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【名盤伝説】 “Bill LaBounty” Mr.Oの思い出。

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。ナッシュビル系 AORシンガー・ソングライターのビル・ラバウンティです。

ビルといえば2ndアルバム『This Night Won't Last Forever (邦題: 涙は今夜だけ)』(1978)の同名タイトル曲が有名です。1990年にTVドラマ「すてきな片思い」の挿入歌として採用されて、日本国内でスマッシュ・ヒットとなりました。

美しくキャッチーなバラードを切々と歌い上げるビルのボーカルは、恋愛ドラマのイメージにビッタリな心に染みる名曲ですね。

1982年リリースの4枚目『Bill LaBounty』はAORファンだけでなく、フュージョンファンにも人気のアルバムです。オリジナルの通称「落武者」ジャケットでは楽曲のイメージが伝わりにくいと、国内版はバカンスでプールに浮かぶカップルの写真に差し替えられ、邦題も「サンシャイン・メモリー」となったのも、そのギャップが話題になりました。

差し替えられた日本盤のジャケット。まさにAORしてます。

このアルバムの参加ミュージシャンは、ウィリー・ウィークス(Bs)、チャック・レイニー(Bs)、スティーヴ・ガッド(Drs)、ジェフ・ポーカロ(Drs)、レニー・カストロ(Perc)、パティ・オースティン(Cho)、ジェームス・テイラー(Cho)、ステイーブ・ルカサー(G)、ディーン・パークス(G)、デイヴィッド・サンボーン(Sax)。目が眩むほど豪華な布陣で制作されました。

特に収録曲の「Livin’ It Up」は人気曲で、1990年にフュージョン・キーボードのリッキー・ピーターソンがカバーしています。
しかしこのジャケットはマズイです(汗)。仲間内では「落武者」ジャケと呼ばれていました。

そんな彼が満を持して1991年にリリースしたのが5作目のアルバム『The Right Direction』(1991)です。

輸入盤のジャケットです。

参加ミュージシャン
Backing Vocals, Harmonica – Robbie Dupree
Bass – Neil Stubenhaus
Drums – John Robinson
Guitar – Brian Ray, Larry Carlton
Producer – Bill LaBounty, Robbie Dupree
Saxophone – Jim Horn
Vocals – Tata Vega
Vocals, Keyboards – Bill LaBounty

盟友ロビー・デュプリーとのコラボが鮮明になっている作品。アレンジもドラムのジョン・ロビンソンとベースのニール・ステューベンハウスのタイトで小気味よいリズムが全編に効いていて、本当に心地よいアルバムに仕上がっています。

収録曲
M1 Good Life
M2 The Right Direction
M3 Mr. O
M4 Emily
M5 Holding Out
M6 Burn Down the Night
M7 Be There
M8 Time Start Now

M1のリズムのキレの良さはAORナンバー・ワンだと思います。M2はロビー・デュプリー節全開のスローバラード。彼らのソングライティングの能力は秀逸です。そして問題の?M3。私のハンドルネーム”Mr.O2”は、実はこの曲のタイトルが由来です。そのあたりのことを記事にしています↓。よろしければご覧ください。

ちゃんと聞くと、この曲で歌われているO氏はかなり情けない奴だったりしますが、ま、それはそれとして(苦笑)。M4も切ない思いを伝えきれないもどかしさを歌うミディアムテンポのバラードで、じっくりと聞くと胸が詰まる思いがします。

正直それまでの彼のアルバムは、良い曲はもちろん多いのですが、全体にまったりとした雰囲気で、途中でまどろっこしくなってしまいます。ところがこの『The Right…』は、どんなにスローな曲でもメリハリがついていて、ビルの作品の中でも私はこのアルバムが一番好きです。

この画像は日本盤のジャケット。微妙に違うジャケットの差し替え作戦は、止めてもらいたいものです(^^;。

そんなビルとの思い出。2014年4月に東京のCotton Clubでの公演の後に、ご本人からサインを頂く機会に恵まれました。その時に「宛名はどうしますか」と問われ、すかさず私が「Mr.O2でお願いします」と言うと、怪訝な表情を浮かべたビル(笑)。戸惑いを隠せないまま頂いたのがこちらです。

多少ニュアンスが違いますが(笑)、それでも本人から頂いたということで大満足。時にはミーハーになるのも悪くないです。良い記念になりました。

ビルとの"Mr.O"の思い出は一生ものです。

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