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タクシードライバー、見たことある?

Noteを書こうと思ったことは何度かあった。ふと思い立ち、いざやるぞとログインボタンを押すと3周年記念のバッチの通知。まさかそんな前からアカウントを持ってたなんてね。やめてくださいよNoteさん、今日がデイ1です。

アイディアは色々あった(気がする)けど、やっぱり好きなことを!ということで映画について書こうと決めた。映画っていいよね。好きですか?映画。おそらく誰も見ないであろう、インターネットの海にボトルメールのように文章を投げ込む私です、いつか読むかもしれないあなたに問いかけているよ。
私は映画好き!高校卒業後バイトを掛け持ちしながら、働いていたミニシアターで、地元の映画館で、TSUTAYAで、必死に稼いだバイト代を溶かし映画を見ていたことをふと思い出す。まるで何かと戦っているかのように、はたまた取り憑かれたように映画を見ていたな。今それほどの情熱を持っているかというとそんなことはないんだけど、まあ備忘録です。のんびり映画のことを書いていこうと。形に残ると嬉しいしね。

初回は何にしようか考え、最近ちょうどレポートに使ったタクシードライバーにあっさり決定!1976年公開、マーティンスコセッシ監督、ロバートデニーロ主演です。タクシードライバー、見たことある?私は、3年前のちょうど今頃に初めて見ました。思い出す19歳、、いや18歳?当時のFilmarksのレビューによると評価は4.3、結構好きだったみたいね。
数年ぶりに見返すとやっぱりかっこいい。夜のニューヨークの街並みに、繰り返されるジャズのテーマソング。この映画についてレポートを書いたわけだけど、授業の成績はC、レポートの内容も色々な情報の焼き増しって感じなので、そんなゴミレポートの複製をここで作るつもりは無いです、、、。けどね、納得いかなかったレポートのため私はここでもう一度頑張ると決めた、供養させてあげなきゃ。
レポートを書く中で色々見たのだけど、新タニムラ洋画劇場さんの「何が平凡な男を狂気へ駆り立てたのか?70年代の傑作映画を独自解説![タクシードライバー]」、そしてGQの監督本人による "Martin Scorsese Breaks Down His Most Iconic Films" という動画が面白かったので興味がある方はYoutubeでそちらをぜひ。
じゃあここでタクシードライバーの何を書くんだ!ってなるよね。そうなんだ、難しい。悩んだんだけど、1.タクシードライバーはおもしろいのか、2.タクシードライバーの中でのメディア(レポートを書いたのがメディアの授業だったので)について書くことにすると今決めた。イントロでお腹いっぱいかもだけど、さっそく。


タクシードライバーって何がおもしろいの?
この意見、ネットでよく見かける気がする。確かに、じわじわと進むストーリー、わかりにくい結末、タクシードライバーの面白さってぱっと見で分かりにくい。初めて見た時の私も、なんかよくわかんないけどかっこいいとしか思わなかったもん^_^それが今回見てみると全然違う!なんだこれーーーって感じだよもう。ズバリ、タクシードライバーの一番の面白さって、トラヴィスが「普通の人」であって、誰にでも起こりうる話ってところだと思う。個人的な話、最近穏やかに毎日に絶望してる私にはめちゃめちゃリアルな内容でした。思うようにいかない、夜に眠れない、人間関係をうまく構築できない、自分の存在ってなんだとか考えてるとね、だんだん怖くなるんだよね。いつかファイトクラブとかタクシードライバーみたいになっちゃうんじゃないかって(笑)。トラヴィスは私とか、もしかしたらあなたみたいにフツーーの人。だけど、失恋とか偶然とかそんなことの連続でどんどん狂っていく。都市に生きる人の、もっと広く言えば現代に生きる人のそんな孤独を描いた映画で、だからワクワク!おもしろ!な展開を期待すると楽しめない。タクシーのように身近ですぐそばにいるような人、もしかすると自分自身も、トラヴィスのようになるかもしれない。精神的に狂ってる人の犯した事件の話じゃなくて、そこらへんにいる普通の人が孤独に苛まれて事件を起こすに至る、そこがタクシードライバーの一番の面白ポイントでは無いでしょうか。そう思ってみると下手なホラー映画より怖いよ、これ。なんとなくわかると思うけど、この映画精神が落ち込んでる時には見ない方がいいよ、持ってかれるからね。


メディアの役割inタクシードライバー
「最後にタクシードライバーの劇中のメディアの役割について考えたい。タクシードライバーの中で興味深いシーンが、トラヴィスの起こした殺人事件の取り上げられ方である。トラヴィスは歪んだ正義感、振られたベツィからの注目のため、そして社会に溶け込みたいという欲望から事件を起こすに至った。しかし、その動機が個人的なものであるにも関わらず、メディアは彼を売春婦の子どもを救ったヒーローとして取り上げた。このことはメディアが事実の報道だけではなくその解釈までもを社会に与えていることを意味している」と、私のレポートから引用。これも個人的にタクシードライバーの面白ポイントだと思う。もしトラヴィスが大統領候補の暗殺に成功していたら、トラヴィスは英雄にならなかったのかも。メディアはトラヴィスの行為を"偶然”ヒーローとして、正義と解釈して、社会にその解釈を作り出した。ここでメディアの存在って大きいね。トラヴィスの犯罪行為の善悪が、個人でも法律でも政府でもなく、メディアと社会のコンテクストによって決められた。これすごいおもしろいなって。薄っぺらい感想だけど。つまり、映画の中で起きている事件(社会のコンテクストで解釈された事件)と私たちが見ている事件って全く別物なんじゃないかなと。

そして、大きく見てみるとタクシードライバーって映画の捉え方や見ているものも、作り出されたものかもって考えてみた。もちろんスコセッシ監督によるフィクションなんだけど、というのも、この映画は主人公であるトラヴィスの日記、目線で語られていく。つまり私たちはトラヴィスの目線で70年代のニューヨークを見ていて、それは同時にスコセッシ監督の作ったもので、、、って考えていくと何が本当で、何が嘘なのか。どこを見せたくて、どこを隠したいのか。映画は現実を写した動画ではなくて、作られた”現実”をスクリーンに投影してる。映画もメディアで、社会に解釈を与えているって私は考えたのでした。当たり前のことを書いてしまった気がするけど、そこが映画のいいところ!!!おもしろいところ!!!映画ってやめられない。


なんか頑張って書いたんだけど本文よりイントロの方が長かった気がするな。最初の方に書いた気がするけど、誰に当てたわけでもない長い独り言みたいになっちゃったやっぱり。親しい人にもなかなか自分の考えを言えない私が、インターネットとかいう広大な海に何かを載せるのは結構なチャレンジで。嬉しいような恥ずかしいような、、今日は記念日です。
最後に、エグい孤独感を感じてるとトラヴィスが身近に思えるんだけど、みんななんとか耐えようね。逆に行動に起こしたトラヴィスかっけーなーーとも思うけど自転車の空気も入れられない私はクリニックに行く元気も、行動を起こす勇気もありません。気持ちだけはデニーロです^_^映画でも見て寝ようと思います。ボトルメール、誰かが拾ってくれますように。



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