見出し画像

蒼月草の青、ヒンメルの青ー「葬送のフリーレン」6話まで見てみたー

巷ではすでに第2クールに突入しているということで、かなりの出遅れスタートですが、今更ながら「葬送のフリーレン」を見始めてみましたという話です。最初から最後までアニメ談義となっています。

*なお、このnoteは、アニメ第六話「村の英雄」まで見た後に書いています。六話までの内容には触れている部分もありますのでお読みになる際はご注意ください。また原作は未読、その後の展開についても一切情報を入れずに見ていますので、解釈違い等ある場合もご了承くださいませ。


総じて良いよねと言う話

いやはや本作品、初回がスペシャルなのはとても有難いし、金ロー枠だなんてとても贅沢なことだけど、その分見る時間を確保するのと、見始める覚悟みたいなものがなかなか決まらず、、、
ついに年を超えてしまいましたが、やっと見れました。

総評としては前評判通りというか、声良し、作画良し、音楽良し、ストーリー良しのとても魅力的な作品という印象です。

これは褒め言葉として、ですが、旅物語、異種間交流、RPG、歴史物、ジャンプっぽさ(出会い・別れ・感動・成長etc.)と、色々な要素の片鱗が見られて。どのジャンルが好きな人にも刺さりそうな作品だなと感じました。

旅物語の「孤高系」主人公が好きっていう話

個人的には、旅物語の要素あるのが嬉しいです。
「キノの旅」とか好きだった人間なので。ああいう淡々とした旅物語ってなかなかお見かけしないので、本作の静かな空気感はとても好みです。

なんというか、旅先で出会う人々と正面からぶつかりはしないけど決して相容れず、みたいな絶妙な距離感が好きなんですよね。集合体の一員にはならず、あくまで「部外者」を貫き通している感じ。それでいて、お互いの価値観には影響を与え合っているような感じ。

フリーレンはエルフなのもあって、より一層「人」を俯瞰して見ている印象を受けるけれど、倫理的な部分を考えさせられることも多くて。そんな作品の雰囲気もすごく好きだなと感じました。

「くだらない記憶」の温かさが染みるという話


加えて、フリーレンと旅の仲間たちとの思い出や、関係性の濃さを思わせるシーンが随所に散りばめられていて、でもフリーレン本人はその思い出の価値にまだあまり気づいていない感じも良いなと思いました。
自分にとって大切な思い出であることを体は覚えているしわかっているけれど、本人の意識としてはまだそこまでは到達していない感じ。

最初の方にヒンメルたちとの冒険をすべて描ききって、その後に回想シーンを挿入していくという演出も出来たと思うんです。もしかしたらその方が、後で「あの時の…!」みたいになって泣けたかもしれないし、時系列的にも綺麗だし、演者さんも演じやすいし。
でも、そうじゃなくて、断片的な記憶をその都度思い出すっていうのがリアルなのかなとも思いました。

本人たちだって、その冒険を「歴史」として受け継いできている人たちだって、当時を一言一句完璧に覚えているわけではなくて。
でも、それに近い出来事や感情を体験したときに不意に部分的に蘇ってくる、みたいなことって結構ある気がしていて。それこそ、なんでそこ、みたいなヘンテコでくだらない、他愛もない会話とか。
本作における「回想シーン」って、まさにそんな感じですよね。思い出そうとしたわけでもないのに思い出しちゃって、その度に温かくも寂しくもなって、そういう今現在の経験も含めて「大切な思い出」なのかなって。

だから、最初から我々読者(視聴者)も全て知ってはいけなくて、フリーレンが記憶を通じてその温かみに気づくまでの過程を、我々も一緒に辿っていくような、そういうお話なのかなと思いながら見進めています。

(フリーレンは言及していないけれど、蒼月草の花の色を見てヒンメルの髪の色を思い出してしまったのは私だけでしょうか。私はネモフィラを見る度に、蒼月草を、ヒンメルを思い出して、何だか胸がぎゅっとなります。)

おわりに

さてそんなところで、まだ「シュタルク君やるじゃん」みたいなところなのですが、今後物語がどう展開していくのか。第2クールは新キャラクターも多く登場するとのことですっかり情報過多ですが、、、
1話ずつ程々に味わいながら、第2クールが終わるまでには追いつきたいなと思っています。

今日はこの辺で。

追記
ヘッダー画像は例の蒼月草のシーンを彷彿とさせる、というイメージからお借りしました。
(余談ですが、キャラクターから背景まで、作品を構成する「色」がとても綺麗だなと思います。柔らかで透明感のある、絵本の挿絵のような色。マッドハウスさんの十八番という感じもしますね。)


この記事が参加している募集

アニメ感想文

今こんな気分