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【名盤伝説】"David Sanborn / Voyager" あの頃の思い出とともにあるフュージョン名盤。

MASTER PIECE デイヴィッド・サンボーンの1980年リリース『Voyager ( 邦題: 夢魔』です。

当時、新譜情報の仕入れ先はもっぱら「ADLIB」とういう音楽雑誌でした。遊び場だった新宿の紀伊国屋で購入して、歌舞伎町のカフェ&バー「SUNSET」に向かいます。この店は、フュージョンやAOR系のアルバムジャケットが窓越しに飾ってあり、雑誌で紹介されている新譜も多くディスプレーされていました。当然BGMもそんな新譜がよくかかり、雑誌を見ながら「このアルバムはこうこいう感じなのか」などと思いながら過ごします。その後は、三光町(新宿三丁目)の輸入盤屋にGO。そこでも壁に飾ってある推薦盤を眺め、雑誌にあった新譜が入荷前だと、その足で渋谷に向かい、東急HANDSの周辺のレコード屋をうろうろ・・・バイト代のほとんどを、こんな過ごし方で使い果たしていました。幸せな時代だったなと今更ながらに思います。

そんな思い出とともに、この時期に購入したうちの1枚がこのアルバム。私にとって初めて意識して聴くサンボーンでした。

参加ミュージシャン
Alto Saxophone, Electric Piano [Fender Rhodes, Wurlitzer] – David Sanborn
Flute, Tenor Saxophone – Tom Scott
Bass, Synthesizer [Moog Bass],Piano – Marcus Miller
Drums, Electric Piano [Fender Rhodes], Electric Guitar, Synthesizer [Prophet] – Marcus Miller
Drums – Steve Gadd
Drums – Buddy Williams
Electric Guitar, Acoustic Guitar – Buzzy Feiten
Electric Guitar – Hiram Bullock
Percussion – Lenny Castro
Percussion – Ralph MacDonald
Gong – Ray Bardani
Congas, Timbales, Percussion – Lenny Castro
Synthesizer [Obx] – Michael Colina
Backing Vocals – Kacey Cisyk, Lani Groves, Patti Austin, Valerie Simpson
Backing Vocals – Diva Gray, Gordon Grody, Hamish Stuart, Lani Groves

当時のワーナー御用達のキーボード兼プロデューサーのマイケル・コリーナが前作に続いてプロデュースを担当。クリアで透明感のあるサウンドメイクは、その後のサンボーンの音作りに欠かせない存在になります。

そしてもう一人のキーマンは何といってもベースのマーカス・ミラー。このアルバムは、サンボーンとマーカスの共演というより競作と言っても良いと思います。ブレイクした前作『Hideaway』(1980)からのコラボレーションで、彼無しにはこの時期のサンボーンは語れません。

収録曲
M1 Let's Just Say Goodbye (David Sanborn)
M2 It's You (Sanborn)
M3 Wake Me When It's Over (Sanborn, Marcus Miller)
M4 One in a Million (Sanborn)
M5 Run for Cover (Miller)
M6 All I Need is You (Miller)
M7 Just for You (Miller)

オープニングのM1はテンポの良いノリ曲。エコーの効いたバジー独特の音色のギターソロが心地良いです。

そしてアルバムのハイライトは何といってもM5の「Run for Cover」。イントロ頭のマーカスのスラップ一発で、本気で逝きそうです。ライブでも超人気。サンボーンファンだけでなく、マーカス追っかけのベーシストは必ずこのフレーズをコピーしていることでしょう。曲そのものは意外と単調なのですが、このグルーヴだけで世紀の名曲と言いたいです。

1984年、当時の渋谷公会堂でサンボーンのステージを見る機会がありました。その時のメンバーは、まさにこのレコーディングに参加していた、マーカス、ハイラム、バディの強力リズム隊でした。ステージ後半で大盛り上がりの最中に、マーカスとハイラムが客席に飛び降りてバトルを繰り広げます。たまたま通路際の席だった私の目の前に、マーカスとハイラムのお尻がありました^^;。(翌日のステージではサンボーンも客席に降りたらしいです…皆んな元気です。)

そんな1984年にリリースされたサンボーンのライブ盤『Straight to the Heart』でも、この「Run for Cover」は収録されています。メンバーも来日公演とほぼ同じ (+こちらのライブ盤の方が超豪華・・・当たり前ですけど)。

サンボーンを聴くなら、まずはこの『夢魔』からお願いします。ジャケットもいかしています。壁に飾ってお部屋のインテリアにしてはいかがでしょうか(^^)。


[追記]


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