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Vol.21#挑め!Leading Article/陸軍縮小

その日のLeading Articleから解釈の決め手となった語彙を記録していきます。身につけば読む事がどんどん”楽”になります。

英国といえば海軍の国ですが、今日のは陸軍の人員数が激減している事への懸念です。

英国の軍隊は従来より徴兵制ではなく職業軍人に拠る伝統がありますが、それも時代の流れの中で揺らいでしまっており色々物騒な世の中では懸念すべきだという話です。

The army is shrinking even faster than the politicians who habitually starve it of resources would wish. Britain is ceasing to be a credible military power
Kaiser Wilhelm II was said to have issued an order to his troops as they steamrollered through Belgium on their way to France in 1914. They should concentrate their energies, he decreed, on exterminating the “treacherous English” and crush their “contemptible little army”. The German emperor was referring to the British Expeditionary Force. Tiny in comparison with the vast conscript armies of continental Europe, this professional force was at that moment some 100,000-strong.
Its veterans would treat his insult as an ironic source of pride, hence their nickname of the Old Contemptibles. Would that the British army of today matched the size of the valiant little expeditionary force.
Analysis by this newspaper suggests that within two years the army will have fewer than 70,000 soldiers and the decline will continue as departures outstrip recruitment. If nothing is done to stem the tide of resignations and encourage young people to join up, the service could be 52,000-strong in a decade, small enough to fit inside Manchester City’s stadium. The government’s decision to reduce the army to 72,500 by 2025 — which has so alarmed American generals — is being overtaken by events. It now appears to be on an unstoppable downward trajectory that could result in Britain losing its credibility as a military power and force for good in an uncertain world.

🔲解釈のポイント🔳🔳🔳
conscript /徴兵制の事。draftという言葉もありますね。フランスやドイツはこれにより頭数は確保できます。
一方英国は職業軍人(professional force)の国なので、少数精鋭。フランダースでの戦闘は十倍の軍勢と戦い勝利しました。

ただそんな英国陸軍も時代が変わり給与が魅力的でなくなったり流行らなくなると人数が減ってしまったという流れです。

Would that /〜であったら良いのにという言い方で、that節の中は仮定法になります。自分が通ってた高校の文法の授業では使われることがほとんどないとか古い表現とか言われて迫害されていましたが、実際2024年今日の新聞の社説で使われています。書き言葉の中で古い言葉を使うのは日本でも結構ありますよね。切り捨ててしまうのはどうかなと思います。

being overtaken by events/状況が変わってしまい、意味のないものになるという言い方です。軍の縮小を決定とか言ってたら、それを上回る速度で人数が減ってしまっていたという話です。

【試訳】陸軍に対して政治家は兵糧攻めで飢えさせる習慣があるものだが、そんな政治家が望むよりも縮小は急速し進行している。英国は頼れる軍事勢力ではなくなろうとしている。ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は1914年に自国の軍がフランスに向けてベルギーを強行突破する際に全力をもって”信用ならない英国人”を根絶やしにする事と”軽蔑に値する小さな軍”を撃破する事を命じたと言われている。ドイツの皇帝は英国の遠征軍について言及した。確かに徴兵制に基づいた欧州各国の大規模な軍隊に比べれば規模は小さいが、この職業軍人部隊は当時10万人規模であった。

英国遠征部隊の熟練兵たちはドイツ皇帝による誹謗中傷を皮肉として受け止め、誇るべきものとした。”軽蔑に値する者たち”の愛称はこの事に由来する。今日の英国陸軍もこの勇敢な遠征軍ほどの規模があれば良いのだが、そうではない。
本紙分析によれば、2年以内に陸軍の規模は7万人に縮小する。そして退役者数が入隊者数を上回る限りこれは続いていく。退役者の大幅増の波を食いとめる施策を打ちつつ、若年者の入隊を推進しなければ、10年以内に5万2000人に縮小するだろう。これはマンチェスタの市営スタジアムに収容できる規模だ。政府は25年までに陸分を7万2500人に縮小する決定をしているが、これに対しアメリカ軍幹部は懸念を示していたが、こうなってしまっては意味がない。陸軍の規模は止めようのない下降曲線にあり、英国は軍事勢力と不安定な世界における正義の味方としての地位を失おうとしている。

一言コメント

”軽蔑に値する”と中傷されたら、それを自分たちの愛称にしてしまう英国的悪ふざけの文化ですね。ウェストミンスター寺院には立派なモニュメントまであるそうです。

第一次世界大戦中の1914年、フランダース地方において”軽蔑に値するやつら”部隊 10倍兵力のドイツ軍を破りドーバー海峡の港湾都市を防衛したとある



回答

①徴兵制
②〜だったらよいのに。
③状況が変わり意味のないものになる


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