上等な布の効能

今まで着た中でいちばん上等な布は、母のお下がりだった正絹の振袖。
一人娘なもので、結納なんて柄にない儀式をしたときに着せてもらった。ツヤツヤでほどよく重みがあり、しっとりした染めの着物。
あれはまたいつか着たい。樹木希林さんみたいに、ぜーんぶわかった上で着てますが何か?って感じで着たい。

上等な布は、衣服以上の力を持つ気がする。
今日、Y'sにはじめて行って、定番生地のスカートを試着させてもらった。

何にも履いてないみたいに軽くて、なのにドレープがとても美しくて、フリルは軽やかでまったく甘くない。
そして当方、臨月の妊婦である。その身体を、いとも簡単に包み込んでしまった。
店員さんのお話もとても丁寧かつ説得力があった。背が低くてワイズを着られる気がしなかったと言う私に、フリーサイズもあるがXSからサイズ展開をしていること、この品はお客様にぴったりですよと、今後の私の状況も加味しておすすめしてくださった。
このブランドが好きで誇りを持ってるのが伝わってきて、そんな話が出来たことが、ちょっと衝撃的だった。

先日聞いた、衣食住の話。日本語では、なぜ衣を最上段に置いているのか。諸説あるだろうけど、人の営みとして衣を最も重視しているという説を教えてもらったばかりだったから、なおさら。

私も、魂込めて服を選びたい。
ものづくりとして、素材選び、仕立て、提供まで気持ちのこもった妥協のない服を着たい。
これは覚悟を決めることだと思う。
この服で、生活が変わる。

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