見出し画像

出逢い

惹かれるひとは

なにかピンとくる瞬間がある


エピソード0があるんです


あのひととのエピソード0は
めちゃくちゃ早い時期にありました


はじめましての挨拶が
ビックリするくらいキラキラしたモノでした


でも出会い系の飲み会でもなければ
婚活パーティーでもありません


とある企業の事務所で
『はじめまして』
ビジネスパートナーだったわけではありません。

私がパートで働きに行った先にいた社員。


初日の、3人目
女性も男性もいる職場ですが、
男性のマネージャーと女性のサブマネージャー
つぎつぎと挨拶しました

その後、彼と挨拶をしました


「松居さん!はじめまして!森タクマです!」
清々しい挨拶と笑顔

世間でいうおとこまえです
私より5歳年上なのだというのも
割とすぐに教えていただきました

笑う時にカッコつけずにクッシャクシャ
MacBookを扱う姿は超絶カッコ良かった


でも朝イチの彼は
寝癖つきなんです
ネクタイも適当で。。。

出社は1番早くて真面目に颯爽と来るんです


パートをはじめた当初なので
少し緊張していたのもあって
ちょっとでも慣れるために
出社を早くして
到着してから休憩するように意識し
毎回、会社の隅の喫煙所で
ボッサボサ頭でちょっとだらしない感じに入ってくる森さんの姿が、ギャップというか新鮮だったことを覚えてます。


「あ。松居さん。早い。」
おはようって挨拶する前に必ず素の森さんをみてしまいます。


「あ、おはようございます!森さん!」


後日談だけど、毎日挨拶する時に
森さん!って元気よく名前を呼んでくれたことが耳に残ってるって。


タクマ!ってなるまでには、意外と長くて
一人暮らしのおうちで
おうち呑みに誘われてからは
仕事帰りに晩ごはんと称してビールをたしなみ
居酒屋に誘われては、仕事の愚痴やら映画の話やら、好きなアーティストの話で盛り上がった


「松居さんと一緒にライブ行きたい
絶対コスプレしてる俺と一緒に行ったら
面白いって!」

そう言って、年末の年越しライブの抽選に果敢にチャレンジしてくれて、2枚購入することができたんです。

彼は、高校生の時から、私の好きなアーティストFにそっくりだったと豪語するんです。

いや、カッコいいかもしれないけどFには見えません。全然違う感じのオトコマエなんです。


「信じないならアルバムみせるよ、家おいでよ」


一人暮らしのおうちにはアルバム置けないからと、ご実家に遊びに来てとのお誘いも、まだまだ『松居さん、森さん』という距離の頃だった。


どうみてもFの生写真。

え??


雑誌の切り抜き(本物F)の隣に
写真をモノクロで撮った同じ格好の男の人が。
それが、シンクロしてるんです。
ホントに似てて、その写真を見てからは
カッコいい。。。Fくんだ!
ってもうスイッチが入ってしまったのを思い出しました。


そして、はじめて仕事でタッグを組むことになった日のこと。


本来なら、マネージャーとタッグを組むのがレギュラー。忙しさがピークで、彼がマネージャーの仕事を受けて実現。
しかもギリギリでのことだったので、残業も含め、少し無理した状態からのタッグだったので、ちょっと殺伐とした雰囲気もあって、仕事とはわかっていても、なんか寂しいというか、不安というか、やるせない気持ちになってたのです。


「松居さん、ちょっと休憩しよ」
誘ってくれたのは彼でした


「あ、はい、ありがとうございます!」
そう言いながら、手が止まらず、すぐ休憩の気分ではなかったんです。


「ご飯食べて眠たいからコーヒーブレイク!」
そう言い残して休憩室に消える彼。
コーヒーメーカーからいい香りが漂い、
気持ちがいい空気が流れる。そして休憩室から呼ぶ声がする。


「おーい、サキ早く。コーヒー冷めるから。」


はっ!ってなって
休憩室のドアを慌てて開けたら、
私の大好きな会社の前のケーキ屋さんのモンブランと、淹れたてのコーヒーを並べている彼。


え?いまサキって呼んだ?

ドキドキが止まらなくなるのと、コーヒーのにおいが身体に染み付いてる感じで。

真正面に座って、じっと顔を見つめられて
「松居さん、モンブラン好きだよね」


なんで???
本当に大好きで、機嫌が悪くなった時、食べると一発で機嫌なおすくらいのモンブラン!
しかもどうして一番好きなケーキを知ってるのか。。。。


仕事帰りにケーキ屋に寄っているのをみて、
会社近所で顔見知りの店員に、さっき何買って行ったかを数回聞いてリサーチしていたと言われたサキは、完全に心打たれていた。


満面の笑みで、
「おいしいでしよ?俺の淹れたコーヒー」


コーヒーメーカーが作るんだから同じなんです。味なんて。
でも優しいまろやかな舌触りと、包み込まれるコーヒーの香りが彼の味に感じて。


そのことを伝えると、クシャクシャの笑顔で、
「もう、俺のこと好きになってくれた?
とっても素敵な魔法かけたんだけどね」
と、頭をポンポンとして喫煙所に消えていった。


もうそんなことされたら
Fくん!!!目がキラキラ
になって完全に魔法にかかってしまった。


そんな出逢いが思い出として残ってる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?