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ミライのキャリア 第4章 個人事業主とフリーランス

この文章は、ミライのキャリア#19”個人事業主とフリーランス”〜#24”起業編まとめ”を加筆し再構成したものです。

(1)個人事業主とフリーランス

【えりな】実際に個人事業主であるCaol先生、個人事業主に必要なものってなんでしょう?

【Caol】ま、実際には個人事業主というよりフリーランスで、フリーランスとしての収入は半分で、後の半分は、雇用されて給与をもらっているのだけれども、半分とは言え、実際にフリーランスとして働いている人なので、フリーランスの実際についてお話ができるかと思います。

【えりな】お、実は私も。個人事情主で、現在フリーと雇用半々です。フリーランスだからこそ雇われは発生しますね。でも、ぶっちゃけ、必要なものとかが揃ってできているのかわからないところです。

フリーランスと個人事業主の違い


【ホリデー】そういえば、個人事業主と、フリーランス、って何が違うんだっけ?ちゃんと考えたことなかったけど。

【Caol】そうそう、フリーランスと個人事業主って使い分けましたが、ちゃんと実態にも違いがあります。それは「開業届」ですね。これは、「私は継続して事業を行う個人です」と税務署に届け出ることです。届け出ることで、青色申告という税金の優遇をうけることができます。私の場合、開業届を出していないフリーランスなので、確定申告は白色申告。優遇はない代わりに手続きが簡単。
 青色申告だと複式簿記が必要で経理が大変です。経理の専門知識が必要になります。最低でも簿記3級以上の資格か知識が必要ですね。
 これは外注可能で、税理士さんと顧問契約を結べば帳簿を含めてまかせることができます。もちろん年20〜30万円あるいはもっとかかりますが。
 私のフリーランスの収入は副業扱い、かつ専門家として元手なしの仕事なので、これで十分ですが、事業として大きくしていきたい、という仕事の時は、開業届を出して、ちゃんと個人事業主になった方が税金のメリット大きいです。

【えりな】ここも一緒!付け足すところがないくらい一緒です。今どうしていこうか色々迷っているところなので、これから開業したいという方も今日の回を聞いて参考にしていただけるといいかも!

【ホリデー】僕は、まさか自分で会社を立ち上げるなんて全然思ってなかったし、あまつさえ、社員を抱えることになろうとは夢にも思ってなかったんですけど、社員の給料を払えるくらいには稼がないといけない、ってプレッシャーもあって、たまに「あ〜、もう個人事業主になって気楽になりたいな〜」なんて思うこともあるんすよね。

【Caol】うまくいけば会社のほうが抜群に儲かるんですけどね。

【ホリデー】まあ、一人ではできないことができる、というところで可能性は広がる感じはありますね。でも、一人の気楽さも憧れるんだよなあ〜。

労働集約型と資本集約型


【Caol】そうそう、なんだかんだで一人のフリーランスは楽なんですね。で、そういう個人事業主に向いているのが知識集約型の仕事。

【ホリデー】ほほ〜。知識集約型。分かるようでわからない。

【Caol】まず集約型というのは、経済学の言葉で産業のあり方を表す言葉。
 集約型のうち事業活動の大部分を人間の労働力に頼る割合が多い仕事・産業が「労働集約型」。法人だと売上高に対する人件費の割合が大きい産業になります。
 労働集約型の反対が、「資本集約型」。資本つまり生産設備が事業の中心になる産業、仕入れや生産する機械など固定費がかかる事業ですね。

【えりな】ちょっと実際の職業で考えると、どこからが労働集約型でどこから資本集約型かわからないんですが…たとえば、蜂って労働集約型ですよね。女王蜂の下でたくさんの働きバチがあくせく働くことで巣が成り立っている。

【Caol】そうそう

【ホリデー】うん!わかりやすい!!のか

【えりな】…女王蜂が一人で巣を成り立たせるようなインフラを作って、ひとりではちみつ作りできるようになったら面白いですけどね。

【ホリデー】そのインフラを作るためには資本が必要になってくるし、インフラ拡張すればするほどより大量のハチミツをつくることができる、ってことで、それが「資本集約型」ってことで、あっている??

【Caol】んー、なんとなく、合っている気がする。

【えりな】なんか、わかりやすい例えだったかどうか微妙でごめんなさい。

【Caol】それはさておき、第3章、ホリデーさんの会社スタジオホリデーの事業展開を見ると、デザイン+コンサルティングの労働集約型の事業から、クラフトコーラなど資本集約型の事業展開をしています。まず専門性が高く、元手のいらない労働集約型の事業で元手を作り、元手のいる資本集約型の事業展開をする、という流れが良いですよね。これが逆だと、資金調達をどうするか、という問題を解決しなければならなくなります。

【ホリデー】確かに〜。てか、デザインやコンサルティングは労働集約型、ってことになるんだ。個人的には知識とか専門的なスキルを売っているイメージだったんだけど。

知識集約型


【Caol】そうそう、その話をしたかったんですけど、労働集約型の事業のうち、専門性が高いものが「知識集約型」。もしかしたらホリデーさんの仕事はこちらに近いかもしれませんね。
 知識集約型の事業とは、頭脳労働や知識労働が事業の中心となるもの。ハイテク産業や情報通信産業などが挙げられますが、医薬品製造業やインターネット関連サービス業、ファッション関連産業も知識集約型事業になります。そしてコンサルティング業や弁護士なども、専門知識を必要とする知識集約型産業です。

【えりな】ファッション関連もそうなのかぁ。デザイナーさんとかバイヤーさんとかは特に専門的な知識がいりますものね。

【ホリデー】うんうん、やっぱりそっちの方がしっくりくる。

【Caol】医薬品製造業もそうで、医薬品そのものよりも、医薬品を開発するまでが重要で、研究など頭脳労働が必要ですよね。そういえば、医薬品のベンチャーは開発だけして、それを他の会社に高く売る、ということがありますね。

【Caol】で、元手がいらず、サービスへの対価も高くできる、と言う点で、知識集約型の事業はとても個人起業に向いています。

【ホリデー】やっぱり個人でやるからには単価上げていかないと、それこそ究極24時間ずーっと働かないといけない、ってことになりますもんね。

【Caol】そうですね。で、まさにそれが欠点で、知識集約型も労働集約型の一形態なので、個人の場合、その人が働くことができる労働時間が事業の上限になること。人は24時間働けないし、人ひとりの総労働時間は限界があるので、その人の労働時間=知識集約型事業で得られる収入の上限になります。

【ホリデー】あ〜。これ、僕は会社経営しているけど、この感覚めっちゃわかるわあ。デザイン業は正直時間の切り売り感があるんですよね。

【Caol】この点、資本集約型の事業は、うまくいけば、経営者の労働時間を遙かに超える収益を上げることのできる事業ですね。

【ホリデー】それを夢見て自社事業立ち上げてみたんですけど、それはそれで結構大変だ、ってことを最近痛感していますよ。

【えりな】そうなんだ〜。まあでも個人で開業するのだったら、なるべく単価を上げられる知識集約型がおすすめで、収益を上げやすい!ってことですね。そうすると、いつまでも勉強してスキルを上げ続ける努力ってのが大事ってことですね。

【ホリデー】個人事業主も甘くないよ、ってことで!

【Caol】まったくそのとおりで、確定申告のおかげで、勉強にかかるコストが分るのですが、年20万円以上かかりますね。こうしないと知識やスキルが維持できないのですよ。

【えりな】ひ〜そんなにかかるんですね!でもやりたい仕事ができるって素敵なことですよ。夢も持っていきましょう!

(2)フリーランスの実際

副業から本業へ


【えりな】そもそものところでCaol先生に聞いてみたかったことがあるんですけど、Caol先生がフリーランスの仕事をしている理由って何ですか。

【Caol】正直なところ、月給をもらう本業をやっているうちに、個人で請け負う仕事がだんだん増えてきて、それが役に立っているってところです。

【ホリデー】だんだんというのがポイントなんですかね。

【Caol】本業という言い方をしますけれども、公認心理師・臨床心理士として働いているスクールカウンセラーの仕事は、非常勤の掛け持ちからスタートしたのですよ。その時にクライアントにあたる人に、こういうこともできますよ、みたいな話を振っていたら、だんだんそういう仕事、例えば、PTAの講演とか、あるいは、教員の研修みたいな仕事が入ってくるようになったなーってのが、きっかけであり、スタートだったかなというところです。

【ホリデー】フリーランスの仕事と一緒に、元々の勤め人としての仕事もしつつ、そこがクロスオーバーして行ったってそんな感じですかな。

【Caol】そんな感じです。個人で請け負っている仕事が最初は副業なんですけども、やっているうちに副業の作業、時間が多くなって、本業や、勤めているところの仕事がとてもとても回らないとなったら、フリーランス一本でやっているんだろうなって、実際自分がやってみて多分こういう道筋になるんだろうなーっていうリアリティを感じています。

【ホリデー】フリーランスにすぐとなるみたいなことじゃなくて、どんどんいつのまにかそうなっていくっていうのは、確かになんかこう、フリーランスを続けていくコツみたいな感じであるかもしれないですね。えりなちゃんとこはどうです?

【えりな】そうですね、Caol先生の経過は私にも近いような気がしていて、私もフリーランスになったのは、成り行きと言うか、何かこだわってフリーランスになったわけじゃないんですよね。もともと自分のスピーチの仕事を開拓していく上で、スピーチの会社なんてなかったから、自分がフリーランスでやるしかなかった、っていうところが始まりなので、通じるものあるなーって思いました。

事業のアイディア


【えりな】では次の質問行きたいと思います。自分のやっている事業お仕事のアイデアが、どこから生まれてきましたか。

【Caol】具体的に言うと、スクールカウンセラーとして学校に入ると、さっきの例として出したPTAの講演会とか、教員が外部から講師を呼んでちゃんとした研修をやんなきゃいけない、という場面に遭遇して、その時に、今日の講演ギャラはいくらですかとか、あるいはどうやって講師を呼んでいますか、って話を聞いた時に、できるじゃん俺。ここにクライアント受託先があるって事に気付いたんで、「私やれますよ」と話をしたっていうのがきっかけです。

【えりな】聞いてみたんですね。

【Caol】そうです。聞いてみたら、毎年予算があって誰か頼まなきゃいけないとか、広く公募するわけじゃないから誰に頼むかということで毎年困っているとか、毎年違う人を頼まなければいけないので、ネタに困っているみたいな話が出てきて、そうか、ここにチャンスがあるなあ、と思ったわけです。

【えりな】そうなんですね。なんかできるじゃん、っていうのが、さっきの質問の答えにもありましたけど、これ多分自分の枠があるじゃん、っていうのが、だんだん大きくなっていった結果、本業に近づいてきた、みたいなのかもしんないですね。

【Caol】私の話を一般化すると、何か本業として仕事をしている時に、これ個人で受けられるんじゃないかとか、あるいは、クライアント受託先の話を聞いている時に、この仕事は個人の発注ってあり得るかも、というみたいに、仕事を見つけるという視点で働くということなのかなと思います 。

まず先に客を見つける

【ホリデー】覆面ミリオネラという主人公が自分の身分を隠して、新しく事業を起こすっていうドキュメンタリーがあるんですけど、その主人公のグレンが最初に

「自分の売りたいものを売るよりも、まず先に客を見つけるって事が大事だ。」

と言っていて確かになぁと思いました。
 確かにCaol先生の話を聞いていると、そうだなーって思って、自分の能力がこうだから、それを売るためにお客さんを見つけるではなく、そもそもお客さんが最初にある、お客さんが先に見つかっているっていう状態が、まさにこの主人公のグレンが言っていたのと同じだと思って聞いていました。

【えりな】自分が会社でやっているんだけど、これ個人で受託できない?みたいな話は、デザインの業界にもあるような気がしたんですけど、どうですか?

【ホリデー】そうですねデザインもありますね。デザインもね、結構売り物がわかりやすいし、お客さんの困りごとも分かりやすいっていうところがあるんで、そんなに難しくなかった気もするけど、それはどうなんだろう。僕のキャリア的に難しくなかっただけで、他のデザイナーはどうなっているのかっていうのは、僕も知りたい感じではあります。

【えりな】デザインってフリーでやっている方もいるわけじゃないですか。それで、自分でお客さんを探さなきゃいけないっていう方もいるでしょうから、そういう方もどういうアイデアとか、どういうお客さんを見つけるかでね、お仕事の多い少ないが変わったりするんじゃないかなと思いました。

【ホリデー】そうですね。確かに、自分が持っているデザインスキルとか、デザインセンスみたいなのっていうのを、なんとかして買ってもらうっていうよりも、そもそもクライアントさんは、何に困っていて、何が欲しいんだろう、みたいな所から考えるって言うのは、むちゃくちゃ大事です。今でもそうしている感じですね。だからCaol先生が言っている「これって仕事になるじゃん」っていうのは、クライアントの困りごとをちゃんと見つけるっていうところが大事。

【えりな】私も今フリーランスでやっているアイデアっていうのは、まさにそこからは出てきたもので、自分がたまたま得意だった人の前で話す事っていうのが、みんなにとっては苦手のことだったんですよね。みんなできなくて困っていたんですよ。でも、それを助けてあげる人っていうのが、世の中にはとっても少なかったから、それを仕事にしようって思ったっていうアイデアがありました。
 この質問に関連して、デザインはどんな商品で、どんなサービスで、誰を相手にしているかっていうのは、分かりやすいと思うんですけど、じゃあCaol先生のやっているお仕事っていうのは、どんな商品で、どんなサービスで、誰を相手にしているんですか?

真のカスタマーは?

【Caol】講演や研修会の講師をする、話をする立場っていうのは、目の前にいる観客がお客さんのように思えるんですけども、この人達は私にお金払ってくれないんですよね。こういうテーマで講演をやりましょうという発注元の人が真のクライアントです。
 商品サービスと言うのは、クライアントである発注元の目的に合うものを提供する、ということが、私のサービスしている物ってことになります。余談ですけども、私立の学校って誰がお客さんだと思います?

【えりな】生徒さんですか?

【Caol】保護者なんですよ。学校に金を出すのは保護者で、この人が私立学校のカスタマーです。

【えりな】確かにそうだ。

【Caol】なので、誰がカスタマーなのかを見誤ると、提供するサービスとかがマッチングしない、ということが起きると思います。今、私立学校にいてそう思います。

【えりな】だから講演の話も、聞いてくれている人とかその場にいる人がお客さんになるんじゃないんですよね。それにお金を出して依頼している人がクライアントですよってところですね。こういう誰が カスタマーかと言うことはフリーランスの人が見誤りがちなことかと思います。
 ちなみに、私はこのどんな商品サービスで誰を相手にするっていうのは、今でも画策しているところです。今までは自分がスピーチとか、人と話す方法ってことを教えるのをサービスにしていたんですけど、教える対象っていうのも、いろんな人がいたんですけど、これはフリーランスの人みんな悩むんじゃないかな。より自分のお客さんを限定する、ターゲットを絞るっていうのが、これから必要だなーって思って、私は経営者さんと、ちょっと障害があったりするハンディキャップがある人っていうのを、これからお客さんにして、そういう人をサポートするっていうのをサービスにしようかなーなんて考えていたりするところですね。

【ホリデー】なるほど面白い。

【Caol】そうすると目の前にいる社長さんに、どうですかスピーチ上手くなりたいですかっていうことが仕事になりそうですね。

【えりな】スピーチを教える人って別に他にもいますし、別に滑舌とかだったらアナウンサーさんとかに習ったらいいんですけどね。そうすると自分の競合他社が多くなっちゃうんですけど、じゃなくて、例えば、トーク、商談を成功するにはとか、あとは部下の気持ちがわかってうまくコミュニケーションして、会社を一体化させるには、みたいな、そういうところから全部含めてサポートしたりとかしたいなと思っているところです。

【ホリデー】自分のスキルを売る対象を自覚的に考え始めたのって、何かきっかけとかってあるんですか?

【えりな】これまでは、半分雇われて都内のスクールで教える仕事をしていたんですよ。でも自分が先生を教える先生の先生みたいな立場まで来ちゃったんですよね。そうした時に後輩も育ってきたし、自分でしかできないことしなきゃっていうのが、すごく大きくなってきて、年内でやめようと思ったですよ。そのタイミングがきっかけだったかもしれないです。

【ホリデー】なるほどね。その時に、どういう人が自分のスキルを求めて、困りごとを解決できる対象っていうのが、こういう人なんじゃないかってのを、色々考えたっていう感じなんですか?

【えりな】そうですね。やっぱり私がやっている中で、来てくれる生徒さんにそういう層が多かったっていうのがありました。

【ホリデー】分かりやすかったんですね。

個人事業主に資金調達?

【えりな】さて、次の質問、事業をする上で資金調達ってしましたか?

【Caol】フリーランスの仕事で、資金を調達しなきゃという場面は一回もありませんでした。

【えりな】私もね、ニヤニヤしながら聞いちゃいましたが何もしていません。

【Caol】元手がいらないというのが知識集約系のフリーランスのいいところですよね、と言いたいところですがいかがです?

【えりな】そうですね。まあ自分のやりたいことに何か資材とかが必要な場合、買ってくるかもしれないんですが、基本的にはいらないですよね。だってホリデーさんが起業する時すら資金調達しなかったって言っていましたもんね。

【ホリデー】そうですね。僕も会社を起こすからなんかそこで特別に資金調達をすることはないですね。

【えりな】私とかCaol先生も何か店舗を持っているとか全くないので、この資金調達が必要かどうかっていうのは基本的にはいらない、必要なものがあれば、で合っていますよねCaol先生?

【Caol】そうですね。

資金調達が必要なフリーランス?

【ホリデー】資金調達が必要なフリーランスって例えば何なんですかね?

【Caol】知っているところだと、楽器の改造をやって、一点ものの楽器を作るとか、個人でやっている方がいて、その方は当然材料費とか作業する工房が必要なんで、固定費がかかったりとか仕入れ、材料費がかかったりってことは聞いたことがあります。

【えりな】後は店舗とか事務所とかが必要な人とかが、かかってくるとかもあるかもしれないですね。では次の質問にいきましょう。フリーランスの事業に必要なリソースはどうやって確保しましたか。

仕事を取るリソース

【Caol】フリーランスは個人でやる仕事ですし、バックオフィスの仕事ってのは、たとえば税理士さんなりなんなりにお願いするという形になる、ということなので、基本全部自分でやりますっていう話になります。また別のリソースとして受託者クライアントを見つけてくるっていうことで言えば、個人である限り武器は二つ。一つは専門性、これができるというプロのスキル。もう一つは信頼信用ですよね。こいつにやらせなきゃ大丈夫ってこと。裏付けになるのが実績ってことになるなぁと私は思います。

【えりな】実績ですね。形のないものですが、それが信用になってきますよね。

【Caol】学生には、最初一回何とか乗り切ると、これがうまくいきました、と言って次からできるよって話をするんですが、その最初の一回、こういう仕事をしましたとか、これで成功しましたっていう実績が大切になるのかなってところですね。

【えりな】純粋な感想なんですけど、その実績っていうのがリソースに入るっていうのが今新鮮でしたね。

【Caol】私もどこに入れたらいいのかなと思っていたんですけれども、信用と信頼を作るものは何か、仕事のリレーションを作るものは何か、と考えると、実績になるのかなと思ったんですけどね。

【えりな】なるほど時間とか人手とかそういうものだけじゃないですね。

【Caol】むしろ個人でやるっていう時には、そういう人的なリソースとか資金的な物っていうのは二の次三の次でいいのかな。なんだって結局は全部自分でやらなきゃってことになりそうですね。

【ホリデー】信頼第一ですね。

フリーランスの時間の使い方

【えりな】時間の作り方はフリーランスって独特ですよね。これフリーランスあるあるだと思うんですけど、全部自分でやるせいで、固定の休みがなく、休みとこですかって聞かれても、終日休みのところはないですね、みたいなことになってきますよね。体調の管理も必要なのかなって思いました。ずっと一人でやり続けるのも大変だったりするかもしれないですね。

【Caol】必然的にマルチタスクになりますよね、複数のことを並行して進めるって事がしばしばあるかなと私は思うんですがえりなさんいかがです?

【えりな】本当にそうだと思います。やっぱりフリーランスに向いている人っていうのは、一人でやる力っていうのがある人なような気もしますね。
 前の質問につながる質問かと思いますが、フリーランスの仕事をやってみて分かったこと、そして必要なことはCaol先生どんなことだと思いますか?

【Caol】まずはフリーランスに限らずですけれども、なるまでよりなってからが大変、というお馴染みの話です。
 私がやっている研修や講演の仕事で言うと、使い回しが効きづらいというところがあります。ある発注があって、良いアイディアが浮かんで、講演の演目としてそれはうまくいった。じゃあ、この演目をまた次回、別のところで使えるかっていうと、全く同じ物は使えない。そうなると新たな発注があったら、あたらしいネタを仕入れて仕事をしなければならない。
 物は仕入れなくていい代わりに、新しい情報や知識、知恵というものを仕入れなきゃいけないので、その仕入れが非常に大変かな。

【えりな】そうですね、何か教えるストックみたいなのが必要なことは、私も研修とか講演の仕事をやるのでとってもよく分かりますね。

【Caol】そういう情報や知識のアウトプットをやる仕事というのは、アウトプット以上のものをインプットしないといけないので、そこは大変なところってことになりますよね。

フリーランスに必要なのは勉強

【えりな】なので、私もこの必要なことっていうのが、フリーランスの人は、クライアントを相手にすることが多いと思うので、自分でインプットしたものを、そのクライアントに合わせてクライアントが必要なようにアウトプットするという力が必要なんじゃないかな、って今学んでいるところです。
 次の質問は、フリーランスになって、分かったことや必要なものがあって、新たに勉強したことは何ですかCaol先生?

【Caol】それは全部ですね。日々全て勉強です。勉強しないとアウトプットが追いつかんってことになるので全部勉強です。
 知識集約型のフリーランスと言うのは、資金調達とか固定費はかからない代わりに、大体年間で20万から30万ぐらい勉強に費やすお金がかかる。これを怠って無料のネット検索だけで何とかしようとかすると、だんだんダメになる。

仕事はどうでもいいことで回っている

【えりな】確かに書籍いろいろ買っています。私が特にZ世代には伝えたいかなって思うことなんですけど、私が新たに勉強したことは案外、社会常識とか礼節とか税金関係とかそういうことだったりもしました。税金はもちろん分からないから自分で知るしかない。で、これが割と難しかったっていうのと、あとは若くてフリーランスだからこそ、社会常識とか礼節をちゃんと知っているって凄い大事なんですよね。名刺を交換するにしても、じゃあ例えば、今の若い人はもうやらなくなったことで、名刺を渡す時に、下げて渡すとかこれできるだけで、「お!さすがですね」って言われたりしてきました。経営者さんとかからすると「その年でよくそれやりますね」と言って、お仕事に繋がったりとか色々してきたので、自分の専門知識だけじゃないそういう知識も必要だと私は思います。

【ホリデー】いい話ですね。自分のスキルの真ん中をどう高めていくかというとこが、多分仕事フリーランスやっていく上での絶対に本質的な事なんだと思うんだけど、でも社会は本質的なことだけで回っていないっていうことがあって、本質的でないこと、どうでもいいことだったりっていうところをちゃんとしておく事によって、意外に回ったりするみたいなことも、結構あるなーってか僕も思います。

キャリアアンカー

【えりな】あーなるほど。最後の質問になります。
(1)自分の専門性を生かした専門性
(2)管理職を目指すようなマネジメント
(3)自分が自立独立していること
(4)生活が保障されて一定で安定感があるということ
(5)自分のアイデアで、起業創業をしたい
(6)新しい誰もしたことがないことに取り組みたい
(7)人の役に立ちたい
(8)仕事と生活のバランスを保ちたい
 のキャリアアンカー8つのうち、今は何が満たされていると思いますか。

【Caol】私の場合、管理職を目指すマネジメントのキャリアアンカーと、安定とか保証というところのアンカー以外は満たされていますね。

【えりな】この中で一番満たされているのってどこですか?

【Caol】私に関しては、専門性のキャリアアンカーのところですかね。専門性を発揮するというところでは、アウトプットが中心ではあるのですけども、専門性が必要とされている感覚はあります。

【えりな】私は、マネジメント、生活の保障と安定、仕事と生活のバランス、これ以外は満たされていますね。この三つこそ大事なんだよっていう人も、世の中にいっぱいいらっしゃると思うんですけどね。一番満たされているのは、純粋な挑戦かもしれないですね。今やっている仕事というのは誰もしたことがないことに挑戦している、と思います。

【Caol】フリーランスって不安定だと思われるかもしれないんですが、自分のフリーランスの収入を考えてみた場合、月単位だと変動は大きいんですけど、年単位で見るとそんなに大きな変動がないなーっていうふうに私には思えるんですけども、えりなさんはいかが?

【えりな】そうかもしれないですね。フリーランスをうまくやっている人はそうでしょうね。
 私は、誰もしたことがないことをしているからこそ、自分にしかできない仕事が集まるっていう状況にして、広く見ればちゃんと安定しているという状態を作りたい。そうするとより安定するようになるので、今、頑張っている所だったりもします。

【Caol】その副作用として、ワークライフバランスみたいなものはどうしても犠牲になる。私もさて寝るかといったタイミングでやらなきゃってこと思い出したりとか、あと今日までの3週間を振り返ると、予定が入んないって日は1日もなくて全部仕事していましたね。

【えりな】フリーランスはいつ仕事をしてもいいですからね、

(3)法人を作ろう!フリーランスから法人化するメリット

【えりな】今回は、フリーランスから法人化するメリットを考えていきます。
フリーランスである私が、今日はお二人にインタビューして行こうと思うんですよね。というのも、ここで語ってきたように、私は今フリーランスなんですけど、今年起業しようかなと準備しているところなんです。なので、会社を設立するには何が必要かいろいろ聞いてみたいと思うんですけどいいでしょうか。

【ホリデー】come on!経営者

【えりな】まず、私がどんなことをために会社を建てたいのかっていうのを、お話ししなきゃなんのかなと思うんですけど。未だに確定しているわけではなく、ただ準備している段階なんです。私、今までスピーチで新しい仕事を開拓しています、っていう風に仕事を紹介してきました。
 このスピーチで社会貢献したいなと考えておりまして、その内容っていうのがですね。まずお客さんになる人は、例えば発達障害とADHDとかを持ったハンディキャップのある方です。こういう方々のコミュニケーションとか、話し方っていうのをサポートするっていうサービスを始めたいと考えています。
 こういうサービスっていうのは、調べたんですけど、まだ少なくとも日本にはほとんどない状態です。
 これは、話し方の仕事でもあるし、ちょっと福祉も入っているんですよね。なので、個人でやりますよっていうことではなくて、開業して会社にして信用を得たいなって思っているところです。
 では、お聞きしていきたいと思います。法人化するメリットってズバリ何がありますか?

法人化するメリット

【ホリデー】法人化するメリットはですね。ズバリ言うと、制度的に税制上の優遇が結構多いというところは一つあるかな。あとは企業間の取引において、この先どうなるか分からないけど、信用されやすい。個人事業主よりも信用されやすいのもありますかね。

【Caol】今、ホリデーさんから話があったとおり、法人は信用を得やすく、法人間の取引がしやすい。後は税金の優遇が大きいかな。福祉の仕事では、NPO法人というのが先例として多いと思うんですけれども、ただ事業としてやるには、株式会社の方がいいだろうなっていう言い方ができますね。

【えりな】いやなるほど。NPO法人っていうのも確かに考えましたね。NPO法人登録して補助とかをもらいながら、あまり営利っていう感じではなくやっていくことも考えたんですけど、迷っていますが、営利としてけっこうガツガツやっていきたいところもあるので、株式会社かな、みたいに私も思っているところではあります。
 じゃあ、反対に聞いてみたいんですけど、これまでホリデーさんは話してくれていたと思いますが、あらためて聞きますね。法人化するデメリットって何ですか。

【ホリデー】そんなこと話したっけ?

【えりな】法人化する大変さとか、向き不向きの話をしてくれましたよね。

法人化するデメリット?

【Caol】私が今の仕事をしていて思うのは、社長は労働三法によって守られないというところですかね。簡単に過労死レベルの残業になってしまうとか、メンタルを病んでしまったりとか。法人そのものに罪はないが、社長が働きすぎるリスクがある。あと社員に対する責任ですね。

【ホリデー】確かにそれをデメリットと捉えるのかどうか。そもそも会社化してスタッフを率いて行くには、一緒にやっていく仲間をちゃんと守っていくとかっていう観点からすると、当然なのかなっていう気もします。
 社長が働きすぎるって言うのも、自分で事業を起こしたいからやっているので、それはもうある意味、自己責任みたいなことになってくるので、自分がやりたいからやっているんで、当たり前っちゃ当たり前だよね。
 逆に働く裁量もあれば、働かない裁量も全部自分にあります。良くもあり悪くもあり、この制度をどう自分で使いこなせるかっていうことかなってな思いますけどね。

【えりな】デメリットですっていう感じじゃないですね。

【ホリデー】僕の場合、法人化したからこれがデメリット、今言ったみたいなことがデメリットだなぁみたいな事っていうのは、多分考えたことがない。
 会社をやっていて大変だなっていうことはもちろんあるんですけど、それが別に法人だからそうだってことでは別にないっていうか、制度的にデメリットだなと思うことが特にないですね。

【えりな】それ聞いて、私ちょっと勇気が湧きましたね。
 と言うのも、私はホリデーさんと一緒で、別に社長さんになりたいわけじゃないんですよね。社長に成り上がってやるぜ、とかでは全くなく、やりたいことを考えた時に、この形、法人になるんじゃないか。
 個人で行って、一人でやる限界っていうのも感じますし、後は別に個人でやっている今だって、休みとか自分では作らずにやっていてそれは全く苦じゃない。体が動く限り、やりたいことがいっぱいある感じなので、何かちょっとできるような感じがしてきました。
 では、ホリデーさんに質問。自分が会社を作るってなった時に右も左も分からないじゃないですか。その時、どこから情報収集しました?

会社設立のための情報収集

【ホリデー】広告代理店にいた時から、独立してやっているような社長さんに話を聞いたりとかはしたんですけど、でも、なんかそういう人たちにちらっと聞いただけで、事前にめちゃくちゃ情報収集をしたっていうことも特にあんまりなかったですね、僕の場合は。

【えりな】そうなんですね。じゃあむしろ、会社がひとつカタチになってから、ずっと勉強を続けているような本読んだりとか、いろいろしながらっていうところですよね。

【ホリデー】会社をやりながら、ここは、どういう風な考え方でやるんだろう、とか、ここでどういう風に制度を活用したらいいんだろう、とか、社員を守っていくには、どうしたらいいんだろう、とか、っていう、その都度その都度情報を収集しながら、適切な会社の運営の仕方を学びながらやっているっていう感じですかね。

【えりな】あーやっぱそうなんだ。会社を作るっていうのを全く考えたことの無い方のために一応話すると、会社を作るっていうのは、まず従業員をたくさん集めてからじゃないとできないっていう訳ではなくて、社長さん一人でも会社ってできるし、資金がないと必ず駄目ってわけでもなく、手続きをしたら会社って立ち上がるものらしいですよ、皆さん。会社の名前を付けて会社を作りますっていうことは、割とできるらしいですし、ここからが大変で、みんな苦労するところですね。
 私が心配なのが、これからお客さんとかに営業していくのに、知り合いの会社さんをたくさん作りたいなって思っています。
 ホリデーさんは元々自分のいた会社のつながりとかあるんじゃないかと思うんですけど、それがもしなかったら、どこから人脈を集めるのが早いと思いますか。

人脈作り

【ホリデー】人脈作りですか。これはその事業で必要な人脈っていうのはぜんぜん違うので、なかなかこれって言うところってやっぱりないと思うんですけど、同じような事業をやっている人に色々連絡を取ってみたりとかな。でも、今回は、ほとんど誰もやったことのないようなことをやっているわけで、そうするとどうなんでしょうね。
 ここに行ったら絶対に何か良いネットワークが出来るって言うのは、特にない、ので、自分が興味を持って、いろんな面白い人に会いに行くみたいな、そういう感じがいいのかなーっていうのは思いますね。
 自分の事業を広げるためにいろんな人に会いに行くっていうのもあるんですけど、税金とかどうしたらいいのかわかんない、とか、人を雇う時にどういう風な雇用形態にしたらいいのかとかっていうのは、税理士さんとか士業の先生と話をするみたいなことも当然あるかなと思いますけどね。

【えりな】そうですね。確かに、まず詳しい人に聞いて、会社の運営に必要なことを教えてもらうことを、私もやりたいと思います。

従業員を雇用する大変さ

【えりな】会社を作る以上、他の人に手伝ってもらったり、従業員を雇ったりっていうのを考えているんですけど、やっぱり自分一人でやる限界も感じたので、会社を作ろうかなと思ったところもあるんですよね。で、責任を持って人を雇うっていうことがですね、ちょっとね、怖いなって思っているんですよ。従業員が何人かいるというホリデーに人を雇う大変さとかが、どんなもんかっていうのを聞いてみたいです。どうですか?

【ホリデー】やっぱりね、大変なこともあるし、でも、一人でやっていけない事を皆でやれるって言うのはいいことですよね。そこで責任も生まれると言うかね、メンバーの生活が壊れないような会社経営っていうのは考えなきゃいけないので、そこをちゃんと考える必要があります。

【えりな】人生がかかっていますからね。

【Caol】私、社長はやりたくないなぁと思っていて、それはなぜかと言うと私の父が代表取締役社長だったからですね。

【えりな】え?そうでしたっけ?

【Caol】私が19歳の時に若くして亡くなっていて、私の妻ですらあったことがないんですけれども、数百人従業員がいる工場の取締役工場長から、後にこの会社が倒産して、別の会社に移って社長をやっていた人だったんですよ。

【ホリデー】初めて聞いた。

【Caol】黒歴史なのであまり話していなかったのですが。
 で、倒産した会社の工場長時代には、労働争議の後始末に追われる。まあ会社が傾いて赤字だとなると給料が払えないみたいなことになる。従業員の生活が守れないということで、その後始末に奔走する。それこそ会社がぱったり行かないように、毎月資金繰りに奔走するという姿を見ていましたし、その後、会社社長になったと言っても、やはり従業員がいてものづくりの人だったので、どうしても固定費がかかるということで、やっぱりお金に苦労していた。
 従業員の生活を守る、給料を払うってことに結局それにほぼ100%の力を注いでいたなーっていうのを見ると、社長と言うのは、あんまり楽しい仕事とは思えない。家族として見ていて私が思ったことです。
 あとこの倒産した会社。失敗する会社のパターンをやっていました。

企業経営はキャッシュが大切

【えりな】そりゃあ会社ってたくさんありますから、そういううまくいかない形もあるんだろうな。お金がかかることもあるし、人がついてくる大変さもあるしってことですよね。怖くなってきました。できるかな。
 で、Caol先生が失敗する会社のパターンと言っていたじゃないですか。それで、ホリデーさんにも聞きたいのは、失敗する会社ってどういう会社だと思います?

【ホリデー】そうですね、それはズバリ現金を大切にしない会社ですね。

【えりな】現金!

【ホリデー】そうですね、結局会社って現金がちゃんとあるかどうかっていうのがすごい大事なんですね。

【えりな】お金ってことですね。

【ホリデー】札束がある、ということではなく、キャッシュのことで、銀行に預けているお金もキャッシュです。このキャッシュがなくなると倒産!ということになります。
 銀行にお金があって、借りていて、あ、銀行からお金を借りることができるなら、それでもいいです。で、返せなくなると倒産。ものすごくざっくり言っているので、正確ではないところあるのですが、現金を大事にせずに、現金がなくなる会社っていうのが潰れる会社っていうことだろうなって思っています。
 それぐらい現金、お金=キャッシュっていうのはすごく大事だし、お金に対しての意識がないと、やっぱり会社の経営はできないのかな、っと思います。

【えりな】失敗する会社ってのは、どんな会社でもあるし、会社が失敗するっていうのは、どうことかということでもありますね。そうならないように会社を維持していくと。そこは勉強しないといけないなぁ。意識はありますけど意識があるだけじゃダメですからね。

失敗する会社のパターン

【Caol】父の会社の失敗に学ぶと、現金が何でなくなるかって言うと、リソースを分散しちゃうからですね。
 従業員やできる事業っていうのは有限なんですけども、あれもやろうこれもやろうみたいな形で、有限のリソースを分散して、その結果現金が足りなくなる会社かな。

【えりな】なるほど、分けることによって管理できなくなり、足りなくなり、みたいことが起こる。

【Caol】だいぶ古い話なんですけども、父の会社は時計の製造会社なのに、ボーリング場をやろうとして潰れたんです。

【えりな】それは私でもちょっと想像がつく良くないことだと思うんですけど、そういうことをするとお金はなくなるか。

【ホリデー】リソースを分散するっていうのは、本当にダメなんだと思うんだけど、これを正確に言うと、リソースのマネジメントができないということ。
 新しい事業、新規事業をやろうとかっていうことになった時にどれぐらいのリソースをかけるとその事業が成功するのかというのが読めない部分っていうのはあるんですよね。得意じゃないとこに参入しようとすると、読めない中でそこに参入するっていうことになるので、多分これぐらいだったらできるんだろうなーっていうところの見積が甘かったり、そもそも読めないみたいなのことがあって、これぐらいだったらできるだろうと思っていたところが、めちゃくちゃそれでは全然どうにもならない、っていうことに後で気が付くんだけど、そういう事業を適切に切ることができないとかってなると、どんどん現金がなくなっていっちゃう、て、いうことが起こって、それで主軸の事業でも、もう金が追いつかなくなって潰れる事っていうのは、まあ結構あるある話です。

【えりな】よく芸能人の方が、いろんな事業に手を出すじゃないですけど、最初は多分資金とかを得て始められるんだけど、そこから失敗しちゃうっていうニュースと多かったりするじゃないですか。お店開くだとか。
 そういうのもボーリング屋さんじゃないのにボーリング屋さん始めちゃって、と言うのと同じような倒れ方なんですかね。

サンクコスト

【ホリデー】確かにそういうこともあるかもしれない。事業をやるときに本当に必要なリソースってなんだろうみたいなこと、例えばボーリング場をやろうっていう時に、従業員は50人ぐらいいたらなんとかなるんじゃないと思っていたら、実は150人必要でしたとか、これぐらいの備品があったら足りるんじゃないと思っていたところが、想定の2倍かかっていたとか、一番最初にお金がかからないからやってみたけど、これを維持するのにめちゃくちゃ金がかかるとか。そういうことがあると、手持ちの資金があれよあれよとなくなっていくみたいなことがあったりするんですよね。
 そこのマネジメントができてないとか、見積もりが甘かったりすると、どんなにお金を持っていても、どんどんどんどんそこが削られていくみたいなことが起きる。
 一回やり始めると、なかなかこうね、撤退するのも難しいみたいなことがおきる。せっかくここまでお金をかけたんだから、みたいな気持ちになって撤退しにくくなるっていうことがある。これ専門用語で言うところのサンクコスト、埋没費用って言います。
 日本のことわざでいうと、死んだ子の年を数えるな、ということ。
 どうしても死んだ子の年を数えちゃって、なかなか撤退できずに余計傷口が広がって、そもそも母屋も倒れる、ということが結構起こる、
 それぐらいも事業の収支っていうのは厳しく見ていって、行ける時は投資すればいいけど、駄目だと思ったらちゃんと撤退するみたいな、そういう厳しいバランス感覚ってのが結構経営者に求められるのかなーっていうのは思いますね。

【えりな】収支のバランス感覚、あと見積もりがちゃんと正しくできているかどうかっていうところですね。

新規事業の見積もりは外れる

【ホリデー】もし新しいことをやろうとすると、見積もりはだいたい外れるんですよ。外れた時に対処ができるような、ちゃんとバッファみたいなのを見ておけるかどうかいうところまで含めて、マネジメントするっていうことかなと思いますけどね。

【えりな】まあ確かにそれはそうですよね。どんなに失敗する人でも、失敗しようと思って始めている人なんていないわけじゃないんですか。どこかで歪みが出てきたりとか、予想外のことが起こって失敗しちゃうんですよね。っていうのもちゃんと考えて、準備をしてやるって言う事ですね。

【ホリデー】だいたい経営者っていうのは、経営者っていうか人は、何となく自分は大丈夫なんじゃないかって錯覚しちゃうんですよ。

【Caol】でた!認知バイアス!

【ホリデー】自分は大丈夫なんじゃねって思っちゃいがちなんですよね。でもそういう向こう見ずな姿勢というのが、もう新しいことを生み出すっていうとこでは絶対に必要なので、全否定するつもりはないし、そういう姿勢はめちゃくちゃ大事なんだけど、それで人生が全部だめになるみたいなリスクまで背負うことはない、そんな感じですかね。

【えりな】よしやってみるぞって言うのは大切だけど、リスクが多すぎたり、それこそ従業員がたくさんいるようになっちゃったりすると、それだけではいけなくなっちゃいますもんね。これは心に留め置こう。
 今日のホリデーさんは経営者ですね。

【ホリデー】こう見えても結構ちゃんと経営者なんですよ。

【えりな】まとめます。
 企業のメリットデメリット、情報収集の仕方、人脈の作り方、後は人を雇うってどういうことだろう、大失敗する会社とはなどなど。
 振り返ってみると色々聞けましたね。私の感想としては、なんか勉強していけばできる気がするっていう希望がちょっとわきました。
 会社を作るって、何が怖いって自分が、何を分かってないのか分からないのが一番怖いんだなーって聞いて分かりました。なので、ちゃんと勉強してこうやって聞いて算段を立てていけばチャレンジ出来るんじゃないかなって思ったので、もしチャレンジしたいっていう方が聞いている方にもいらっしゃったら、是非情報収集から始めていただければと思います。

(4)起業・法人化に必要なこと

【えりな】これまでにいろんな話をしていきましたが、その中で出た起業に必要なことを振り返り、起業したい人に必要なことを考えていきたいと思います。
 まずはですね。実績を作るということが大事でしたよね。これは、ホリデーさんの体験とかから、起業して仕事をするにあたって、実績を作ることが大事ってことでしたが、ちょっとこれをまとめて頂いていいですか。

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