見出し画像

小学校の思い出2 ずる休みしたら夕方友達と遊べないことに後で気づく

小学生のころ、学校が嫌いだった。友達と遊ぶのは好きだった。

とにかくなんとかして休みたいから
朝からしんどい雰囲気を醸し出す。熱を計らされると必死で体に力を入れてみたり、はーって息を吹きかけたりした。
で、たいてい36.9だったり37℃なので微熱やなってことで休める。

次のやまは1人で過ごせるかどうか。これは非常に大事だ。1人で過ごしたいから休むんだ。

しんどそうに、でもひどくはなさそうに、小さな声で大丈夫、と答える。

やった、うまくいった。

母は「なるべく早く帰るからね」と言って鍵をかけて出かけた。

やったー!1人で過ごせる!テレビも見れる!カセットで歌謡曲聞こう!一緒に歌おう!ラジオも聞ける!

テレビやマンガを読んで過ごし、眠くなったら明るい日差しの中、うとうとする。
目が覚めたら音楽を聞いて一緒に歌う。ちゃんと立ってマイクを持つふりもした。めちゃくちゃ元気。

3時前後かな、外が賑わってくる。小学生が集団下校で帰ってくる時間だ。
友達の声も聞こえる。
男子は声が大きいからどこで待ち合わせるかも聞こえてくる。

今からドッジボールするんや。なんか楽しそう…。
ふーん、グローブも一応持ってくるらしいから野球もするんや。いいなあ…。

ボールを地面につく音が建物に反響してくる。
そろそろ集まるんだ。
あー、いいなあ…。

私はドッジボールは得意で、男子がよく誘ってくれる。今日もきっと一緒に遊べたはずなのになあ。

自分のあさはかさに泣きたくなる。おおまぬけな私。
姉が帰ってきて遊びに行くのを恨めしそうに見る。姉はちらっと私の方を見て何も言わずに出かける。今思うとずる休みがバレてたのかもしれい。

約束通り母が早めに帰ってきた。
1人に飽きてきたのもあってちょっと嬉しくなる。
「大丈夫だったよ。」と元気に答える。
同時に明日は学校行って放課後は絶対遊ぶねん!と心に強く誓っていた。

高校になってわかったことだが私の平熱は36.8℃だった。
私も自分で知らなかったわけだが、母はまんまと騙されていたのか、それともわかっていたのか。
今では確かめることも、謝ることもできない。

実はこんな娘でした。ごめんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?