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無駄な経験などないってようやく思える。でも…

無駄な経験などない、ってよく言われる。
進行形の辛い時は絶対そんな風には思えない。
でも確かにその辛い経験の後、それをバネに身についたものがある。
と、ようやく思える。

明らかにブラック会社だった。
パソコンもプログラムができるくらいでないとダメだったようで、ほとんど毎日誰かが怒鳴られてバカにされていた。
もちろん私も標的になっていた。
当然辞めた。

毎日耐えるのが目標でやる気も何もなくなってたのだが、辞めると今度は悔しさが出てきた。

ふん!パソコンをもっとできるようになって見返してやる!
二度と会いたくないのに、どうやって見返してやるつもりだったのか、今思うと笑える。

そしてパソコンの勉強を始めた。
毎日びっしり6時間、3ヶ月通った。
Excel、WordはもちろんだがPowerPoint、Access、htmlなども学習に入っていた。
サイトのソースの文字の意味や関数がパズルのようですごく面白くてハマった。ゲームみたい。
帰宅後も復習したくらいだ。

悔しさから始めた勉強だったがいつの間にか楽しくなってパソコンが好きになっていた。

複数の仕事についたがどこの職場でもパソコン操作については困ることはほとんどなかった。
新しいことに対しても不安よりかは知りたいという気持ちのほうが強くなっていたので積極性もついた。

簡単な画像処理、ホームページの更新を経験させてもらえる機会にも恵まれた。

毎日びくびくしていたあの頃が嘘のよう。
悔しさをバネに勉強したから今があるのは確かだ。
そういう意味ではあの辛い日々は無駄な経験ではなかった。

でも…

あの人たちはきっと痛い目にあってるに違いないさ、なーんていまだにそう言い聞かせる自分がいる。


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