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未来少年コナン

皆さんはご存じだろうか。
NHKで「未来少年コナン」が再放送されていることを。
宮崎駿は大好きで映画はチェックしているのだが、テレビアニメ作品は観たことがなかった。

ぼくは録画をして、一話から最終話までまとめて一気に鑑賞しようと思っていたのだが、第12話まで来たところでついに耐えられなくなり、1~12話まで一気にみてしまった。
なにしろ映画館では今ジブリ作品が再度上映されている。それも観たくて観たくてたまらない。
でもコロナがまだ怖い。
ということでこのフラストレーションを解消するために観てしまった。まぁ、それはどうでもいいとして。

とにかく興奮した。もう本当に、眠れないくらい興奮したのは何年ぶりだろう。早く続きが観たいし、もうコナンとラナとジムシーが愛おしくてたまらない。完全架空のフィクション世界の住民だとわかっていても会いたくてたまらない。会って抱きしめたい。愛おしい、尊い…尊い(泣)いろんな感情が溢れてきて眠れなかったのだ。(気持ち悪いといっていただいてかまわない)
ぼくがとくに心揺さぶられたのは7話と8話だ。ここが第一回目のクライマックスだといって良いだろう。本当に素晴らしいからみなさん是非観てほしい。っていうか絶対に観た方が良い。
そろそろ本題に行こう。

もう既に「未来少年コナン」の内容を知っているという前提で感想を述べさせていただくので、説明はなるべく省こうと思う。

第一話「のこされ島」(コナンとラナの出会い)

コナンはおじいと共にたった二人で「のこされ島」で暮らしていたが、ある日コナンは砂浜に打ち上げられたラナを見つける。

見つけたきっかけは海鳥が教えてくれたからだった。コナンは鳥の気持ちを理解していた。ラナも鳥の心がわかるのだそうだ。
動物と会話が出来るというキャラクター設定は他の宮崎作品にも多々出てくるし、動物はヒーローとヒロインを繋ぎ止める役割を果たしている。
のこされ島の広さはよくわからないが、たった二人しか住んでいない島の砂浜に、一人の女の子が打ち上げられたとて、みつけてもらえる確率はとても低い。
それでもラナが死んでしまう前に、コナンが見つけることが出来たのは海鳥が教えてくれ、且つ、コナンが鳥の気持ちを理解できる人間だったからである。
現にコナンは巨大な鮫を仕留めたのでおじいに見せようと一目散に家に向かっていたところを鳥に呼び止められている。鳥に呼び止められなかったらラナが砂浜に打ち上げられていることすら知らずに生活していただろう。くどいようだが、更に言うと、鳥の気持ちを理解できても、鮫を仕留めた嬉しさで鳥の声に耳を傾けないということも考えられる。
鳥の声に耳を傾けたのはコナンが自然を愛し、心優しい少年だったからだ。自分の欲求よりも他者(動物)を思いやることの出来る少年なのだ。そう考えるとラナはとても運が良い。ダイスの手から逃れ、海で溺死することなく偶然にも島に漂着し、さらに鳥の気持ちがわかる少年がその島にいたのだ。奇跡と言って良いだろう。

先ほど「ラナがコナンにみつけてもらえたのは奇跡」と言ったが、第八話まで観ると、これは奇跡ではなく必然だったのではないかと思うようになった。こじつけだ、と言われるかもしれないが、第一話と第八話を続けて観ていただくことをお勧めする。ぼくは第八話を観たとき全身に鳥肌が立った。
この辺りのことはまだ考察中でもあるので、第八話まで感想を書き続ける体力が残っていたらそのときに書きたいと思う。

話は戻るが、海鳥に導かれて砂浜にきたコナンが目にしたものは、たくさんの海鳥だった。海鳥は一ヶ所に集まっていたがコナンが見つけると海鳥は羽ばたいて飛んでいってしまった。そこに倒れていたのがラナだった。白い海鳥がラナを埋め尽くしていたのだ。この描写は本当に美しいし、まるで天使が現れたかのような演出である。
ドラマチック過ぎる。
もしかして海鳥がラナをここへ運んできたのではないかとさえ思える。

……言ってしまえば、白い海鳥は、ラナなのである。ぼくは頭が急におかしくなったのか?は、さておき、ラナは海鳥なのだ。
(*個人的な意見です)
それはあなたが観て感じてください。
うん。
考えるな、感じろ!

物心ついてからはおじい以外の人間と会ったことがなかったコナンはラナを見て驚き、恐る恐る声をかける。目を覚ましたラナは、コナンが背負っている巨大な鮫をみて驚いて気絶してしまう。
なんともないシーンに思えるが、とても面白い。
コナンは見たことのない女の子に驚き、ラナは巨大な鮫を見て驚くのだ。コナンが驚くとき、ラナも驚かなくてはならないみたいだ。
このような「ふたりが同じ体験をする」というシーンはときどき出てくる、というより、それが物語の構成になっている気がする。

コナンは初めて見る人間が怖くて触れないため、おじいを呼びに行って、ラナを家まで運んでもらう。それからおじいは過剰なほどの慈愛をもってラナを看病する。コナンもものすごくラナの体調を心配する。
のちにコナンが過保護すぎるくらいラナを心配する場面がでてくるのだが、きっとコナンの過剰な優しさはおじい譲りなのだろうと思った。おじいの優しさはコナンに受け継がれたのだ。
コナンの声は「ドラえもん」の、のび太の声もやられている小原乃梨子さんである。(今は交代されている)ドラえもんは小さい頃から見ていた。のび太くんほど優しい声をもつ人はいないと思うくらい稀有なお方だとぼくは思っていて、そんな飛び抜けた優しさをもった小原乃梨子さんの声はコナンにぴったりだ。

次の日の朝、ラナはひとりで海岸まで歩けるまでに回復していた。
気になってひっそりとラナについてきていたコナンは海鳥によって見つかってしまい、ラナに話しかける。
これまでコナンはラナの名前を知らない。おじいはラナに名前を聞かなかった。
ラナはおじいが「コナン」と呼んでいるのを知っているのでラナはコナンの名前を知っているはずなのだが、コナンが名乗るまで名前を呼ばない。
それからコナンは少し奇妙なことを言う。

コナン「そっかぁ、だからあいつ(海鳥)、あのこがいるってぼくを呼んだんだ」
ラナ「あのこ?」
コナン「おじいが……」(ラナを指差しながら)
コナン(後ずさってから)「あいつじゃなくて、あのこって呼べって言ったんだ」

そもそもコナンはラナのことを「あいつ」と呼んだことはない。なのでおじいが「あのこって呼べ」というシーンも存在しない。なぜコナンはこんな嘘を言うのか。ぼくが見逃しているだけなのか?

それともコナンは海鳥に話しかけられ、自分がそれを理解したことをラナに知られたくなかったということなのだろうか?
あるいは「名前の力」がこの物語においても重要な鍵なのか?

名前が強い力をもつ「千と千尋の神隠し」では、本当の名前を奪って相手を支配することが出来てしまう。
未来少年コナンにおいて「あなたの名前を教えて」と聞いてしまうと支配に繋がるのだろうか。

ラナは自分から名前を名乗る。そのあとコナンも名乗る。聞かれたから名前を名乗るのではなく、ふたりはあくまで自発的に名前を教える。
名前を知ったとたんコナンは踊りはじめ(踊りと言うのか?)ラナと打ち解けてしまう。
このシーンを見るに、「名前」を知ったとたんコナンが元気になった。

「名前」ついては今後も考察を続けようと思う。
ちなみにおじいの名前は明かされていない。

全く関係ないが、「君の名は。」を見たことがないのでこちらもチェックしてみたい。

ここまで観て既に第一話の半分以上が終わっている。これ以上事件は起こらないだろう、と思っていたら突然、島の空に飛行艇が現れる。銃や爆弾が出てくる。そしてラナを連れ去ってしまう。
のんびりとした島に突如として事件が起こる、このギャップはめちゃくちゃ心臓に負担がかかった。
やめてくれ!この島で穏やかな時間を過ごしていたのにぶち壊しにするなんて、たのむからやめてくれ、という気持ちで一杯だった。

しかもおじいは爆弾を抱えたまま爆発に巻き込まれてしまった。なんという展開だろう。コナンの日常も壊されてしまったのだ。

コナンはラナを助けるため、敵の飛行艇「ファルコン」に飛び乗る。
ここで第一話は終わる。
さて、コナンはラナを救うことができるのか。

さて、ぼくはこのまま最終話まで感想を書き続けることができるのか???
ぼくは書くという作業が遅い人間なので第二話をいつ書けるのかわからないがとりあえず続けていきたいと思っている。

読んでくれてありがとう。

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