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3,000~4,500Hzの証明

生後4ヶ月で敗血症になった私は一命を取り留めた代わりに高音域の音が聞こえない。
おかしいと気づいたのは、ピアノの高音域が「カタカタカタ」と叩く音にしか聞こえない、体育で先生が吹く笛の音が聞こえない、家の黒電話は条件が揃わないと聞こえない時だった。

「聞こえない」と答えると皆驚くため、相手に合わせて聞こえる振りをした。
聞こえないことは「悪いこと、いけないこと」それがいつしか「恥ずかしいこと」に変わっていった。

高校生の時、私は証明しようと耳鼻科を受診した。
聞こえない音域がハッキリと結果として現れた。
嬉しかった。

私を信じず、「勝手つんぼ」と叱りつけた母親に結果を見せて私の聴力を証明した。

...ずっと悔しかったのだ。
聞こえないことを信じてもらえなかったことを。

今は恥ずかしいとは思っていない。
周りの人に説明して助けてもらっている。

ありがとう。

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