国が言う「不登校の不利益とは?」

疑問におもったこと、関心のある記事をピックアップして文章にします。支離滅裂だったらすいません。

【文科省の方針:やはり学校復帰を前提?】

文科省は11月17日「国は学校に戻ることを前提としない方針を打ち出した」との指摘は誤解だと都道府県に通知しました。
率直にどういう意味か?
「やはり学校に戻ることを前提とする。」という意味なのでしょうか。

その理由に「不登校には学業の遅れや進路選択上の不利益がある」

ことを強調しています。
そこで不登校に生じる進路形成の不利益について調べてみました。

【高校進学事情:不登校経験者との比較から見えてくるもの】

不登校経験者とそうでない者(以下「経験あり者・経験なし者」)との高校での学校生活を比較した調査データがあります。(平成 28 年度に行われた「東京都子供の生活実態調査」の若者調査データ)
高校進学率では、「経験なし者」は 98.9%が高校へ進学。
それに対し「経験あり者」の高校進学率は 91.5%でした。
ただし、「全日制の高校」に進学する割合は「経験なし者」が9割、「経験有り者」はおよそ6割です。
つまり、不登校を経験していても 9 割以上が高校へ進学し ていることは、「通信制高校」のような進学の多様化 が背景にあると思われます。
調査データは少し古いので、今はさらに通信制高校が盛んになり、選択肢は広まっているのではないでしょうか。

【「楽しいか楽しくないか」 アンケートが明かす差異】

次に高校での中途退学についてです。
以前だったら「休みが多く進学ができない」とう理由で中途退学が多かったと思います。
しかし、通信制高校では出席の選択も広まっているはずです。
それでも文部科学省の調査によると、2017年度における通信制高校の中退率は4.9%に上りました。
これは全日制高校の約5倍の数字で、20人に1人が通信制高校を挫折している
という計算です。
自己管理能力や経済面、精神面等あらゆる原因が考えられますが、私は以下の調査が気になりました。
「高校での生活の様子」についてのアンケートです。(平成 28 年度に行われた「東京都子供の生活実態調査」の若者調査データ)

「学校生活が楽しくない」という問いに対して
「経験なし者」は6,5%、
「経験あり者」は23,8%という差。

【教育段階との比較:高校選択と不登校経験者の独自の課題】

整理します。
文科省「不登校を学校に戻るこちを前提としない」は誤解
↓なぜ?
不登校は進路上の不利益があるから
↓どんな?
不登校経験者は中途退学が多い
↓なぜ?
通信制高校でも「楽しくない」から

このような流れです。
前提小中高での教育を考えると、高校は自分の選択で決める段階です。
自分で選んだにも関わらず、なぜ不登校を経験した者が「学校をつまらない」と感じる割合が高いのか、その背後にある理由を今後考えていきたいと思います。

参考文献
東京都立大学 子ども・若者貧困研究センター 「不登校経験者の高校進学とその後 の不登校、中退 」Working Paper Series Vol.12  梶原 豪人 2020 年 7 月 1 日

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