わたしの好きな仏像は、京都にある、広隆寺・弥勒菩薩半跏思惟像です。
ところで、わたしの知り合いに、９０歳を超えたおばあちゃんがいます。その方は、数か月前、町内会のゲートボールに通いすぎて、大腿骨を骨折し、入院しました。私がお花を持って病院にお見舞いに行ったところ、辛そうな様子もなく、温かい笑顔で、ありがとうと言ってくださいました。その表情が、半跏思惟像によく似ているのです。私の方が、お見舞いに行って元気をいただきました。

それから、私は父の影響で、プロ野球をテレビで見ることが、日常の一部になっています。巨人というチームに、岡本和真選手という、ホームランバッターがいらっしゃるのですが、この方も、強打者でありながら、そんな驕りを見せることなく、いつも周りを和ませる仏のような表情をしていて、素敵だなあと思いました。私は巨人ファンではないので、岡本選手には、ぜひ、メジャーリーグに行って、野球を精一杯、楽しんでいただきたいです。

怖いこと、恐ろしいものが溢れかえっているこの世界で、自分がおばあさんになったとき、近所のおばあちゃんや、岡本選手のように、子どもたちを不安な気持ちにさせない大人になることを、密かな人生の目標にしています。
ただ、私にできることは、スポーツ選手の方々や、芸術家の方々に比べれば本当に些細なことで、目の前の仕事を、無になって淡々とこなすこと、これに尽きます。辛いときは、歯を食いしばるのではなく、息を吐いて、肩の力を抜くことです。これは、顎関節症を患ったとき、かかりつけの歯医者様に諭されました。
今年もたくさん、胃が痛くなる思いをすると思いますが、半跏思惟像に近づくという最終目標を見失わずに、乗り越えていきたいです。