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デートにバレエはありか?無しか?

クリスマスが近づくと過去のほろ苦い思い出が蘇る。
デートにバレエはありか、無しか?という質問だが、私の回答は「相手による!」これに尽きると思ってる。なぜそんな理由があるか、私の苦い思い出と共に解説しよう。

以前あるインテリ風の先輩と仲良くなり、出かける約束をした。丁度見たかった公演があり、その話をしたところバレエを見に行くことになった。バレエは圧倒的に女性多数の世界であるが、インテリ風の男性には結構な割合でクラシック好きがいるし、そういう男性はバレエにもある程度の興味を示すように思う。
最初に約束した時は、「この先輩とどうなるかな♪」「気になるダンサーが出るから超楽しみ♪」と言った感じだったのだが、私は後々この時の選択を非常に後悔することになる。

結論として、その公演はとても良く、バレエも音楽も一流どころが揃っていた。しかしなぜか幕が開いた瞬間、私は「なぜこの先輩と来てしまったのだろうか」と激しい後悔の念に駆られた。バレエも音楽も全てが最高だったのに、先輩の隣に座る自分が嫌で嫌でたまらなかった。なぜか分からないけれど、本当に嫌で、公演中も帰りたくてたまらなかった。
休憩中もトイレの待ち時間はは長いので、それを伝え、ギリギリに戻ってきたら、なぜかコーヒーを飲もうと言われ、早く戻らなきゃと焦りながら仕方なく「嫌だ、早く戻りたい、一刻も早く離れたい」と思いながらコーヒーを飲んだことを覚えている。バレエが終わった後も余韻に浸るまでもなく、なぜかカフェに行くことになり、何度も食事に誘われたが、理由をつけて即退散したことを覚えている。

後から気づいたけれど、私はその先輩のことが全く好きでは無かったのだろう。今思えば、そもそもそれだけ嫌だった時点で、どちらかといえば嫌いだったのだろう。でも若者特有の焦りと見栄もあってか、デートに行くことになり、先のことをよく考えなかったため、自分が本当に大好きなバレエを選択してしまった。

なぜその先輩と一緒に見たことをそれだけ後悔したのか、それは大好きなバレエを穢してしまうような、自分の幸せのテリトリーにその人を無理やり入れようとしてしまったことを後悔したからだと思う。バレエは私にとって幸福のテリトリーであり、そこに入れるべき人はその人ではなかったのだ。私は席に着くまでそれに気かなかった。無理やり自分の大好きなテリトリーに誰かを入れようとしても嫌悪感しか感じないと、気づいていなかった。あの時のことは今でも後悔している。

いまだにあの時の公演映像を見るたびに公演のクオリティの高さに感動すると同時に、その先輩の顔が思い浮かんできて毎回嫌な気持ちになる。

バレエはデートにありか?無しか?という質問だが、結論はやはり相手によると思う。大好きな相手と一緒にいられる時間は楽しいし、相手と一緒に楽しめたら最高である
でも、もしあなたが本当にバレエを好きなら、どうでも良い相手と適当に過ごす時間にバレエを選択することはおすすめしない。後からその公演を思い出すたびに、そのどうでもいい人の顔が浮かんでくるのはハッキリ言って苦痛だ。
私のように素敵な公演を思い出す際にどうでも良い人の顔を思い浮かべたくないだろう。今焦ってその人と一緒にデートに行く必要があるのか、デートにあえてバレエを選択する必要があるのか考えたほうが良い。

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