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国道19号ひとっ走り

最低気温1℃、最高気温15℃の天気予報。
降水確率午前0%、午後10%。
これは走らない方がどうかしている。
とりわけ、先日の体調不良から少し悶々とした心身を切り替えたい。
とはいえ、先週の積雪が峠道を未だ覆う道路状況でもあるし、幹線道路も路肩には雪が残る。
そこで、国道19号を安曇野市から長野市までの約60km余をハイペースで走ることに。

うふふいい天気

金魚のように穏やかに過ごしたいのは本心だけど、日々の出来事につきまとうネガティブな感情や、生来の性格由来のシニカルな言葉の連発などは、社会活動の中で着実に生産(増産)され在庫を抱えていくので、これはこれでなんとかしなくてはならない。
最近そこいらで耳目にする「自分のご機嫌は自分で取る」という、大人になれないオトナの他人にばかり期待する相変わらずの気持ちの悪い利己的な優しさから生まれたような言葉に従う訳ではなく。

行動としては、法定速度〜公的機関主催サイン会ご招待対象未満の速度で、高速コーナーを想定したラインを正確にトレースすることに集中した。
(本来なら、この季節はゲレンデで駆るスノースクートがそうした役割の背負ってくれて、毎年肋骨にヒビが入るような滑りをしては悦に入っていたのだが、この雪の少なさでは…)。

国道19号の要衝、山清路

1ヶ月半ほどブランクを開けたので、正確なシフトタイミングや丁寧なブレーキングを再確認しながら、ブリッピングやライン取りのミスを生まないように集中する。
二十代前半期に事情あって心療内科の医師から指導を受けた自律訓練法は、脳内にループするネガティブな念慮を、身体に感じる心地良い現象を想起して単純な言葉と思念の反復で断ち切るものだが、それと似た作用がバイクライドにはあると思う。
自律訓練法はかなりやり込んだお陰で、四肢の温かさや額の涼しさなどの感覚を仕事中でも再現出来るくらいになってはいるものの、それでも積もる感情が行き場を失うことはある。
とりわけ、自身がいかに能動的な行動をしても解決不能な、事が相手次第な事態の場合は。

ささやかな目的地、長野市七二会の寺

スーパーカブは、基本的に穏やかで周囲への侵襲がとても少ないバイクだが、タイカブのトルキーなエンジンは、いざとなればペースの速い国道でもそれなりの走りが出来る程度の余裕がある。
80km/hまではコンパクトカーの流れをリードする程度の加速を見せるし、100km/hでも車体が安定していて、原付二種とは思えない安心感もある。国内仕様より僅かながら長いホイールベースと硬めのリヤサスペンションのおかげかもしれない。
フロントサスとドラムブレーキは決してスポーティーではないけれど、マイルドなFブレーキは急激な車体姿勢変化を良くも悪くも生まないので、スムーズな加減速に徹すると、前輪がラインをニュートラルに気持ち良くトレースしてくれる。
これを忘れて、コーナー手前ギリでフル減速・パッと倒して前輪荷重でイン向きのコーナリングフォースを生ませつつ向き変えしてフル加速、というようなパキパキのスポーツライドをしようとすると、許容はしてくれるもののパワーの立ち上がりが鋭くはないので、むしろワンテンポ遅れた危険な走り方になりかねない。

人生と同じで、エネルギー変化の度合いを一定に保つ方が安全で確実で疲れず、結果として致命的なパワーダウンに陥らないのだ。

南北朝時代の古い印塔を観に。


印塔。銘文も素晴らしいが、石材の均質さが目を引く。


塔から見える景色

片道1時間半も走れば頭もスッキリ。
四肢に血液が行き渡り、軽く汗ばむほどに。


長野市信州新町 あさひやさんのカツカレー(大) 美味い♪

帰路もやや速いペース、でも往路より速度自体は抑えて、操作はより丁寧に。

カブの包容力…ダルな走りもスポーツもokということに甘えつつ、走る毎にほんの僅かでもブラッシュアップは図りたい。それは、単に家にいるよりはるかに多くのものを五感で感じる走りの時間を持ちながら、心までダルにならないようにするため。
身近にいる、自分と同じか少し上の世代の人たちの、心の衰えを正当化する振る舞いを目の当たりにすることが増えて感じること…人は過去に生き未来の不安を自分で生み出すようになると、ココロも頭脳も後退していく。

本当に綺麗に走る次元には未達だけれど、耳目にするものへのポジティブで弾力性のある感受性は、走らないより保てるはず。

曇らぬように

先日の体調不良から、大盛りカレーを平らげるまでに快復。
でも、以前は軽く平らげたのに、今回はもう限界量でした(汗)。
何事も程々にする年齢と身体になったということ…ですね(笑)。







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