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気ままに連句 名残表1 花粉症


気ままに連句
独吟歌仙  (2022.6.16〜 )

1  文鳥の背にまろぶ梅雨の光かな
2  客人を待つ透明ゼリー
3  食堂車スパイは背中合わせにて
4  セリフ飛び交うアイソメ世界
5  森の淵月へと向かう船を待ち
6  ひとあしずつに露の溢れる
ウ1 椋鳥の往きつ戻りつ遊歩道
ウ2 胸ポケットに名札隠して
ウ3 レジに来る今日もクリームパンの彼
ウ4 真昼の星の唄うメロディー
ウ5 五線譜の奥行き遥か彼方のラ
ウ6 塗り潰す手に香る黒鉛
ウ7 教室の明かりとかぶる窓の月
ウ8 空の虫籠ベランダに出し
ウ9 鯖雲に防災無線こだまする
ウ10 乙女の祈り大音量で
ウ11 我が道を行けと聲する花の下
ウ12 スマホ忘れて風はうららか

ナオ1 花粉症寺を指差しくしゃみする

いよいよ名残の表、歌仙36句の半分まで来ました。この調子だと巻き上がるまで3年くらいかかるかもしれません。

連句の題材は天地万物・森羅万象・自然・人事の万般にわたり、珍しくて新しいものを出せばそれだけ一巻も活き活きとする。その中で、絶対に出さねばならないのは、月と花と恋の句だが、その外にも神祇(神・神社などに関する事象)・釈教(寺・僧などに関するもの)や述懐などはやはり、どこかに出なければ淋しく、また、酒や海や動物、地名、人名なども人気のある題材である。

連句辞典/東 明雅  杉内徒司  大畑健治 編

連句は転じ転じて一歩も戻らず前へ前へと進んでいくものとは言え、一人でやっていると進まなくなることもあります。そんな時はとにかく「ネタ」から絞り出すしかありません。当然フィクションなのですが、嘘はつけないというかやはり自分の感性に沿ったものしか付けられません。


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