竜頭蛇尾を願う

元日早々大きな地震が能登を襲い、長浜でも相当揺れましたね。被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。さて地震の「震」という字には、今年の干支である「辰」が入っていることが話題になっているようですが、関東大震災と阪神大震災は亥年、東日本大震災は卯年、熊本地震は申年と、辰年だから大地震が来るわけでもないようです。むしろ「謹賀新年」ならぬ「震が近年」多発というのが正しいでしょう。
 
「辰」という字は実は「竜」とは関係なく、漢和大字典によると「二枚貝(はまぐりなど)が開いて、ぴらぴらと弾力性のある肉がのぞいたさまを描いた象形文字」なんだそうです。ピラピラ、プルプル、ブルブルした様子を表す字のようです。
 
「辰」がつく字は多く、手がつくと「振る」。口先でプルプルしているのが「唇」。赤ちゃんがお母さんのお腹の中でピクピクと振動するのが「娠」。地震の「震」は「雨(空の現象)+辰(ビリビリふるえる)」で、本来は「雷」のことのようですよ。
 
ついでに(空想上の)生き物の方の「たつ、りゅう(dragon)」には「龍」と「竜」の字がありますが、この二つは全く同じ意味なのだそうです。全然違うやんか、と思うでしょう。でもね、「龍」という字を左右に分けて、右部のごちゃごちゃした字を簡単にひらがなの「し」で表すことにしましょう。そしてですね、左部の「音」みたいな字に「し」を重ねてみると、何ということでしょう「竜」になりました。これがホンマのdragon magic。
 
竜の字のつく四文字熟語で思いつくのは「竜頭蛇尾」。あまりいい意味には使われませんが、災害だけは巳年に向けて竜頭蛇尾になることを祈ります。

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