【旅ごはん・散歩ごはん】 豊はる(東京・神田小川町)

神保町から神田にかけては、言わずと知れたカレーの街である。名だたるカレーの名店がひしめいている。しかしながら、このカレー屋の森の中できらりと光るカレー以外のお店もある。今回ぶらりと寄ったのは、そういったお店のひとつ、神保町駅と小川町駅の中間辺りにある立ち食いそば・うどんの店「豊はる」。こちらのお店、看板に「是れはうまい! 肉そば 関東風」と書かれている。となるとやはり肉そばを食べるしかないだろう。

まずは店頭の券売機で食券を購入し、店員さんに渡す。今回は厚肉そば、トッピングにパイカを選択。ちなみにパイカというのは豚バラ軟骨の煮込みの事。ちなみに、麺はそばかうどんの他にきしめんも選べるところが、東京では少々珍しい。

待つこと数分で目の前にそばが到着。立ち食いそば店としては時間がかかるほうかな。さっそく食してみよう。

厚肉そば、パイカトッピング

厚肉は、厚さ1センチ弱の豚三枚肉で、存在感を放っている。熱々という訳ではなく、バットか何かの上に置いていたのを載せた感じだろうか。個人的にはもう少し熱々だとより美味しく戴けるように感じた。ちなみに、肉そばになると厚肉の半分くらいの豚三枚肉に代わる。それでも充分なボリュームだろう。そしてパイカはしっかりと煮込まれ、ほろほろにほぐれる感じでこちらも美味。厚肉、パイカから出た肉汁がそばの出汁のコクを更に味わい深いものにしている。

ある意味肉まみれのそばだが、見た目で受ける印象程こってりはしておらず、適当に脂も抜けてあっさりと戴ける。ささっとお昼を食べて午後も頑張るというような時に良さそうだ。閉店時間は18時のようだが、それまで休憩はないので、忙しくてお昼を食べそこなったような時にもぴったりだ。

今回ちょっと残念に思ったのは、オーダーミスが多かったこと。僕が入店してから退店するまで5人程のお客さんが続いたのだが、3人程店員さんのオーダーミスがあった。見ていると食券を渡す際に「温かい」か「冷たい」かを告げるのだが、それをことごとく間違えていたようだ。ちなみに、僕のそばも間違って隣の人に渡しそうになっていたのを横目で見ていた。たまたまかも知れないが、味も良いし、お店の人も皆愛想よいので、もう少し落ち着いて貰えれば、こちらも気にならずに食べるのに専念できたのに、そこがちょっと残念。むしろ客が自分で厨房に「温かいの」とか「冷たいの」とか告げるほうが間違いはなくなるのではないかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?