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まほやく|秋の夜長にルネサンス その2

こんにちわ。
異世界時短勤ム者です。

先日、秋の夜長にルネサンス、でネタばれない話を書きましたが、やっぱりそれじゃつまらないのでネタばれ感想レビューを書きたいと思います。
見逃した人や余韻に浸りたい人用だと思ってください。

題名が秀逸

まず題名から。この題名、非常に秀逸だと思います。
「巨匠に贈るルネサンス」ですよ。

雰囲気で題名つけてない。

この題名を理解するには、ストーリーを理解しておく必要があります。
ストーリーを全部読んだあなたは、あぁああって思いましたよね。

一応、大まかなストーリー

舞台は、西の国の田舎にある美術館。
ここには巨匠といわれた故ピクト氏の絵画が収集されています。
しかし残念ながら、災厄で美術館は破壊され、運営が難しいのではないかと言われていました。そんな矢先、なんと死んだはずのピクト自身がよみがえって、新しく書き直した絵を寄贈したというのです。そのおかげで美術館は満員御礼の大盛況。これまで以上に人を集めるようになりました。

その奇跡を知らずにやってきたラスティカ率いる賢者の魔法使いご一行
みんなと素晴らしい絵を見たいと、ラスティカが企画して、皆をつれて美術館にやってきたのです。
長蛇の列にもめげず、美術館を夢中に見て回る魔法使いたち。
しかし魔法使いたちは、厄災の影響も感じられないことから、ピクトの絵は奇跡でもなんでもなく、人の手による贋作の可能性があるのではないか、と立ち寄ったレストランで話し合うのでした。

レストランで客が置いていった忘れ物の絵筆を拾った魔法使いたち。親切心からその筆を届けようと、魔法で持ち主を探そうとします。
魔法によって動き出した絵筆を追ったその先は、美術館の中でした。なんと、絵画の裏に隠されていたドアの向こうに、絵筆の持ち主が隠れていたのです。彼は、アーテムという画家で、ピクトの贋作を描いた張本人でした。
親切にしてくれた美術館の支配人のお礼になればと描いたピクトの贋作が、こんなことになるなんて思っていなかった。
贋作を見破られた彼はそう後悔し、支配人とともに贋作を飾るのをやめようと決断します。

でも、それでは美術館がつぶれしまう……。

暗い空気になりかけた矢先、ピクトの絵の燃え滓があると聞いたミスラは、それを持ってこいと言い出します。そして、いとも簡単にピクトの絵を復活させ、アーテムの描いた贋作と見比べるのでした。
ミスラらしいただの気まぐれが本当の復活を起こしたのです。
ラスティカは、2つの同じ絵が並んだ光景に感動し、意気消沈したアーテムに対して、アーテムにはアーテムだけの、ピクトにはない才能があると、やさしく彼を諭すのでした。(ちなみに今回も、やはり花嫁としてかごに入れられる人がいました。)

さて、題名の話に戻りましょう

もうお分かりかと思いますが、ここでいうところの「巨匠」はストーリー中に出てくる巨匠:ピクト……じゃなくて、アーテムの方です。

そして、「ルネサンス」とは復活のこと。

燃え滓になってしまったピクトの絵が、ミスラの気まぐれによって復活し、無事、美術館を真の意味で再興することができた、ということを指します。

まぁとても大団円の素敵な話ですが、先のあらすじにおいて、キャラ同士の掛け合いは端折っておりますので、その辺は是非、復刻などのタイミグを見計らってでも、ご自身の眼で、確認してほしいところです。

ちなみに作中の「ピクト」ですが、最初ピクトグラムから来たのかなぁと思ったんですけど、単純にピカソを指しているのかなと。
シナリオ中の記述と作風が合いますし、何よりピカソには「羊を抱いた男」という彫刻作品があり、ピクトの絵「海猫を抱く男」の元になっているのではと思います。
また、贋作者アーテムですが、これが何の由来かわからない…。
ただ、ストーリー説明時には省きましたが、ラスティカが街中で、笑う女性の絵を買ったが、見ようによっては泣いている女に見えるというくだりがあります。ピカソには「泣く女」という代表作がありますよね。

所感

最初、SSRがラスティカ・ミスラ・ミチルと聞いて、どう思いましたか?
私は、これ何系のお話なんだろう?と全然予測できませんでした。

今回のシナリオで、ラスティカとミスラは親和性が高いことが示されましたが、私はこの彼の力を、ダイバーシティ力(力=りょく)と呼んでいます。
彼が、ミスラやオーエンすら不得手としないのは、彼らを自分なりに理解し、認めるという行為ができるからなんですよね。そして自身から他人にはそれを求めず、もし他人と認め合えたことがあれば、それはむしろ素晴らしいこと、とプラスにとらえる。
これは普通の人間にはなかなかできないことと思います。

それにしても、今回の立ち回りでは、ミスラの一人勝ち、と言っていいシナリオでした。ミスラの思い付きで動く性格が、功を奏して事態が収拾する、というまさかのファンタジー全開な展開に、シナリオにおいて「キャラクターを使う」ってこういうことなんだね、と読んでいて感心しました。

ミスラがSSRとして画像が出回った途端、まほやくtwitter界隈は湧いてましたが、本シナリオでもミスラらしい花を持たせたところは好感度が高かったです。もちろん、悟りを開いているかのようなラスティカにメロメロな賢者様方も多かったに違いありません。合掌。

ということで、以上、つらつら書き連ねたネタバレでした。
それにしても、アーテムて何のオマージュだろ。わかった人教えてください。

それでは、よい月夜を。


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