石油精製銘柄に注目!!今最も熱い分野です!!$PSX $MPC $DINO $VLO $SU $XOM $CVX

年初来S&P500もナスダックも軟調な局面が続いていますが、そんな中でも株価が堅調に推移しているのがエネルギー関連と海運関連です。
今回は石油銘柄のなかでも「石油精製企業」について書いていこうと思います。
石油精製企業とは、原油からガソリン、ディーゼル、ナフサ、ジェット燃料等の製品をつくっている企業になります。
石油企業は多角経営されていて、石油精製のみを行っている企業はすくないですが、タイトルにあげた銘柄は製油所を保有している企業になります。

それでは先ず、石油精製の比重がたかい$DINOのQ1決算です
EPS 結果 $0.99 予想 $0.08
売上 結果 $7.459b 予想 $3.787b

というモンスター決算をだしています。
その他の企業も非常に良い決算となっています。
なぜ今石油精製企業の業績が良いのでしょうか?

① 在庫がない

世界の留出油在庫


米国のガソリン・留出油在庫

現在、世界中で在庫がない状態が続いている。
理由(1)コロナ以降石油需要が減少し在庫を取り崩していた。
理由(2)これからコロナから経済再開していこうという場面で、ウクライナで戦争が起こってしまった。
理由(3)そもそもの問題として、近年多くの製油所が閉鎖され石油精製能力が低下している。

② 製油所の閉鎖
プロダクトタンカーにつてのnoteを読んでいただけた方はご存知だと思いますが、近年ヨーロッパや米国等の所謂先進国では製油所の閉鎖が続いています。理由としては、環境問題、老朽化、石油精製マージンの低下、等が挙げられます。一方で産油国やインド・中国では製油所が新設され、原油輸入から石油精製品輸入へのシフトが起こっています。これが現在プロダクトタンカー会社の株価が上がっている1つの要因となっているわけですが、現状だと製油所もプロダクトタンカーも足りていません。
2020年以降、製油所の閉鎖により240万b/d精製能力が失われました。2022年から2023年にかけてさらに60万b/dの精製能力が失われる予定です。一方で中東、中国、インドを中心に、400万b/d以上の新規精製能力の稼働が予定されていますが、失われた精製能力を補うには時間がかかります。そして製油所が新設されても、それを運ぶプロダクトタンカーの数が足りていない状況が続きます。
先日サウジアラビアのエネルギー相もガソリンやディーゼルが高騰しているのは、原油不足ではなく石油精製能力の低下が原因だと述べています。

③ 需要の回復

ディーゼル需要

ディーゼル需要は既にパンデミック前を上回っています。2022年後半にはジェット燃料の需要もパンデミック前を上回る予測です。

④ ウクライナ戦争

そんな状況で起きてしまったのがウクライナでの戦争です。
ウクライナで戦争が起こったことにより、ロシアからの原油・石油精製品の輸入は減少しています。
特にEUはロシアから多くのディーゼルを輸入していましたから、価格が高騰している原因となっています。
そして現在検討されている、2023年からロシア産の原油・石油精製品禁輸が正式にきまれば、さらに留出油の状況は厳しいものになると考えられます。

⑤ 石油精製マージンの上昇

石油精製マージン

戦争が起こってしまってから、米国、ヨーロッパ、シンガポールでの石油精製マージンが高騰しています。EIA石油在庫統計においても、ここ最近製油所稼働率は90%を超え、メンテナンス中の製油所以外はフル稼働していますが、生産が追いつかずガソリン価格やディーゼル価格が高騰しています。

まとめ
①~⑤の理由により、石油精製企業には強烈な追い風が吹いています。
この状況がいつまで続くかは分かりませんが、少なくとも在庫状況に改善の兆しが見えるまでは続くと考えて良いのではないでしょうか。
今回は以上になります、最後まで読んで頂きありがとうございました。

出典

https://www.scorpiotankers.com/wp-content/uploads/2022/04/STNG-Q1-22-Earnings-Presentation-vf-1.pdf


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?