溺れている太陽

やさしい掌が額を包み込む ちくりと刺す痛み 傷は血を流す 涙を流しはじめる瞳 震える瞼は夢を見ている その瞼を裂いて射し込む光 目映く眩暈するほどに強く 脳裏を灼いて激しく 鼓動を打ち鳴らし 崩れる身体 震える唇は夢を紡いでいる 唇を裂いて零れる言葉は鋭く 心臓を貫いて 呼吸を止めるほどの衝撃にシェイクされた脳 点滅する思考 眼差し 太陽が瞼に張り付いて消えない 掌は蝶となって瞼の上に止まった 震える指先は夢を描いている その指先から滴り落ちる血には命が宿っている 幻影は生きている 震える鼓動は夢を奏でている リズムは永遠を響いている 過去から未来へと流れている 血脈に息づいている 音楽は懐かしく新しく 繰り返し 再現されるシーン 瞼の裏の太陽の眼差しは真っ直ぐで 目を逸らせない ことりと落ちた言葉はきらりと光る ガラス玉透き通った 心を映して虹色に輝いている くすりと笑った唇 三日月その切っ先が瞳に突き刺さる痛み 溢れる涙は流れ星 夜空は現実? だとしたら夢は昼に見るもの? 消えない太陽 癒えない傷が血を流している 見つめる瞳 涙が流れている 映る夢 揺れている 地平は傾いて 海をこぼす 溺れる身体は浮き上がる 喉元を絞め上げる掌を外そうとする指先 震えている 寒いのか 太陽は届かないのか ひと息で死に至るだろう一瞬 駆け巡る記憶 意識は飛んでいく 捉えられた確かに 眼差し

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