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パンツが見えて不機嫌になった彼

 三和出版というエロ本で有名な出版社があります。そこの編集者と軽くお酒を飲み、終電が近づいた山手線に乗ったときのことです。向かいに座っていた20代の若い女性がかなり酔っていたようで、眠りながらだんだん両足が開いてきました。短めのスカートなので、当然パンツが丸見えになっています。

 対面のサラリーマンたちは、目を皿のようにして彼女の股間を凝視していました。ところが、三和の編集者は見ないように横を向き、目をそらしていたんです。僕は不思議に思って「どうしたんですか?」と質問します。

 すると「プライベートな時間まで、仕事のことは考えたくないんですよ 」と真面目な顔で答えました。彼にとってはパンツが見えるという現象も、仕事に関連した出来事だったのでしょう。やはり退社した後は、誰でも仕事のことは忘れたいものなんだなと妙に納得しました。

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