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72 がけっぷちRailroad・銚子電鉄で日本の先端へ

今年のGW、みなさんはどこかにお出かけされたでしょうか?

3年ぶりの行動制限のない中でのGWで遠出した方もいるでしょうし、もともとGWの時期は混むのであまり出かけないという方もいるでしょう。

わたしは従来後者でしたが、今年は久しぶりに遠出してみることにしました。

行った先は千葉県銚子市。房総半島の東端。平野部なら日本で一番早く初日の出が拝める「日本の先端」です。

さてこの銚子市の名物といえば醤油。なのですが、私のような鉄道ファンならまず挙げるのが「銚子電鉄」

JR銚子駅からさらに銚子の先っちょ、犬吠埼方面を結ぶローカル線です。

銚子電鉄は大正12年7月に開業、来年開業100周年を迎える地方ローカル鉄道です。2006年に車両の法定点検費用が捻出できず、以前から販売していたぬれ煎餅の購入支援を呼びかけるなど幾度となく廃線の危機を乗り越えてきました。

今も決して経営状況はいいとはいえませんが、さまざまなコラボ車両やぬれ煎餅やたい焼きなど販売などの副業、果ては「電車を止めるな!」という映画制作もするなど捨て身の戦術が話題となって観光客を集めています。

わたしも買いました、ぬれ煎餅。想像以上にしっとりしていて柔らかいですが、醤油がしみしみでおいしいです。

さて、起点の銚子駅にやってきたこの列車、なにやら異彩を放っています。

中はなんと多数の風船で上部が埋め尽くされています。

これはタレントのきゃりーぱみゅぱみゅさんとコラボしたコラボ車両「問題だらけのもんだいがあるきゃりー電車」。GWから運転を開始しました。きゃりぱみゅぱみゅさんファンの家族連れの方が1組いてとても喜んでいました。他は一般のお客さん。情報を知らずに乗った方は度肝を抜かれたことでしょう。

きゃりーぱみゅぱみゅさんはデビュー10周年で応援してくれた方に感謝を込めてLOCAL POWER PROJECTを展開中。千葉ではこの銚子電鉄を盛り上げてくれています。

ちなみにこの車両は2両編成なのですが、もう1つの車両は「岩下の新生姜」とコラボした「ニュージンジャー号」。

こちらはアルパカのぬいぐるみが席にいてより一層乗車スペースを賑やかにしてくれています。

車内の写真を撮っていたら電車が動き出しました。しばらくすると本銚子(もとちょうし)。数年前に24時間テレビでタレントのヒロミさんが老朽化していた駅舎を改修くれました。

駅の名前を販売するネーミングライツは他の鉄道会社でも採用していますが、銚子電鉄ももちろん採用。なかでも異彩を放つのがこちら

本来の駅名は笠上黒生(かさがみくろはえ)ですが、髪毛黒生というネーミングライツのほうが目立っています。こちらはスカルプケアアイテムの企画開発を行う会社が命名権を取得。私はかなーりご利益に肖りたい駅です。なぜかは言いません、なぜかは。

のどかにキャベツ畑の中を列車は走ります。千葉は全国有数の農業王国ですね。

車窓を眺めていると程なくして犬吠埼観光の拠点、犬吠駅へ。南国のムード満点でポルトガルの装飾タイル、アズレージョで飾られています。

犬吠駅は有人駅。帰りの銚子までの切符を買いましたが今は珍しくなった硬券。列車の通行証「タブレット」も未だ現役で昭和の鉄道の姿を残しています。

列車はもう1駅先、外川駅まで行きます。こちらが終点。こちらは生活感あふれる庶民的な雰囲気漂う駅。

もう昭和の雰囲気がぷんぷん匂います。この運賃表が未だ黒板を使っていることも驚きです。イミテーションではなく立派に現役です。この横ではぬれ煎餅などのグッズを販売しています。

外川駅から南に10分ほど歩くと長崎鼻灯台に到着します。犬吠埼は東の端にありますが、こちらは南の端。灯台以外何もないところで三方を海に囲まれているので先っちょ感が半端ないです。こういうとこ、すごく好きです。

長崎鼻から犬吠埼は30分弱の道のり。犬吠埼の灯台が見えますね。潮風を感じながらの散歩は最高です。なお、犬吠埼へは先の犬吠駅からは10分ほどでいけます。

軽く汗をかきながら犬吠埼の灯台に到着。高さ27m、明治7年に点灯して以来海の安全を守っています。こちらは登れる灯台。300円を払って絶景を見に登ります。

結構上は混んでいました。灯台上の狭い場所を人とすれ違うと結構怖いですが360°大パノラマが眺められます。この先は遠く遠くアメリカまで続く太平洋。こころなしか水平線が丸く見えてきます。

灯台前にある懐かしい形のポスト。この白いポストは2012年3月14日、ホワイトデーに設置されたそう。願いが叶う、恋愛成就のポストなんだそうです。

犬吠埼は銚子随一の観光地。お店も何軒か並んでいます。INUBOW TERASU TERRACEはおみやげ品の購入や飲食もできるおしゃれなレストハウス。

醤油や落花生などの地元産品もありますが、海をイメージしたアイテムもたくさん売られていておしゃれな店内。海側はテラスになっていて飲み物を飲みながらくつろぐこともできます。

私はと言えば、店内に入るとまず目についた銚子ビールのお店で地ビールを購入して広場へ。すぐ近くで小学生の子がレモネードを頑張って売っていたんですが、おじさんはビールを買ってしまいました。ごめん、でも海を見ながら飲むビールは格別なのよ。

ローカル線で訪れた日本の先端、銚子。苦しい中必死に市民の足として残ろうと格闘するローカル私鉄の姿を肌で感じ改めて応援したくなりました。犬吠埼は温泉もあります。ほかにも屛風ヶ浦などの絶景も楽しめるなど見どころもたくさんあります。東京からなら2時間半でいける手軽さも魅力です。ぜひみなさんも一度銚子にお越しください。

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