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トークンやNFTを買ったファンは、その後どうスポーツチームやアスリート、アーティストと向き合えばよいのか?

「web3.0」「ファンコミュニティ」「フェス」をテーマにしたトークセッションを企画

9/8(木)の夕方に虎ノ門ヒルズで「web3.0」「ファンコミュニティ」「フェス」をテーマにしたトークセッションを企画しています。

概要はこちらです。

web3.0、すなわち「投機的な仕組みを備えたプロジェクトに個人が参画してオーナーシップのあるコミュニティを作り、中長期的に皆が幸せとなれるサービスを共創するインターネット社会」が注目を集めている。

プロスポーツやアートの事業はトップレベルであるほど、スター性のあるアスリート、アーティストを中心としてサービスを生み出す運営とサービスを享受するファンが分かれていた。だが、コロナ禍で「バーチャルファースト」が推進される過程において、運営がNFTやトークンを発行してファンコミュニティを形成し、ファンと価値を共創する取り組みが始まっている。

さらに、コミュニティを活性化する契機としてリアルの「フェス」が再度注目を浴びつつあり、中でも沖縄で行われている「アスティーダフェス」、恵比寿ガーデンプレイスで行われた「MEET YOUR ART FESTIVAL2022」は代表的な取り組みである。

このセッションでは2つの新しい「フェス」を立ち上げた当事者が、web3.0の時代の中でスポーツやアートの価値向上をどのように目指しているかを紹介し、今後の展望を議論する。
セッション紹介ページより引用

お話しいただくのは、琉球アスティーダの早川社長エイベックスの加藤執行役員です。

早川さんはFiNANCiEを活用してトークンを購入、保持してくれるファンコミュニティを創ることで、ファンによる新しい応援の形を生み出しています。

琉球アスティーダは昨年から「アスティーダフェス」を開催されています。ビジネスマッチング、グルメフェス、物産展など様々な機能を備えたフェスで、来年も2月に開催予定です。

また、加藤さんは「MEET YOUR ART」というYouTubeでのアートの専門チャンネルを立ち上げられ、「アートと出会う」というコンセプトのもと、アートに触れ、アート作品を購入する体験のきっかけを創っています。

今年5月には恵比寿ガーデンプレイスにて「MEET YOUT ART FESTIVAL2022」というアートを軸に音楽/食/ファッション/ライフスタイルと隣接した多様なカルチャーを一堂に会し再接続するフェスを創られています。

新しいエンタテイメント体験の場をデジタル上で創り、ファンコミュニティを生んで、リアルのフェスでそのコミュニティを活性化させていくというこの取り組みは、web3.0時代のエンタテインメント業界にとても重要な示唆があるのではないかと考えています。

「なぜ、エンタテインメントの領域でトークンやNFTを活用するのか?」が問われ始めている

昨年から今年にかけて、トークンやNFTが注目を集めたことで、様々なコンテンツホルダーが時流に乗り、日本のスポーツやアート界でもブロックチェーン技術を使った商品が数多く作られています。

これらの商品は「将来的に資産にもなるもの」紹介されることが多く、投機的な側面がクローズアップされています。

一方、時間が経つにつれてユーザー側もトークンやNFTを保有することで簡単に稼げるわけではないと理解しつつあり、ファンは「なぜトークンやNFTを買うのか?」を冷静に考える時期に差し掛かっている一方で、アスリートやアーティスト、さらにはその権利をマネジメントしているコンテンツホルダーには「なぜトークンやNFTを活用したいのか?」が問われています。

web3.0は「オーナーシップを持ったコミュニティの構成員が、皆が使ってくれるプロトコル(規格)を共創することに価値がある」という話

web3.0の「投機的」だけではない価値のポイントとしては、トークンやNFTを購入して保持している(=オーナーシップを持っている)人々がコミュニティとなり、中長期的に皆が幸せとなれるサービスを共創すること、社会にとって良く、皆が使ってくれるプロトコル(規格)を作ることを指向している点が挙げられています。

これをエンタテインメントの領域で捉えると「ファンは楽しみを享受するだけの存在ではなく、楽しみをともに創る存在」「運営側はコンテンツホルダーという概念から、エンタテインメントを創作する土壌を創り、支える存在」に変化していくのではないか?と思われます。

琉球アスティーダは「ファンがオーナーシップを持ち、楽しみや価値をともに創る体験」を促進させていて、MEET YOUR ARTは「隣接したカルチャー同士を再接続すること、次の時代の新たな土壌『New Soil』」というテーマで開催されていました。

いずれも皆でプロトコル(規格)を創るというweb3.0の話そのものとは言わないまでも、web3.0の「共創」の概念、世界観がとても反映されているように感じます。

トークンやNFT、さらには資産性があるという点で実物のアートも似たような役割を持つと思いますが、これらを購入し、保持するファンはオーナーシップを持ったコミュニティの一員として自らを捉え、価値を享受するだけでなく共創することを楽しむ姿勢が求められるのだと思います。

そして、定期的に行われるリアルなフェスの場はファンコミュニティのメンバーが主体的に価値を共創する場として、とても有効に機能するのではないか?と感じています。

個人的にはこのような感覚を持っているのですが、当日お2人に実際にどのような想いでファンコミュニティをつくり、フェスを開催しているのか、今後はどのような展望を持っているのかをうかがいたいと考えています。

スポーツの価値をUnleash(=解放)するための持続可能なイベント、フェスづくりに向けて

最後に本トークセッションが開かれるイベント「SPORTS CONNÉCT」の紹介をします。

「SPORTS CONNÉCT」他にもスポーツをきっかけとしたソーシャル・イノベーションをテーマに、様々なトークセッション、ワークショップ、スタートアップピッチなどを企画しています。

このイベントの監修として、小倉大地雄さんと自分が中心となって活動している「HiVE」が参画しており、今回の企画全体をマネジメントしています。

オンラインでも配信されますし、現地参加も無料なので、遠方の方はラジオ感覚で、現地に来れる方はぜひネットワーキングにいらっしゃっていただけると幸いです。ご参加お待ちしております。

今回の企画実現に至った1つ目の背景は、HiVEの目指す先には、スポーツを起点とした東京発のフェスの開催があるからです。

スポーツアナリストの機能を因数分解することでスポーツという集落から飛び出し、新たな価値を創造するプラットフォーム。SXSWがアーティストを世に輩出するためスタートしたように、HiVEはスポーツアナリストを世に輩出するため始まったSAJを起源とする、多様でインタラクティブなフェス
HiVEのnoteより引用

SAJ(スポーツアナリティクスジャパン)については下記をご覧いただければと思います。

HiVEとしても今後リアルのインタラクティブなフェスの開催を目指しているため、今回登壇いただくお2人がなぜ、どのようにフェスを創ったかという点にとても興味がありました。

スポーツは競技そのものだけでなく、様々なカルチャーをまとった人が集う点にも大きな価値があり、ソーシャルイノベーションのハブになる力を秘めていると我々は考えています。今回のSPORTS CONNÉCTを通じて、スポーツの価値を最大限に解放するという取り組みをどうしたら継続的に行うことができるかを問う、という目的もあったため、web3.0時代におけるファンコミュニティづくりとフェスのセッションをセッティングしました。

このような方向性に共感された方は、ぜひご参加いただき、様々なご意見を頂けるとありがたいです。当日よろしくお願いいたします。

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