、一年も経たずにまた自ら手放してしまった。  これ。緑の色がめちゃくちゃ好みで、ビニールだけどいい具合に高級感があって、本気でずっと愛せると思ってたのに。  「一生大事にするよ」とか言って、2度も不義理をしてしまったらもう信じてもらえない。  

        「虎に翼」:呪いを受け継がない、新たな呪いを生み出さない

          徒然なるままに、私がふだん考えていること

           振り返ると一人暮らしを始めて11年が経った。人生のおよそ1/3は一人で住んでいることになると気づいて静かに驚いた。  その割に料理は上達しないし(週に数える程しか作らないので当然である)、掃除も洗濯も自分のやり方が果たして合っているのかわからないままだが、とりあえず自力でほぼ毎朝寝坊せずに起きて、自分で自分を満足させながら一日を過ごし、眠りについている。  2023年末に観た映画「PERFECT DAYS」の監督インタビューでヴィム・ヴェンダース氏が「一人でいることと孤独

          徒然なるままに、私がふだん考えていること

          文フリ他己紹介

           今年の5月、私は2人の友人と文学フリマに出店することになった。私たちは新卒で入った外資IT企業の同期で、もう10年以上の付き合いになる。  10年の思い出と想いは言葉ではとても表し切れないが、大切な2人について紹介したい。   はるさん  とにかく推しへのエネルギーがすごい。私たちは1ヶ月に一度程度の結構な頻度で会っているのだが、一番の推しはずっと変わらないものの会うたびにサブ的な推しが目まぐるしく入れ替わっており、推しのための金銭的・時間的投資を惜しまない。そのバイタリ

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          フェミニズムと女性の特権

           誰かを「バリキャリ」と呼ぶとき、相手はかならず女性である。そもそも元来バリバリ働くのは男性であるという社会通念があり、女性「なのに」バリバリ働いているからこそ「バリキャリ」と名付けられる。  「バリキャリ」と呼ばれるとき、私の中のフェミニストが顔を出す。しかし、あなたはフェミニストですか、と問われれば、私ははいともいいえとも言い切れない。  フェミニストはフェミニズムの推進者や同調者であるから、上記の思想に同調したり運動を推進したりする人のことであろう。  「性別による

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          バリキャリ奇病譚

           自分で言うのもなんだが、私は健康な方だと思う。幸いまだ大病をしたこともなく入院や手術の経験はない。健康診断でも今のところ毎年特段引っ掛かる事項はなく安穏としている。  新卒で大手の外資IT企業の営業になり、世間でいういわゆる「バリキャリ」に属することになった私は、そんな健康体だったのでそれなりに長時間労働ができた。ある程度の寝不足やストレスにも耐えられた。  営業成績が悪過ぎて半泣きで営業プランの説明をしている最中に役員に目の前でいびきをかいて爆睡されたり、システムトラブ

          バリキャリ奇病譚