ゆき

あなたは優しかった
ほろほろと
とろとろと
ゆるやかにほどけてゆく

どこへもゆけなかったころ
あれは楽園だったかもしれないね

くらりと笑って
するりと立って
さくりと背後に
まなざし

許せない嘘も
癒せない傷も
仕方ないねと仕舞う芝居して

ひんやりしたキスと
ふんわりしたマフラーと
そして眠りにつく

色を添えて約束はなく
なにも持たないのだから
だれも待たないのだから

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