玉頭位取り 対4四銀四間飛車の序盤

 前回の続きです。今回は玉頭位取りの中でも最も難敵であると感じる4四銀型四間飛車について書いていこうと思います。

 玉頭位取りは想定局面が多岐にわたるため、棋譜から部分的な形を見つけるのが良いかと思います。
 今回は第23期十段戦リーグ 昭和59年7月30日 ▲米長邦雄王将△桐山清澄八段 戦から見て行こうと思います。
米長邦雄 vs. 桐山清澄 十段戦 - 無料の棋譜サービス 将棋DB2 (shogidb2.com)
↑将棋DB2さんで見ることができます。

1 4四銀型に対して6五歩

今回考えていく局面

 上図は25手目▲6六歩としたところです。こちらが角道を止めていて、相手が角道を開いている四間飛車であるということから、参考棋譜としてピッタリだと思い持ってきました。
 以下△4四銀▲6五歩△5四歩▲2五歩△3三角▲3六歩△5五歩と進みます。

△5五歩まで

 試しにこの局面をソフトに読ませてみると-50~100点ほどで推移しているので、形勢は全くの五分。しかし人間的には居飛車側の陣形が纏まっていないので、後手を持ってみたいという人が多いと思います。
 ここから▲6六銀左△5六歩▲同銀△4三金▲2四歩△同歩▲3七桂△5四金▲5五歩△5三金として中央を制圧してしまいます。

2 6四歩が突かれていた場合

森安秀光 vs. 米長邦雄 順位戦 - 無料の棋譜サービス 将棋DB2 (shogidb2.com)
↑リンクです。

今度は▲森安秀光△米長邦雄 の順位戦からです。

29手目▲6六銀まで

 この将棋は△4四歩に対して▲4六歩と位を取らせなかったため、先ほどのように△6五歩~△6四銀左と受けることができません。後手は△4五歩▲同歩△同銀として4五地点を空けることでこの問題を解消しました。
 ▲4六歩と突いた一手分、後手も多く指すことができます。その一手で6五地点を奪ってしまうのが玉頭位取りのコツと言えそうです。

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