バレエファンの会社員🇯🇵Tokyo Ballet Fan

東京に住むバレエが大好きな会社員。素人がバレエやお金について、好き勝手書きまくります。…

バレエファンの会社員🇯🇵Tokyo Ballet Fan

東京に住むバレエが大好きな会社員。素人がバレエやお金について、好き勝手書きまくります。 English reviews are here → https://note.com/capaism/m/m0e48fc1bb99e

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バレエ感想「ラ・バヤデール」新国立劇場バレエ団

「ラ・バヤデール」初日を見に行って本当によかったです。ストーリーの展開や、美しい舞台セットや衣装なども含め、見応えたっぷりでした。 衣装、舞台セット、照明についてまず衣装がめちゃくちゃゴージャスで本当に綺麗です。どの衣装も豪華絢爛で、ダンサー達をさらに美しく見せる衣装はバレエ衣装のお手本のようですし、夏の新作もこの衣装をこのまま使えばいいのにと思いました。 舞台セットも素敵で、1幕は鬱蒼と生い茂った森林のようなオブジェがカーテンのように開く形で始まります。寺院はインドと

    • なぜ日本にマシュー・ボーンのような振付家が現れないのか考察

      マシュー・ボーンの作り上げる舞台を見て、考えさせられることがとても多かったです。 その一つが「なぜ日本にマシュー・ボーンのような振付家が現れないのか」という疑問です。日本は世界有数のバレエ大国であり、世界で活躍する日本人バレエダンサーが沢山います。幼少期から海外のバレエ学校に留学するダンサーも増えてきており、かなり高度な教育を受けた日本人ダンサー達が爆発的に増えています。 しかし、日本人の有名なバレエダンサーはパッと思い浮かびますが、マシュー・ボーンのように振付家もしくは演

      • マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」ダンサー達の役作りについて

        登場人物達の役作りの過程についてマシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」公式パンフレットにあったマシューのインタビューを読み、役柄の創作過程についてとても興味を持ちました。 今回は7回「ロミオ+ジュリエット」を見に行きましたが、舞台を見れば見るほど、それぞれのキャラクターの背景について感じさせられる部分が多くなることに気がつきました。上記インタビューにある通り、一人一人のキャラクターが際立っている理由は、ダンサー達が相当役に対する分析や議論を重ねて、役に対する理解を細か

        • マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」を見て気になったこと

          マシュー・ボーンの作品を今回初めて見て、その斬新さに心の底から魅了された。あまりにも感動し、既に何本も賛辞の気持ちを込めたnoteを書いている。 マシュー・ボーンの作る舞台に心を奪われてしまったのだが、私自身は「大絶賛するなら、気になる点もきちんと言う」をポリシーとしている。と言うわけで今回は私が「ロミオ+ジュリエット」を見て、心の中でツッコミを入れた描写4つについて書いていこうと思う。 なおネタバレも含む上、人を殺すシーンの描写もあるので、見たくない方はこの時点でそっとブ

        バレエ感想「ラ・バヤデール」新国立劇場バレエ団

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        記事

          なぜマシュー・ボーンがこれだけの作品を生み出せるのか考察

          マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」を見てその革新性に驚くと同時に、見れば見るほどマシューの創造力に感銘を受けました。マシューのカンパニー「New Adventures」はコンテンポラリーダンスがメインのため、通常のバレエ団のようにクラシックの型にははまらない自由さがあります。 ですが、ここまで世界的に成功しているコンテンポラリーダンスのカンパニーはほとんどありません。これだけのアイデアを生み出し、革新的な舞台を作り、芸術作品に仕上げるマシュー・ボーンの才能には驚愕しま

          なぜマシュー・ボーンがこれだけの作品を生み出せるのか考察

          マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」を見て、面白いと思った表現方法について

          古典ばかり上演される日本バレエ界において、マシュー・ボーンの作品はとにかく「斬新」です 。あまりに革新的で衝撃を受け、気がついたらなんと7回も見に行ってました。今回は「ロミオ+ジュリエット」を見て面白いと思った、マシュー・ボーンならではの表現について見解を述べていこうと思います。 ちなみに既に書いた感想2本はこちらです😊 ①様々なアプローチで感情の表現をしていたことダンスは一種の表現であるため、ダンサー達は踊ることだけでなく、言葉を使わずに観客に物語を伝える演技力も求めら

          マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」を見て、面白いと思った表現方法について

          マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」3キャストそれぞれのキスシーン

          マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」にはバルコニー・デュエットという、恋に落ちたロミオとジュリエットが幸せの絶頂で踊り、ファーストキスをするパドドゥがあります。マシュー・ボーン自身が「ダンス公演の中で最も長いキス」とインタビューで答えていましたが、このキスシーンを見るたびに毎回本当に幸せな気持ちになります。マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」は確かに悲しい話ではあるけど、あのバルコニーデュエットは見てる方も幸せな気持ちになるのでぜひ沢山の人に見て欲しいです。 私

          マシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」3キャストそれぞれのキスシーン

          バレエ感想「マシュー・ボーンのロミオ+ジュリエット」ニューアドベンチャーズ東京公演

          今回マシュー・ボーン作品を生で初めて見たのですが、初日に感激してあまりに感動したため、本日4/19時点で既に5回(4/11,14,17,18,19)見に行きました。あまりに斬新で、通常のバレエとは全然違うエネルギーの大きさに衝撃を受け、この作品やダンサー達の虜になりました。 私はどんな舞台を見ても大体頭の中で仕事のことなど違うことを考える悪い癖があるのですが、マシュー作品は革新性と吸引力が強く、余計なことを考える余地を持たせないため、舞台に没頭させてくれます。 なぜマシュ

          バレエ感想「マシュー・ボーンのロミオ+ジュリエット」ニューアドベンチャーズ東京公演

          バレエ感想「マノン」英国ロイヤルバレエ in Cinema

          2月にパリオペラ座バレエ団が東京で「マノン」を上演したという事もあってか、日本バレエファンの間では「マノン」熱が高まっていると思う。そして「マノン」熱が高まっているのは日本だけでなく、マクミラン版の初演から50周年と言うことで、イギリスでもかなり熱が高まっている。今回はそんな熱気あふれるロンドンの「マノン」を日本で見れると言うことで楽しみに映画館に向かった。 ロイヤルバレエ「マノン」感想まず結論から言うと、ナタリア・オシポワの凄さに圧倒された。正直この映画はオシポワがいなか

          バレエ感想「マノン」英国ロイヤルバレエ in Cinema

          恩田陸さん新作バレエ小説「spring」を読んだ感想

          ※出来るだけネタバレを避けますが、ネタバレが入る可能性が大いにあります。まだ読了されていない方は気をつけてください。 何気なくSNSを眺めていたら新国立劇場バレエ団の吉田都さんと恩田陸さんのツーショットが出てきて驚きました。 恩田陸さんといえば大人気の小説家で、中学時代の親友が恩田陸さんの大ファンで「六番目の小夜子」をいつも読んでいました。私は長年図書館で働いていたのですが恩田陸さんの本、特に「夜のピクニック」などは人気で目にする機会が多かったです。そんな恩田さんがバレエの

          恩田陸さん新作バレエ小説「spring」を読んだ感想

          REVIEW : K-BALLET TOKYO's "Giselle" 03/16/2024

          K-BALLET TOKYO's Spring Tour 2024 "Giselle" began on 16th March, 2024 in Tokyo and isn't set to end until 24th. Their current production is re-choreographed by the artistic director Tetsuya Kumakawa, the first Asian principal dancer of The

          REVIEW : K-BALLET TOKYO's "Giselle" 03/16/2024

          バレエ感想「ジゼル」K-BALLET TOKYO 3/16初日

          3月16日Kバレエのジゼル初日を見ました。主演はジュリアン・マッケイと岩井優花さんです。 ①印象に残ったダンサー3名ジュリアン・マッケイのアルブレヒト像は「愛すべきバカ」というのか「お人好しで、世間知らずで、性善説の世界に生きているボンボン」という感じでした。ジゼルが死んでしまった時は取り乱して大騒ぎしますが、後悔というよりは、自分が予期していなかったこと(可愛いジゼルちゃんの死)が起きてしまい、現実を受け入れることが出来ずにパニックになっている子どものように見えました。

          バレエ感想「ジゼル」K-BALLET TOKYO 3/16初日

          バレエ界のギャラリーストーカーについて

          1. バレエ界にギャラリーストーカーはいるのか以前から問題視されていたが、芸術家へのギャラリーストーカーについてのニュースを読み、これは美術界だけでなくバレエ界にもあると感じた。 近年、SNSの発達でダンサーと観客の壁は取り払われつつある。また、プロのバレエダンサーが同じ空間で指導する「オープンクラス」もかなり人気が高まっており、ダンサーと観客の距離は精神的にも物理的にもかなり近くなった。 だが、様々なオープンクラスに行けば行くほど、そこには色々な生徒がいることも気が付

          バレエ界のギャラリーストーカーについて

          日本の素敵なバレエダンサー【番外編】美しいポールドブラを持つ日本人ダンサー

          海外で活躍する実力を持ちながらも日本で踊ることを選択してくれたダンサーを紹介する「日本の素敵なバレエダンサー」シリーズですが、「海外」と一言で言っても教育を受けた国や、活躍した国によっても様々な特徴があると思っています。 そこで今回は海外帰りのダンサーの中でも「美しいポールドブラ」を持つと私が感じたダンサー達について、私が実際に見た感想を踏まえながら、彼らの美しさの特徴を紹介したいと思います。 🇦🇹上中佑樹さん(ウィーン国立歌劇場バレエ学校出身)上中(かみなか)佑樹さん

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          1年を振り返る:バレエファンの会社員は正直でありたい

          noteにバレエの話を書くようになって、約1年が経った。文章も写真も自分で全て準備し、チケットも定価で購入し、迅速に感想を書くと言うことを心がけていたので、最近ではすっかり公演に行くたびに感想を書くと言うことが習慣化してきた。 さて、オペラファンや演劇ファンからは言われ続けてきたことだと思うが、日本バレエ界には批評文化が全く根付いておらず、ネットに上がってくるのはほとんどが大絶賛のみである。もちろん大絶賛しかしようがない素晴らしい舞台であったのならそれでも良いけれど、実際に

          1年を振り返る:バレエファンの会社員は正直でありたい

          バレエ感想㊻「眠れる森の美女 in Cinema」Kバレエトウキョウ

          今から記載するKバレエによるシネマ版「眠れる森の美女」の感想は、あくまでもバレエが大好きの普通の会社員が感じたことを素直に書いた感想である。私と違う意見を持つ人が沢山いることを知っているし、どんな意見も一切否定しない。全ての意見は尊重されるべきだと思っている。 私はKバレエトウキョウ「眠れる森の美女」初演を見た時、確かに興奮した。素晴らしいと思ったので大絶賛し、自分は熊川哲也版「眠れる森の美女」が大好きでたまらないと思っていた。 しかし残念ながら私は「眠れる森の美女 in

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