「辰年」に決着をつける/地球世界遺産化問題【雑談】

 「雑談」のテーマぐらい重要なものはほとんど無いにもかかわらず、雑談のテーマについて雑談することはあまり無い。みんなが何について喫茶店やファミレスで盛り上がってるのか教えて欲しい。教えてくれ。コメント欄があるからさ。

 コメント欄があるからな。みんな。コメント欄があるんだ。いつだってあるぞ。コメント欄。せっかくだから使っていこうじゃないか。コンバット越前ばりにせっかくだからな。

 「女性におすすめされたい作家」というテーマで、文学好きの友人とひとしきり喋った。まず異性から何かを勧められる時点でブータン王国の国民ぐらい幸福なので、「どういうわけか効果がある壺」とか「モノは良いとされる洗剤」などでもなんでも勧めてくれて構わないんだが、「作家」というのは背景に人物像が透けて見えるからより良い。これは漫画でもいいし、小説や詩でもいい。

 なんで同性は含まれないのかというと、「同性の友人におすすめされたい作家」というテーマで雑談しても不思議と盛り上がらないからだ。一瞬で「どうでもいい」という結論になってしまうこと請け合いなので試してみてほしい。頭が真っ白になって「まあタバコでも吸いに行くか」となるに違いない。

 結論だけ言うと、「大槻ケンヂ」が優勝ということになった。なんかちょうど良くないですか。オーケン。『グミ・チョコ』。良いなあ!

 そのあと、その大槻ケンヂを勧めてくる女性のプロフィールを2人で考えたんだが、キモすぎるので省略する。それから街に出て、当てはまりそうな人を探してもいいんだが、それもキモすぎるからしていない。あまりにもキモすぎると捕まる可能性がある。

■「辰年」に決着を付ける

 来年は「辰年」らしい。龍だ。ドラゴン。よく言われるが、十二支で「辰」だけ実在しない動物だというのは奇妙なことだ。

 あとどっかでチラっと触れたが、「龍虎相うつ」という言葉がある。
 「龍」と「虎」という2つの最強の動物が戦う様子に例えて、同じだけの実力を持つ強いもの同士が雌雄を決することを言う。

 この「龍虎相うつ」もよく考えるとおかしい。どう考えても龍の方が強いだろ。
 だってまず龍は空飛ぶし、ファイヤーブレスみたいな技もたぶんあるだろう。サイズもよくわからんが、50mぐらいはありそうだ。
 一方で虎はなんだ、「ガオー(笑)」とかいって、あと噛み付くぐらいしかやりよう無いし、せいぜい2mぐらいか。どこが「同じ実力」なんだ? 虎が勝つビジョンが全く浮かばない。

 もし山かなんかで、めちゃくちゃキレてる龍に遭ってしまったとする。キレ過ぎてのたうち回ってる。「ふっざけんなよ! クソ!! ああああ!!!」っていう状態の龍だ。遭遇した時点で敵対するだろう。「何だお前! ああああ!???」

 そこへ虎がやってくる。龍へ向かって「ガオー(笑)」と一喝する。味方らしい。
 安心できるか? まとめて瞬殺されそうだろ。

 おそらく「龍」にも何らかのモデルになった動物があると考えるのが適切だろう。色々調べた結果どうやら「ワニ」っぽい。

 ・昔の中国の文献で「龍を養殖して食った」「田んぼに龍がいた」という記述がある。この頃、ワニを養殖して食うことがあったらしい。
 ・「逆鱗(げきりん)に触れる」という言葉があるが、これは龍のノドのあたりに逆さに付いている鱗があって、触るとブチギレるという話があるんだが、ワニにもこの「逆鱗」があって興奮すると浮き出てくる。
 ・東アジアの各国で「干支」があるんだが、一部の国では「辰」に当たるところに「ワニ」が当てられている。

 などなど。ワニと虎だったら良い勝負しそうだな。

■地球世界遺産化問題

 2015年ぐらいだったか、富士山が世界遺産になったとき日本地図で富士山を見た。これは結構な面積が世界遺産になったなあ、と思った。

 世界遺産というのは基本的には減ることは無い。増えてく一方だ。逆に言えば、地球における「世界遺産じゃない部分」の面積はどんどん減っていくことに他ならない。地球が砂漠化していってるのと同じように、地球は世界遺産化していることになる。

 どこまで地球世界遺産化問題が深刻化しているのだろうか、と調べたことがあった。

 「世界遺産 総面積」で検索をかける。総面積を計算している人はどこにもいないようだ。ユネスコの陰謀か? ユネスコの長老たちによって世界を支配する計画はもう進行しているのだ! 「World Isann soumennseki」と英語でも検索をかける。だめだ。「Waarudo Isann」か? 違う! くそ! ユネスコめ!

 自分で計算するしか無いようだった。当時のユネスコのページは今よりずっと簡素で、世界遺産のデータに関してはExcelデータがなにげなく置いてあるだけだった。データをダウンロードして開く。英語だ! くそ!

 一応どの世界遺産がそれぞれどれだけの面積か、というのは一覧でまとまっていた。たしかに範囲を定めないと、「静岡県と山梨県は全部富士山の一部」とかいう過激派ユネスコ主義者が出てきて収拾が付かないからだろう。やつらは地球全てを世界遺産にするのが目的だから、そういうことも言いかねない。

 一覧でまとまってるから「SUM関数」で計算してやれば一瞬なのだが(俺は「MOSエキスパート」という最難関資格を持っている)、最悪なことに「ヘクタール」「平方メートル」「平方キロメートル」で単位がバラバラだった。普通に無能か? そんなんで世界支配を狙ってるのかよ、とちょっと安心したが、全て単位を揃えて計算するのは超大変だった。結局は電卓で手計算した。

 結果、日本の領土面積の約7倍、地球の約3%がすでに世界遺産に侵されていることが発覚した。このままのペースで行くと1200年後には地球の全てが世界遺産になる。「やつら」の狙いはこうだ。

 最後に残された土地、仮に「埼玉県」としよう。1200年後、埼玉県を世界遺産にするという決定がユネスコの会議で決まる。

 「おい、ちょっと待て! そうなったら地球全部が世界遺産になってしまうじゃないか! 世界遺産の意味が無いじゃないか!」

 会議場のどこからかそんな声が上がる。世界中の人々は地球すべてが世界遺産になる歴史的瞬間をこの目で見ようとテレビ中継に釘付けだ。「そうだ」「考えてみればその通りだ」「世界遺産の意味が無いじゃないか!」。世界中の人々が声を上げる。

 「いえいえ、落ち着いてください」

 ユネスコのやつが冷静に語り始める。

 「そもそも『世界遺産』とは、なんでしょうか?」

 ユネスコのやつがそう言うと、会議場は静まり返る。「世界遺産? そもそも?」

 「世界遺産とは、後世に残すべき人類の遺産です」

 「なるほど」「その通りだ」「まったくそうだ」「どちらかといえばそうだ」

 ユネスコのやつは決め台詞とばかりに、握り拳に力を込めてこう語る。

 「私たちが住むこの地球! この地球こそがみなさん! 後世に残すべき人類の遺産なのではないでしょうか!?」

 「マーベラス!」「ブラボー!」「なんてこった!!」「こりゃ一本とられた!」。世界中のスタンディング・オベーション。その通り、地球こそが守らないといけない人類の遺産だ! 見捨ててもいい土地など存在しないのだ! 鳴り止まない拍手。暖かい歓声はいつまでも続いた……。

 こうなってたまるかよ!! 「世界遺産に反対する市民の会」を作ろう! メンバー募集中です。

 今回は雑談と銘打って、なんか小テーマをたくさん語ろうと思ったんですが、良い感じの文字数になったのでこの辺で失礼します。

 まだいっぱいあるのでまたやります。

 またね!

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