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264 真田家が守った歴史息づく町・信州上田

5月最後の土曜日、わたしは長野県上田市にきていました。

上田には25年以上前に一度、在来線の特急「あさま」で来た記憶があります。そのときも別所温泉に行って帰っただけなので、上田の町は見ていません。その後葬儀で来たことがありますが、そのときもとんぼ返り。上田の町をゆっくり歩くのは初めてです。

真田家三代の活躍の拠点となった町・上田

上田に来るとこのマークを至る所で目にします。ご存じの方も多いと思いますが、こちらは六文銭と呼ばれる真田家の家紋。正式には六連銭(むつれんせん)と呼ぶそうです。死後、三途の川を渡る際に渡船にかかる費用といわれ、かつては棺に一緒に入れていました。いつ死んでもいいという武士の覚悟がここに現れているといわれています。

上田駅前には真田幸村像。

真田家は上田城を本拠とした戦国武士で、少し日本史を勉強した人なら知らない人はいないのではないでしょうか。真田家は三代にわたり上田を拠点として活躍しましたが、最も有名なのは真田信繁(幸村)。大坂夏の陣で徳川本陣に突撃して家康に自害を覚悟させるまで迫ったその武勇伝が人々に感銘を与え、現代においても語り継がれています。

駅に背を向け北に歩いていきます。通りにはこのような人形が点在しています。こちらは霧隠才歳の像。名前を聞いたことがある人も多いのではないかと思います。先ほど記した通り真田幸村の活躍は世の人々の感銘を与え、江戸時代には講談で語られることが多くなりました。その中で幸村に仕えた家臣とされたのが真田十勇士。その中の一人で忍術使いとして登場したのがこの霧隠才歳と猿飛佐助です。ほかにも根津甚八なんていうキャラクターもいます。根津甚八って俳優じゃないの?と思いましたが、俳優の根津甚八さんの芸名は真田十勇士からとったものだそうです。勉強になります。

北国街道の宿場としても栄えた上田

北に15分ほど歩くと、北国街道の宿場町として栄えた柳町に着きます。北国街道は軽井沢の西で中山道と別れ、上田、善光寺を経て直江津に至った街道で善光寺参りに行く武士が多く利用していました。

1665年創業で女性の杜氏が醸造している蔵元。
文化財となっている呉服屋の建物をリノベして営業するカフェ森文。

往時を偲ばせる歴史ある建物が並んでおり歩くだけでも楽しい通りです。

ちょうどお昼時だったので昼食を取ることにします。信州に来たらやはり蕎麦でしょう。「手打百藝 おお西」さん。

もとは絹問屋だった建物をリノベしているそうで、歴史を感じさせる店内です。

この地域は更科蕎麦の本元(最初に名称をつけたのは江戸の蕎麦屋)ですが、発芽蕎麦という発芽させた蕎麦の実を挽いて手打ちしたというこのお店独自のお蕎麦をいただきました。更科蕎麦より色が濃いようです。

蕎麦はもちろんおいしかったんですが、おやつも買ってしまいました。りんごどら焼き。甘酸っぱいりんご餡がさっぱりして美味でした。

真田家の居城として建てられた町のシンボル・上田城址

柳町から上田駅方面に引き返して上田城址にやってきました。
上田城は武田信玄の家臣で砥石城攻略や川中島の戦いで活躍した真田幸隆の子息、昌幸が1585年ごろ築いた城です。対立した徳川家康に攻められた上田合戦においても家康を撃退した史実が残っています。

のちの関ケ原の戦いで西軍に与し敗北したため1601年に破却されています。その後1626年から再度築城されていますが、これは小諸の仙石氏によるもの。真田家の上田城は実に短い期間しかありませんでした。

それでも城跡の中は真田一色です。こちらは真田石。昌行が築城の際に切り出しは運んできたものといわれており、これだけのものを持ってこれるという力の象徴とされています。

大坂夏の陣で真田幸村が纏ったとされる鎧。六文銭の家紋に鹿の角があしらわれた鎧は父から譲り受けたものといわれています。

城内には真田神社。もともとは明治期まで上田を治めた松平家を祀る神社として松平(しょうへい)神社が建立されたのですが、代々の藩主を祀る神社として真田神社となりました。今となっては真田一色で松平感はどこをみてもありませんが…

桜みくじに招き猫みくじ、恋みくじ。いろんなおみくじがあるのも特徴。

おみくじの英訳。大凶ってTerribleなんだ。ってか、大凶入ってるんだ。。。

堀の跡はけやき並木になっていて歩いていて気持ちいい道になっていました。市民の憩いの場になっているようです。

今回は上田の中心部を歩きましたが、郊外に出れば別所温泉や鹿教湯温泉、また真田家の出自となった城などまだまだ見どころがあります。今回は時間がなく楽しめなかった温泉に次はゆっくり浸かりに来たいなと思いこの地を後にしました。

別所温泉に向かう上田交通。洪水による橋の落下から見事に復旧しました。

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