【旅ごはん・散歩ご飯】  ブータン料理レストラン LASOLA(市ヶ谷)

ブータン料理と聞いても特段どういう感じかというイメージが湧かなかった。勿論ブータンという国がチベットとインドの間にある山岳の小国というのは知っているので、同様の国ネパールと近い料理なのかとも思っていたが、どうなのだろうか。ネパール料理ではダルバートというカレー料理を軸とした定食があるが、どうやらブータン料理はカレー料理が主体という事ではないらしいという事は耳にしており興味は惹かれていた。そんな中、市ヶ谷にブータン料理店があるという事を知り、早速ランチに足を運んでみた。

市ヶ谷駅から九段方面に7、8分歩いた辺りのビルの二階にその店、「ブータン料理レストラン LASOLA」はある。階段を上り、店の扉を開けるとオレンジを基調とした、それでいて落ち着いた空間である。


オレンジ基調だが落ち着きのある店内

案内された席に座り、ランチメニューを眺める。メニューに載っている写真を見る限り、カレーというよりは中華料理に近い見た目をしている。そして唐辛子をそのまま用いるのが特色のようだ。刻んだりしてアクセントとして使うというよりは、丸のまま野菜の様に使われているようだ。察するに唐辛子自体はそれほど辛くはないのかもしれない。

五つほどあるランチメニューから選んだのは「パクシャパ・ランチ」。こちらはメニューを見ると「豚バラ肉と大根と唐辛子の煮炒め」と書かれている。これにスープとサラダ、ご飯がセットになっている。そして折角なのでモモも注文。

運ばれてきた「パクシャパ・ランチ」はちょっとお洒落なカフェ風に木製のプレート、器に盛り付けられているが、多分現地ではこういう食器ではないのだろうなぁ、と思いつつしばし料理を観察。

パクシャパ・ランチ

サラダはいわゆる普通のサラダである。これはランチとして普通に付いているという事だろう。まずはサラダを美味しく頂いてから、メインに立ち向かうとしよう。

パクシャパは、同じような厚さにスライスされた豚バラ肉と大根の上に開いた唐辛子が寝ている。ひと口食べてみると味のベースは塩で、シンプルだが素材から染み出た旨味が心地よい。辛さはあるものの、辛さを前面に出すというよりも、唐辛子自体も豚肉や大根と同様に食材としてそこにある、という感じがする。そしてこれ、素晴らしく白米と合う。普通に定食屋のメニューにあっても馴染むのではないだろうか。

モモ

そして追加で注文したモモ。こちらは水餃子のような食べ物でネパール料理店でよく見かけるが、ブータンが発祥らしい。ネパール料理店で出されるモモはだいたい小籠包のような形をしているが、こちらのモモは餃子に近い形をしている。ネパールとブータンで形が違うのだろうか。こちらは口に入れてみると下味がしっかりついていて美味しい。唐辛子のペーストを付けて頂くとこれまた味の輪郭が立って美味しさがアップする。

唐辛子をふんだんに使用するという事で、四川料理のようなものを想像していたが、料理が真っ赤に染まるとか、辛さが前面に出るとかという事ではなく、食材のひとつとして取り込まれていて、実は日本人好みなのではないかと思った。

エスニックな出会いではあったが、それと同時に普通に美味しいランチを戴いたという満足感を味わえるお店であった。御馳走様でした。


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