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【名盤伝説】 ”Marc Jordan / Blue Desert” 吹き抜けるLAの乾いた風を感じるAORの定番


お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。US生まれのカナダ人シンガーソングライター、マーク・ジョーダンの2nd『ブルー・デザート』(1979)です。

78年にスティーリー・ダンのプロデューサーとして有名なゲイリー・カッズによる1stアルバム『マネキン』をリリース。その多彩な作風と硬質なアレンジで話題になりました。続くセカンドアルバムでは売り出し中のLA敏腕プロデューサーのジェイ・グレイドンを迎えて、AORテイスト全開の作品となりました。

参加ミュージシャンはグレイドン人脈の有名どころが参加しています。ドラムにはラルフ・ハンフリージェフ・ポーカロジム・ケルトナー。ベースはエイブラハム・ラボリエル。キーボードはマイケル・オマーティアン。ギターソロの大半はグレイドン。さらにディーン・パークススティーブ・ルカサー。コーラスはビル・チャンプリントム・ケリーボビー・キンボールヴェネット・グラウドなど。サックスはアーニー・ワッツ。お馴染みのミュージシャンが顔を揃えます。

マークの曲の特徴は、内省的なリリックと呟くような歌い方にあります。アレンジ次第では重くて暗い印象になりますが、グレイドンのアレンジで太陽の降りそそぐ西海岸の爽やかな風を感じるサウンドに仕立てられました。

個人的にはグレイドンのギターがフューチャーされている曲が好きです。
M2「I’m A Camera」 この曲のギターソロがグレイドンの三大人気ソロなのです。確かに恰好良くて好きですが、そこまでは・・・ま、好みですね。

M4「フロム・ノーウェア・トゥ・ディス・タウン」 イントロのギターリフからグレイドンサウンド全開です。こんな曲が続くアルバムって、つい嬉しくなっちゃいます。

M6「ロスト・イン・ザ・フラー」 この曲の名手チャック・フィンドリーによるフリューゲル・ホーンのソロは絶品です。

M7「リリース・ユアセルフ」 この曲のグレイドンのソロはかなりハードな印象です。曲後半の弾きまくり、彼の様々な曲でのソロの中でもかなり上位にランクインするのでは思います。

その後マークはアルバムを定期的にリリースしていますが、ここまでポップでアレンジが作り込まれた作品ではありません。現在でも現役シンガーとして活動していますが、ほとんど宗教的といえるほど、静かで語り掛けるような作品が多いです。もともとそういうテイストのシンガーなのでしょうね。この『ブルー…』とスタジオ録音としては次作となる『A Holl in The Wall』(1983)が特別かもしれません。

マークの思い出。
2012年10月にコットンクラブで行われたBRUCE GAITSCH & JANEY CLEWER's AOR TOKYO SESSION Vol.1というセッションにゲストで参加して待望の初来日を果たします。その時の模様はこちらで紹介されていますが、このアルバムからはもちろん、初期のアルバムからはA Hole …から1曲選曲されたのみ。しかもセッションなので緻密なバンドアレンジではありません。ま、仕方ないのかなと思いつつ正直物足りないステージでした。それでも終演後に関係者とともに記念撮影に紛れ込むことができてニコニコな夜となりました。

前列中央に座るマーク。セッションマスターのブルースが一番後ろ。
中央の美人さんはブルースの奥様ジェイニー・クルーワです。

マークは本国カナダ国内では頻繁にライブを行っています。もっと楽しみたければ現地に行くしかないのかもしれませんね。ただ今も現役で曲を作り続けているのはすごいです。AORテイストは全くありませんが、輸入盤ならCDは購入できるで、いつまでも聴き続けたいと思います。


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