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不動産仲介業務のChatGPT活用法3選【基本編・プロンプト例付】

こんにちは!

不動産情報アプリ「CANARY(カナリー)」、顧客管理システム「CANARY Cloud(カナリークラウド)」運営 株式会社カナリーの森田です。

私は不動産仲介業務の経験を経て、現在は当社が運営する顧客管理システム・カナリークラウドの活用支援や顧客対応/DXコンサルティングをおこなっています。

不動産仲介会社の皆様とお話するなかでも、「ChatGPT」というキーワードにご関心をお持ちの方が多い印象です。とはいえ、まだまだ使用するまでには至っておらず、「結局これは何なの?」とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
株式会社スペースリーによる調査では、不動産事業者の6割超がChatGPTを知っているが、実際に利用をしているのは約15%に留まるという調査結果も出ています。

今回の記事では、「不動産仲介業務におけるChatGPT活用のキホン」をテーマに、基本的な始め方・使用方法から、今日から使えるような実用的な活用法までをご紹介いたします。ぜひ最後までご覧ください。



※この記事は、2023年4月に当社が実施したWEBセミナーのレポートです。内容は当時のものであり、最新情報と異なる点がある場合があります。
また、わかりやすくまとめるために詳細説明や仕様を省略し、簡略的にまとめている箇所がございます。予めご了承ください

そもそもChatGPTとは

まずは、初めての方向けに「ChatGPT」とは何か、ご説明します。

【ChatGPTとは】
・ ChatGPTは、OpenAIという会社が作ったコンピューターの「おしゃべりやさん」
・ 翻訳や文章を作ってくれたり、質問に答えてくれたりする
・ OpenAIはコンピューターの研究をしていて、ChatGPTはその中の一つ。AIの進歩が社会に良い影響を与えるように、研究している会社。
・ インターネット上の膨大な情報を学習して、質問に答えられるようになった

実は上記の説明文も、私がChatGPTに質問・指示をすることで作成してもらいました。

「ChatGPTを全く知らない人向けに100文字で紹介してください」という指示からスタートし、答えてもらった文章に対してフィードバック・要望を返信することで、求めている回答に近づけていきます。まるで人と会話しているような感覚です。

これらの質問文や指示文のことを「プロンプト」と呼びます。様々なWEB記事や説明書にはプロンプトというキーワードが多く出てきますので、押さえておきましょう!

AIのなかでもいわゆる「生成AI」と呼ばれるジャンルですが、上記のようにチャット形式でプロンプトを送信するだけで文章を生成してくれるため、初心者でも非常に扱いやすいことが分かります。

始め方も非常に簡単です。

ChatGPTを使い始めてみる

ChatGPTはこちらから開くことができます。ログイン画面が出てきますので、初めてアカウント作成をする場合は「Sign up」をクリックし、E-mailアドレスを入力して「Continue」をクリックするか、もしくはGoogleやMicrosoftのアカウントを持っていれば、直接ログインすることも可能です。

その後は入力したメールアドレス宛に確認メールが届きますので、本人確認のうえログイン完了です!

ログインした初期は英語表記で、英語でしか使うことができないのかと思われがちですが、下部のチャット(添付の赤い四角部分)に日本語でプロンプトを入力し、Enterを押して質問することで、AIが自動で言語を検出し、日本語で返答してくれます。

ちなみに2023年10月現在、最近は設定でデフォルトを日本語表記できるようになり、
より扱いやすくなりました

生成AIのすごいところは、回答があったらそれに対してフィードバックをすると、更に適切な回答をしてくれる、会話が続くところです。まるで人間とチャットしている感覚です。

まずは無料で利用可能

月20ドルの支払い(クレジットカードを登録)することで、ChatGPT Plusというプランへ加入し、より速いスピードで回答を取得できたり、より性能の高いGPT-4(様々な拡張機能を利用可能)の活用もできたりしますが、まずは無料で初めてみることが可能です。

有料版でできること、応用編は後日開催するセミナーでもご紹介させていただきます!

不動産会社が利用する際の注意点

それでは、実際に使える活用法をご紹介する前に、ChatGPTを利用するにあたっての注意点をご紹介します。3つにまとめてみました。

1. 流出したら困る情報(個人情報など)は送らない

ChatGPTに送った内容は、AIが学習してしまう可能性があります。個人情報など、インターネットに流出したら困るものは送らないように注意しましょう。仲介業務だと個人情報も多いことと思います。

2. 情報を鵜呑みにしない

インターネットには、中には間違った情報があるのと同様に、ChatGPTもインターネットの情報を基に回答していますので、間違った回答が「まるで当たり前かのように自然に」返ってくることがあります。
回答の内容を100%信じ込むのではなく、自身がわかる領域で質問をしたり、知らない領域だったとしても回答を基に調査をしてみるなどの心がけが重要です。

3. 最新情報を求めない

ChatGPTでは、2021年9月までの情報を基にデータが蓄積されていて、それを基に回答が生成されます。残念ながら物件確認や、新築物件の情報などには対応していません。。
他にも、エリアに関するトレンドの情報などには弱い傾向にあります。

※有料版のChatGPTや、その他生成AIでは、リアルタイムなインターネット上の情報を参照できるものもあります!後日のセミナーをチェック!

このように、AIはまだ完璧ではありませんので、人力との使い分けが重要になることを念頭に使っていきましょう。

仲介業務での実践的な活用法3選

それでは、実際に仲介業務においてどんなところに活用していけるかご紹介です。3選にして紹介します。

1. 物件紹介文の作成

普段、皆様はREINS(レインズ)などの物件データベースで物出しやポータル掲載をなさっていることと思います。これらのデータベースにある物件情報を基に、エンドユーザーにとって刺さる物件紹介文や、キャッチコピーの生成が可能です。

例えばREINSであれば、任意の物件を検索し、物件の詳細画面を開きます。賃貸であれば「価格」~「備考」までの内容を一気に選択し、ショートカット ctrl+Cでコピーします。

物件情報の内容が充実している物件のほうが、ChatGPTでの回答も精度が高まります

コピーしたら、ついにChatGPTへプロンプトを打ち込みます。

チャットのエディタ画面は、Shift+Enterで改行、Enterで送信されます。
プロンプトにおいては、なるべく具体的に、どういうことをしてほしいのか記載することが重要です。
①誰の立場になって書くのか、②どのようなアウトプットをしてほしいのか/その形式、③文章のスタイル(文調)やイメージを明確にしてあげることを意識しましょう。

今回は、下記のようなプロンプトにしてみました。

あなたは賃貸仲介営業マンです。この物件のオススメポイントを箇条書きで3つ教えてください。
・全体の文量は100文字以内
・実際の住まいや周辺環境などについて優先して触れてほしい
・ひらがなも3割ぐらい使って、やわらかめにしたい。「!」を使ってもいい。
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(以下、物件情報を貼り付け。ctrl+V)

すると、こんな感じですぐにオススメポイントを挙げてくれます。

物件情報を見たうえでこれらの文章を考え、準備するのにはなかなか時間が掛かりますが、ChatGPTがそれを大きく効率化してくれます。
今回の紹介文であれば、追客時の物出しメールにもそのまま活用できるのではないでしょうか。

2. 営業メールの作成サポート

普段、追客時のメールの定型文がマンネリ化してしまっていたり、なかなか見直す機会がないことも多いのではないでしょうか。
そういった際に、ChatGPTにアイディア出しをしてもらうというのも一つの手です。

近年の部屋探し傾向として、対応のスピードだけでなく、メールを含めた対応の質(見やすさや文面の丁寧さなど)も、不動産会社選定のポイントとされています。

一つ一つのメールのブラッシュアップをしていく必要があることがわかります。ここをChatGPTに任せてみましょう。

たとえば、追客メールの件名アイディア。
「●●様 お部屋探しの進捗はいかがでしょうか」のような件名を繰り返し利用している場合、他社からも同じような件名で追客メールが届いている可能性もあります。
自身では思いつかないようなアイディアを無限に生成してもらい、他社と差別化した件名のメールに改良していきましょう!

数秒で10個のアイディアを出せるのは、生成AIならではの強みです

3. 新人教育サポート

春や秋は特に、新人の方のご入社も多いのではないでしょうか。
研修を進めるにあたり、マニュアルの用意が充分になく、実務においては「まずはやってみよう」といった進め方をしていく会社も多いのではないでしょうか。まずはトライしながら少しずつ着実に成長できる一方で、一定期間は業務のミス・抜け漏れが多発してしまい、トラブルに繋がるリスクもあります。
こういった場合、新人向けのチェックリストをChatGPTに作ってもらうという活用法があります。このようなプロンプトを送ってみましょう。

「あなたは賃貸仲介営業マンです。今回、初めてXXXXXです。…
よくあるミス・間違いがあれば、10個ピックアップしてください。」

例えば、「初めてお客様の内見のご案内」に行く際のチェックリストを作ってもらいました。

「これ確かに起きうるミスだ…!」と私はビックリしてしまったのですが、皆様はいかがでしょうか。

他にも、入居申し込みをもらってから契約・入居に向けて起きうるミス。

チェックリスト・マニュアルが充分に整備されていなかったり、先輩社員が忙しくあまり質問タイムが設けられなかったりする場合でも、ChatGPTにアシストしてもらうことで、充分な事前準備が出来るようになります。

また、先輩社員も同様のプロンプトを事前に確認しておくことで、後輩を教育していくにあたり、自身の教育に抜け漏れがないかといったチェックも可能となります。

更なるChatGPTの活用方法を知りたい方へ。資料配布中!

いかがだったでしょうか!
ChatGPTの実践的な利用イメージが湧いていただけたら嬉しいです。

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今回は仲介会社様をメインとした内容でしたが、更に幅広い活用方法を知りたい方向けに資料もご用意しました。
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それでは、本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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