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カナダ生活7ヶ月目。息子たちの英語と日本語の現在地

こんにちは、さやです。

家族でカナダに引っ越してもうすぐ丸7ヶ月。息子たちは現地の公立小学校に通って、通算100日が過ぎました。

彼らが今どれくらい英語をできるようになったのか?
日本語が衰えていないのか?

そんなリアルな体験談を、母親という立場から見た独断と偏見たっぷりの考察とともに、書き綴っていきたいと思います。


子どもたちの英語レベル

カナダの公立小学校に通う息子たち。

長男は8歳で、Gread3。日本では小学2年生。
次男は6歳で、Gread1。日本では小学1年生。

日本にいる間、放課後にインターナショナルアフタースクールに通っていた二人ですが、英語力はまったく十分ではありません。

まずはそんな二人の英語の現在地を、少しご紹介します。

長男:カナダではGread3

インターナショナルアフタースクールに1年4か月通っていた長男は、何を言われているかだいたい理解できているよう。

一人で英語のYouTubeを観て笑ったり、「明日学校で○○があるから、■を持ってきてって言われた」と報告してきたりもしているので、リスニングはある程度できているようです。

思えばトロントの空港で入国審査を受けたとき、ビザの説明を傍で聞いた長男は「半年したらもう一回作るんだって。それまで英語がんばれって言ってたよ」みたいなことを言い出してビックリしたことがありました。

入国審査官の英語、早口だったのに概要はちゃんとわかったのね、と。

一方で、もともとシャイというかモジモジな一面がある長男。学校では、自分から英語をほとんど話さないようです。

通い始めたころは授業にもあまり参加していなかったようで、担任の先生からは「英語は理解できているみたいなのに、参加しない」とよく連絡をもらいました。

プリントに書いている内容は理解しているのに、何も書かない。

長男はスキル面だけで言えば、英語の文章をけっこう書けます。でも、書かない。

「隣でサポートしているけど何も書きません。家庭でもよく話してください」みたいな連絡を担任からもらっては、どうしたもんかと頭を抱えました。

彼曰く、「わからない」と。でも、「このプリントにどういうこと書いてる?」と聞くと、ちゃんと内容を日本語にして話せる。

アウトプットが苦手なのかしら。と思っていたけど、それだけでもなさそう。

そうこうしているうちに、いつの間にか自分で勝手にどんどんプリントを書くようになり、今ではテストでも7,8割くらいの点数は取ってきます。

「書けばいいんでしょ」「適当だよ」と。

あんまり「書け」って言われるから、やけになったのかしら。

でも、やっぱりあまり英語を話してはいない様子。

それなのに、家ではものすごく英語を話します。文法や単語がめちゃくちゃなときはもちろんありますが、家族に向かって英語を話す。

もしかしたら心理的に、ネイティブだらけの学校で英語を話すのはハードルが高いと感じているのかもしれません。

ただ、ESLの先生(英語が第二言語である子をサポートしてくれる先生)とは、それなりに英語で話しているらしい。

長男曰く、「先生は変な英語でもわかってくれるから」とのこと。

そういえばカナダに来てすぐ、彼はしきりに「発音がむずいんだよ」と言っていました。

もしかすると、他の生徒や先生は、なかなか日本語アクセントのある彼の英語を聞き取ってくれないのかもしれません。だから、だんだんと自信を無くしたのかも。

気持ちは、すごくわかります。

いつか、話すようになるのかしら。プリントをどんどん書くようになったみたいに。

そう思いつつ、あまりプレッシャーをかけないように過ごしています。

長男の場合、日本に帰っても自分で勝手に英語の動画を観たり、本を読んだりして、英語に触れていそうな感じはします。

最近は夢を英語で見ることもあるそう。英語がだいぶ、身近になってはいるようです。

なんだかんだで「英語がわかる」という感覚が自分にあるので、こらからも嫌がらずに付き合っていけるのかもしれません。

次男:カナダではGread1

一方で、次男。

日本にいる間、インターナショナルアフタースクールに通えたのはわずか4か月。基礎中の基礎しか知らない状態で、カナダにやってきました。

出国前から言えた英語と言えば、「May I go to the bathroom?」くらいのレベル。身の回りの単語はちょっと分かっていて、文章が何パターンかインプットされているくらい。

長男と違い、英語で話しかけられても何を言っているか理解できないことがほとんどのようです。

しかし、母親の私が言うのもなんですが、ものすごく地頭がいい次男。英語力というより、論理的思考力とか、察する力をフルに使って、問題なく学校で過ごしているようです。

クラスメイトのママたちから、「彼のこと、娘から聞いたわ!英語がわからないのに何でもできる、算数もできるし、すごい子だって!」みたいに言われたこともあります。

担任の先生も、「今日も次男くんがクラスで1番早く課題を終わらせました」みたいな連絡をもらい、いつも感心されます。

知らない環境で馴染んでいくのに、言語以上に大事なモノってあるのかも、と次男を見ていると思います。

一方で彼も、長男と同じくかなりシャイ。自分から英語で話すことはほぼないみたいです。

ただ、クラスに彼のことをとても気に入っている女の子がいるらしく。毎日その子が話しかけてくれるそう。

積極的な彼女は、ついに最近「ねぇ!もっとしゃべってよ!」と次男に何度も要求してくるそうで、観念した次男はだいぶ話すようになったそうです。

ありがたや。

周りの環境や文脈、ジェスチャーなどから言葉の意味を推測している彼ですが、少しずつ知っている単語、文章も増えてきました。

英語が分からないことに困っていないようなので、成長のスピードはいかほどだろうと心配ですが、少しずつ覚えていくのだろうと思っています。

ただ次男の場合、やっぱり年単位で暮らさないと生きた英語は定着しなさそう、という気もしています。

長男に比べると、日本に帰ったらあっという間に英語を忘れるだろうな、というかんじがなんとなくしています。

彼の中で、英語はまだ特別好きでもないし、得意でもない。関心も、そんなにない。もちろん、嫌いでもない。

そんな感じなので、英語への関心がある長男より、向き合い方があっさりしているように見えます。

子どもたちの日本語レベル

さて、では日本を離れた子どもたちの日本語レベルはいかほどでしょうか。

これも、兄弟でけっこう差がでているように感じます。

長男:日本では2年生

長男の日本語は、ちょっと独特です。

日本語が、というよりも、いろいろと感性が独特な長男。不思議な言い回しで、物事を表現してきます。

もちろん日本語が母語なのでしっかり日本語で話せるのですが、なんというか。いわゆる「不思議ちゃん」と話している感じ。

日本にいたころはものすごい読書好きで、本をたくさん読んでいたので、たぶん一般の2年生より漢字をかなり読めます。

最近はもっぱらkindleや動画で日本語に触れているわけですが、読む力はやっぱりすごく高い。

一方で、自分で日本語を書く機会が全然ないので、文字は下手です。漢字も、書き取りは日本にいる2年生の水準よりかなり下だと思います。

日本の学習教材を使っていますが、基本的にオンラインで受講しているので、やっぱり「書く」力は遅れている。

ただし、彼は恐ろしいくらいタイピングが早く、PCのショートカットキーなど私より上手に使いこなすPCオタクです。

日本語のタイピングは、大人並みに、というかそんじょそこらの大人より速い。

つまり、書けないけど打てる。漢字はたくさん読めるので、正しく漢字変換もできる。つまり、日本語のアウトプットはできる。

でも、書くのはめんどくさい。

そんな彼に、どこまで書写を教えるか…悩ましいところです。

だって正直、今の日本で学校教育の現場以外で日本語を「書く」ことがどれくらい重要でしょう?

仕事でもプライベートでも、手書きで何かを作成することなんてほとんどありません。

人並み外れたタイピング力があるのなら、もはや「書く」力はそこまで必要ないのでは?

しかし、日本に帰って日本の学校に通う、受験するなどの未来を想定するなら、やっぱり書けなきゃダメかな。

そんなことをぐるぐる悩みつつ、スローペースで書き取りを自宅学習させています。

次男:日本では1年生

一方で、次男。彼はもう、驚くほど日本語が達者です。

そもそも一歳半健診の時からあまりにもベラベラ話すので、担当した保健師さんから「私ももう保健師歴長いけど、こんなに流暢にしゃべる一歳半は初めて見た」と言われるレベル。

語彙力が豊富なだけでなく、話の組み立てがロジカルなので、子どもと話している感じがしません。

「○○を作るのに必要な素材って何か知ってる?それは、全部で3つ。1つ目は…、2つ目は…、そして最後が重要なんだけど…。」

こんな感じでいつもロジカルに話してきます。

それから、日本語独特の「はっきり言わないけど匂わせる」感じの文章の裏にある本音、みたいなのを読み取るのもすごく上手。「今の表現からそれを汲み取ったのか!君は大人か!」とたびたび思わされます。

しかし、なんせまぁおしゃべりが好きで、話しだすと長い。加えてマイペースなので、永遠に話しかけてくる。

とにかく、日本語を「話す」力に関してはまったく問題なさそうです。

一方で、やっぱり「書く」力は遅れています。平仮名・カタカナ、簡単な漢字はわかる。でも、たまにカタカナの文字がひっくり返っちゃう。それくらいのレベルです。

次男も読書が好きなので読むのは問題ないのですが…。

やっぱり、海外に住むと日本語を書く機会が本当になくて。意識的に書く時間を設けなければ、この力はまったく身につきませんね。

でも、前述の通り、果たして日本語を「書く」力がこれからどれくらい意味を持つのか…。

そんなこんなで、書き取りの勉強はあまり進められていません。

思考を深められる言語を持つこと

英語にしても、日本語にしても、まだまだ発達段階の彼ら。

よく思うのは、どちらも中途半端が一番不幸だろうな、ということ。

幼少期を日本で過ごした彼らにとって、母語は間違いなく日本語です。

そして、情報のインプットやアウトプットの手段として、たくさんの言語を習得することは有益だと思います。

一方で、思考を深めたり、構造化したり、そういう「スループット」自体は、母語でしっかりできる必要があるだろうと思うのです。

スループットがちゃんとできないと、直接的に表現されない言葉の裏やニュアンスを汲み取ったり、別々の物事から共通点を見つけたり、組み合わせたりするのが難しい。自分の考えを何層にも重ねて深めることも難しい。そして、相手やシチュエーションに合わせて適切に表現することにも、影響が出るでしょう。

だから、私は彼らが日本語でしっかり試行錯誤できるスキルだけは、子どものうちからしっかり身につけてあげたいなぁ、と思っています。

そのためには、会話を適当に受け流さず、「それってどういうこと?」「なんでそう思ったの?」「今の話、ちょっとよくわからなかったからもう一度説明して?」と、彼らの言葉を彼らに返し、自分でもう一度深める作業を促しています。

それが良いアプローチなのかはわからないけど。ただ、短い言葉のキャッチボールだけで人生を手軽に終えないような。そんな言葉や、思考力を持ってほしいなぁと思います。

その意味で、日本語は深くて面白い。せっかく日本に生まれたのだから、日本語をしっかり母語として身につけつつ。ツールとしての外国語になじんでくれたら最高です。

もちろん、英語の方が合うなら、それもまた良し。

ちょっとまだどうなるかわからないけど。彼らと彼らの言葉に、注目し続けたいなぁと思います。

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