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認知症の母 押し買いの被害に遭った?貴金属を避難させる

 今年の春頃に実家を訪れている時に、怪しい電話がかかってきました。なかなか名乗らず、私が何度も訊くとようやく社名と氏名を言い、「母はいないのか」と聞いてきます。母に何の御用ですか、と聞いてもそれには答えません。母は不在ですと言うと電話を切りましたが、明らかに怪しい!同じ日に今度は「もしもし」と言っただけで切られた電話もあり、怖いなぁと感じました。
 その電話の2週前くらい前に、作業着を着た中年女性が「不用品回収にきました」と訪れたので、「不用品は先日処分したばかりなので結構です」と母には一切会わせず、お引き取りいただきました。

 怪しい電話はその後も何度かあり、私は月に3~4回しか実家に顔を出さないのに、この頻度は何?と思いました。作業着の女性が訪れた時点で気が付くべきでした。母は“押し買い”に遭っているかもしれないと…。

   “押し買い”とは、「不用品を買い取る」「いらない服や靴はないか」などと電話で勧誘して個人宅を訪問し、実際には本人が売ろうとしていたものではなく、宝石や貴金属などを強引に買い取っていく手口です。
 貴金属を見せたら最後、偽物と言って数千円で無理矢理買い取る、場合によっては奪い取るように持って帰る、…泥棒ですね。

 先月に母はポストに入っていたチラシを見て業者に電話をし、下見の作業員を家に入れ、エアコン清掃の約束をしました。母は危ない業者でも家に入れ、怪しい業者にも自分から電話をし、電話に応じたりしていると、ようやく気がつきました。
 もしやと母のダイヤの指輪を探しましたが、どこを探してもありません。ブランドの指輪、高騰しているサンゴのネックレスもありません。“押し買い”の被害に遭ったんだ!カモリスト(悪徳業者に出回る“騙されたことのある人”のリスト)に載って、あちこちから連絡がきているのかもしれない、と蒼くなりました。

 そういえば3~4か月前くらいに、母が「ダイヤの指輪は偽物だった」と話していました。ダイヤの指輪は10年前に修理に出したことがあり、ダイヤのランクは低いが、ダイヤは本物、リングはプラチナと業者に言われており、偽物ではありません。母はそれをすっかり忘れ、まんまと騙されたのでしょう。母の偽物発言をした時に、ちゃんと丁寧に話を聞かなければいけなかった…。大変後悔しています。

 母のタンスや貴重品入れに入っていた、まだ被害に遭わずにいた真珠のアクセサリー3点を先日、私の家に持ち帰りました。母の了解を得るべきか悩みましたが、4月の指輪購入の一件でアクセサリーに対する執着はあることはわかったので、預かることを拒否されては困ります。了解は得ずに預かることにしました。母はどういった物を自分が持っているか把握は全く出来ていないので、アクセサリーが無いと騒ぎ出すことはありません。
 父にプレゼントされた大事なダイヤのリング、なんで渡してしまったの?偽物と言われたとしても、渡しちゃいけない物なのに…。

 電話に「留守電を聞いてから電話に出る。知らない人からの電話には出ない。」と貼り紙をしても、相変わらず母はすぐに電話に出てしまいます。来訪者の確認もせずに、玄関扉を開けてしまいます。
 ケアマネに相談したところ、今後多額の契約とか結んだ時に解約できるように、後見人申請をすることをすすめられました。任意後見の契約はしているので、家庭裁判所に申請すれば私が後見人にはなれますが、買取の領収書さえ残さずに消える“押し買い”には意味がありません。騙す奴が悪いのに、なんで母がお金も時間もかけて、そんな手続きをしなきゃならないのか、ひどい世の中です。

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