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80年代の大田区蒲田の喫茶店で

起きた悲劇的事故

イタメシブームが蒲田にもやってきた。
バカでかい専門学校しかないような蒲田に、だ。
ナポリタンとピラフとサンドイッチしかないような喫茶店にもやってきた。

茹でた麺(パスタのこと)を焼き炒める焼きそばのケチャップ味のようなスパゲッティではダメだ。
そう思った、喫茶『南風』(仮名)の店主は勉強した。渋谷にも行ってみた。店主は銀座派だったが、
若者といえば渋谷だ、センター街だ
というので行ってみた。
そこでは茹で上げた麺(パスタのこと)を皿に乗せる前に、
その皿に何かを回し入れていた。
入れるというか大きくマルを付けるように付けていた。
それを店主は目撃した。そしてそれはサラダ油に見えた。
店主はなぜそこにサラダ油を置くのかわからなかった。
しかし渋谷の店に間違いはないであろうと、しかとそれを目に焼き付けた。

後になってこれが悲劇の元凶になるとは、
この時はまだ知る由もなかった。


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