キャラコ

人間関係、芸術、文化、宗教、仕事、政治、社会課題、なんでも知りたい。自分や周りの人を取…

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人間関係、芸術、文化、宗教、仕事、政治、社会課題、なんでも知りたい。自分や周りの人を取り巻く環境に色々不満を持ちつつも、人生を愛してる。一児の母。

最近の記事

この世界は物語でできている。

「ねぇ、ママ。〇〇ちゃん(自分の名前)の真似してね。」、「はい!船長!」と声の大きさを「0」、「3」、「10」と変えて3回言い合う。 その次に、鼻にしわを寄せるこわい顔をして、「はい!船長!これはコワイ言い方ね。」と。「この3の声で言うのがいいね。これを何回も練習するといいよ。」と子どもが言うのを聞いて、ハッとした。 このマネっこ遊びは、私のコワイ声を矯正するための練習だ。 それまでは「ママ、コワイ声で言わないで。〇〇ちゃん悲しくなるよ。」と疲れたときの私の低く愛想のな

    • 「好きな映画監督はアルモドバルって映画好きがよく言いがち。」って言われた私の「花束みたいな恋をした」と「あの子は貴族」の雑感。

      いつでも泣きたいぐらいだった。昨日と今日。 『花束みたいな恋をした』を観て、『あのこは貴族』を観た。最近は、あまり邦画を観ることがなかったけれど、なんとなく気になっていた作品だった。 『花束〜』は、印象的なフレーズが目につく、至るところ記号といった作品だった。何もかもが前振りで、何もかもが記号として存在している。役者も監督もカメラマンも、脚本家の示したラインに一列に並んではみ出すものはいない。はみ出しはしないけど、たまにボロを出す。別れた二人の現デート相手は、あまりにも二

      • なにが人を苛立たせるか、自己イメージを夫婦で共有しているか、みたいなことについて。

         子どもが39.9度の発熱。(すでに小児科で「ヘルパンギーナ」と診断を受けている。)    頭と背中が布団の外へ追い出さなきゃいけないぐらいの湯たんぽのように熱くなっていた。顔を真っ赤にして、嘔吐している。  私も夫も心配して少し気が立っていた。私が夫に「背中をさすって!」「もうさするのはやめてあげて!」「気持ち悪くなってもっと吐きたくなるから。」と言うと、夫が「上向きにさすると吐きたくなって、下向きにさすると安心する。」と確信したように言う。  私が「そんなことないよ。気持

        • 人がその一生で経験できる人生は限られている!

          ごくたまに目を通す育児書。そこには子どもへの接し方が書いてある。頭ごなしに叱ったりせず、よく観察し、優しい声がけを。 そこでは親は、「子どもの成長を見守る者」で、「子どもに与える側の者」とされる。親は子どものすぐ隣に固定される。 そんな日々を子どもが3歳になるまでしばらく過ごした。子どもは、日々色んな事を学び、すくすくと成長している。その間、「わたし」は? 私はというと、子どもとの出会いを喜び、その成長を隣で微笑んで見ている…。それだけ?私には、子どもがぐんぐん成長して

        この世界は物語でできている。

        • 「好きな映画監督はアルモドバルって映画好きがよく言いがち。」って言われた私の「花束みたいな恋をした」と「あの子は貴族」の雑感。

        • なにが人を苛立たせるか、自己イメージを夫婦で共有しているか、みたいなことについて。

        • 人がその一生で経験できる人生は限られている!

          「ぬくもる」

          祖母が肺炎で危篤だという。 四国の山奥、平屋に一人で90歳まで住んでいた。その家は100年以上前に建てられたものらしい。枯山水のように伝統的な形式で手入れされた庭には、木の幹が何者かによってえぐり取られたような形で長老のように生きている梅の木がある。家の周りは山、田んぼ、畑。あれほど嫌がっていた施設に自ら希望して入ることになってから、1年と少し経ったばかりだ。 祖母は、口がかなり悪い。「あ〜んな、クソほど面白くもない〇〇のことなんて、話す価値もない。」や「(あの分際で)そ

          「ぬくもる」

          はじまりのことば

           思い出すのは、小学生の頃の遊び場「首塚」の長い階段の上で、座って下を見下ろしながら、自分にワクワクしていたあの頃。 まだ何者でもない私。結末の見えない不安の中、悩みながらその日を生きていた司法試験受験生だったあの頃。 初めて「自分の言葉が通じた」と思える人に出会ったあの頃。 寿命が短くて、すぐに死んでしまう生き物は、自分ではなく種を生き延びさせることで、何かを達成しようとしてるんだと考えて、大発見したかのように父に話して、そんなでもないかもと拍子抜けしたあの頃。 「

          はじまりのことば