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少し面白かった、夢のお話。

日本の方なら多くが知っている、スタジオジブリ。
その「千と千尋の神隠し」にまつわる
ただの夢。

だったんだけど、あまりに面白かったので
ここにも残しておこうと思う。

油屋で。

油屋だった。
私は白い服を着て、金属の首輪をつけられて、
薄暗い電球の明かりのもと、
人間の奴隷として働かされていた。

(どうにか……)
運ばれる荷物。
痛む裸足、埃まみれの空気。
(どうにか、逃げなきゃ……)

息をきらして
どんどん荷物を運びだす。
バケツリレーの要領で、
どんどんどんどん
どんどんどんどん。

私のなかには「逃げなければ」という
思いと焦りが渦巻いていた。

(だけど、……どうする?)

相手は魔女。
しかも厳しい湯婆婆。
まさか奴隷を笑顔で送り出すはずがない。

(でも、ここにいれば殺される。)

いつ、だれに、どうやって殺されるか
そんなことはわからないが、
漠然と、居続けることはできないこと
いつか必ず殺されることが
なんとなくわかっていた。

焦りばかりがつのる。
荷物はどんどん流れてくる。

息はきれる、汗は吹き出す。
手も足も、体もどんどん汚れていって。

ただ、「今だ」と思えるタイミングが来た。
このまま荷物を運びだす振りをして、
外に行ける。
外に出られる。
ーーーそうすれば、逃げられる。

「持っていきます!」
現場監督に報告し、
怪しまれないように部屋に背を向けた、
その時。

「どこに行くんだい。」

聞き覚えのある、しわがれ声。
(湯婆婆だーーー……!)

魔法かなにかで直接
私にだけ話しかけているらしい。
(しまった、バレた……!!)

焦りで汗が吹き出す。
間違いなく、殺される。
どうしよう、どうしよう、どうしよう。
ぐらぐらする頭で
なにも答えられないまま、
荷物を抱えて突っ立っていた。
そして。

「その荷物、品質保証書はちゃんと入ってるのかい。」

ーーー品質保証書?
あ、しまった、入れてない。

「あっ、すみません、入れてないです!!」

反射的にそう答え、
部屋に回れ右。
不思議と頭はクリアになっていた。
(……あれ?)

いや、普通に働いとるやないかーい。

殺されるーとか思いながら
自分の失態は普通に認識して
あ、しまった、ってやり直すあたり。
普段の仕事の感覚が身に付いてるなあ~……。

っていうか
奴隷として雇われてる(買われてる?)のに
真面目に仕事するんかーい。

いやあ、社畜根性染み付いてるな。
普通に働いてたわ。

そんな、真夜中0時。
……はぁ、おやすみなさい。

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