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310 城崎温泉の魅力を熱く語る。

温泉好きの方に質問です。
もし、今後死ぬまでに1箇所だけしか温泉に入ることができないとしたら、どこを選びますか?

人それぞれ泉質や温泉街の風情などこだわりがあって答えは様々だと思います。

わたしの答えは、今回取り上げる兵庫県豊中市の「城崎温泉」です。

山陰を旅する際には何かと理由をつけてここを訪れて温泉に入ることにしています。25歳で初めてここを訪ねて以降、訪ねた回数は優に10回を超えてます。わたしにとっては決して近場とは言えない城崎温泉ですが、ここのほかに10回も訪ねた温泉はありません。なぜ城崎温泉がわたしのハートを打ち抜くのか。その理由を考えていきたいと思います。

①アクセスがいい。

まずもって挙げられるのは京都、大阪からのアクセスの良さ。京都から特急「きのさき」、大阪から特急「こうのとり」が城崎温泉駅までをダイレクトに結びます。天橋立行の特急「はしだて」も福知山駅でこれら2特急に乗り換えれば城崎温泉駅まで行けますし、福知山駅での乗り換えは連絡もスムーズです。

駅前通り

城崎温泉駅から駅前通りを5分も歩けば温泉街にたどり着きます。城崎温泉は交通アクセス抜群の温泉地なのです。

②温泉街の風情がエモい。


城崎温泉は大谿(おおたに)川という川の両側に温泉街が開けています。両岸には柳が風に揺られ、夕方には宿泊客が下駄を鳴らしながら浴衣姿で温泉街をそぞろ歩きます。その風景がなんともエモいのです。

城崎温泉は大正14年の北但地震による火災で大きな被害を受けました。そこからの復興の際に新たな街づくりが行われたのですが、その際に架けられたのが大谿川にかかる弓型の橋。度々起こる水害対策のために橋を高く上げなければならなかったためにこの形になったといいます。昭和元年にできたこの橋も城崎温泉の美しい街並みを飾る景色の一つとなり、いまでは国の登録有形文化財となっています。

③ 食の楽しみに事欠かない。

城崎温泉は食の宝庫。温泉街には数多くの飲食店が軒を連ねていて何を食べようか選ぶのに困ってしまうほどです。

その中でも代表的なものといえばやはりカニ。11月から3月まで捕れる松葉ガニを求めて多くの観光客が城崎温泉に足を運びます。多くの旅館で自慢のカニ料理を提供してくれますし、駅前通りにはカニをはじめ新鮮な海産物を食べさせてくれる飲食店が軒を連ねています。

都心の有名カニ料理店ばりの立体看板も。いかにこの街がカニを売りにしているかがわかります。

城崎温泉には地ビールもあります。お土産店にはだいたい置いてあって、風にあたりながらその場で飲むこともできます。風呂上がりにはたまらない一杯です。城崎温泉に来ると必ず買っています。すっきりとした飲み口の空のビールが好みです。

カフェもあってこんな映えるスイーツなんかも豊富な城崎温泉。女子旅にも人気の旅先になっていますよ!

④外湯が豊富で日帰りで温泉を楽しめる。


大きな橋の前にあり城崎温泉のランドマーク的存在の「一の湯」

城崎温泉の最大の特徴は外湯の多さ。他の温泉街の場合、外湯は総湯など1から2軒程度のところが多いですし、日帰り温泉は旅館の浴場を時間限定で使用できるにとどまる温泉地もあったりします。

城崎温泉は温泉街の中に外湯が7つ。どれも立派な施設ばかりで内湯があるはずの旅館の宿泊者の人たちもほとんどの人が外湯にも入りに来ます。外湯めぐりは城崎温泉の名物のひとつになっているのです。

その外湯に入っても1湯800円。7つの温泉どれにも何回でも入れる1日温泉パスポートは1500円なので2湯入れば元が取れてしまいます。

江戸中期開湯で当時は「新湯(あらゆ)」という名前でした。

それぞれに個性のあるお風呂になっていて、上の写真の一の湯は「洞窟風呂」。

御所の湯は滝を見ながら温泉を楽しめる露天風呂が人気で、わたしの一番のお気に入りになっています。平安後期に後堀川天皇の姉が入湯されたことからこの名がついたという歴史ある温泉です。

午後三時から営業を開始する柳湯は最も小さな温泉です。大谿川沿いにぽつんと控えめに佇んでいます。

駅前通りと温泉街の交差点に位置する地蔵湯。入り口にお地蔵さんがいるから「地蔵湯」です。かつては地元に住む人の多くがこの湯を利用していたといいます。駅にも近いのでここで入浴して2階の休憩所で休んで次の旅先へ向かうこともできます。なお、駅前には7湯の中で最も新しい外湯「さとの湯」もあります。

これだけ多くの外湯があるため、10回以上も城崎温泉に来ているのに宿泊したのはなんと1回だけ。それでも十分堪能で来てしまうのが城崎温泉なのです。

北近畿のシンボル「こうのとり」。

こうのとりが傷ついた脚を癒していたことから発見された城崎温泉。そこから1400年、日本を代表する温泉地であり続け、多くの観光客で賑わっています。「城の崎にて」を著した志賀直哉をはじめ多くの文豪たちも愛した温泉は人々を惹きつける何かがあります。みなさんも是非城崎温泉に来て、その魅力を感じ取ってみていただきたいと思います。


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