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【速報】ニューヨーク・ブルックリンの酒蔵「Brooklyn Kura」が若手の夜明け初参加

『若手の夜明け』を引き継いだ時、「いつか世界でSAKEを造る蔵を呼びたい」と思っていました。それは、清酒の生産人口が増えることが、日本酒市場のグローバルでの拡大に重要なことだと考えているからです。国内のイベントにそうした造り手が参加することで、世界で清酒を造る醸造家と国内の醸造家たちの技術・経営面での交流が促進され、新たな造り手が国内外に生まれるきっかけとなれば良いなと考えています。

実は昨年の『若手の夜明け2022 AUTUMN』でも声掛けはしたものの、諸々のハードルを超えることができず断念した経緯がありました。しかし今回は、出店する八海醸造 (新潟県南魚沼市)のご協力もあり、Brooklyn Kura (ニューヨーク州・ブルックリン) の参加が実現しました。

Blooklyn Kuraのブルードア

八海醸造はBrooklyn Kuraと2021年12月に業務資本提携を結びました。「日本酒を世界飲料にする」ことを掲げる八海醸造の世界戦略の一つとして、現地醸造を検討している際に、既に現地でSAKEを醸造するBrooklyn Kuraと目指す方向性に意気投合し、パートナーシップに至りました。先日2023年8月8日に東京で八海醸造100周年の記念発表をした際にも、Brooklyn Kuraの生産規模を10倍に増やし、技術向上のため八海醸造の製造技術者を派遣し、販路を広げるための事業戦略について発表がありました。

現地醸造による日本酒の飲食市場での浸透性 (market penetration)を高める施策については、他にも『獺祭』を醸す旭酒造 (山口県岩国市)が同じニューヨーク州のハイド・パーク(マンハッタンから北に2時間ほど行ったところ)に”Dassai Blue"の醸造所を開設し、The Culinary Institute of America (CIA: 料理の専門大学および研究所)と連携することで料理人の修行の早い段階で日本酒の選択肢を持ってもらえるような取り組みを進めています。

製造の様子

以前も書きましたが、日本酒の市場規模はワインの0.8%程度、生産者の数は0.6%程度です。これを私は、生産者の数が少ないことで市場の浸透度が低く、結果として市場も成長していないと考えています。私は、「新たな飲み手を増やす作り手が増えることで、それを伝える人が増えていく」と信じています。したがって日本酒市場の興隆、日本酒を世界飲料にするには、美味しい清酒の造り手が国内外で増え続けることが必要条件です。

国内での清酒製造についてのハードルについては以前も論じているので割愛しますが、既存の休眠免許の有効活用を推進する方が国の伝統産業としての継承に意味があると考えています。そうした枠組みに当てはまらない国外の清酒製造に関しては、技術交流を推進しながら様々な地域で清酒造りが盛んになると良いなと考えています。

Brooklyn Kuraのメンバー

八海醸造の皆様には今回のBrooklyn Kuraの参加に関しまして多大なご協力を賜り、誠にありがとうございます。この場を借りてお礼を申し上げると共に、ご来場のより多くの皆様がニューヨーク州で醸造されたBrooklyn Kuraの清酒を試飲していただけるよう準備をして参ります。

引き続き『若手の夜明け2023 AUTUMN』へのご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

* Brooklyn Kuraのお酒は販売免許などの都合上、今回は杯売り・ボトル売りなどはできません。そのため少量の「試飲」という形で整理券を配布し、ご提供とできれば幸いです。


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