記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

鬼滅の全てを背負う時透無一郎③小鉄くんとつまらねぇ命

アニメ鬼滅の刃、刀鍛冶の里編、一昨日の第8話「無一郎の無」をご覧になった皆様いかがお過ごしでしょうか。
も~~すごすぎて言葉にならないですね。
鬼滅の主人公は間違いなくお前だよ無一郎!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(まじでそんな勢いだった)


以下ネタバレ注意。

良かったらこちらも読んでいただけると嬉しいです。今回のテーマに繋がっているので。↓↓↓↓


今回のテーマをざっくり言うと、無一郎は技術のある里長ではなく、なぜ小鉄くんを助けたのか?について深堀します。

よろしくお願いします。



1、小鉄くんと無一郎


無一郎は新しい刀を待っている間、戦闘訓練をするため、からくり人形“縁壱零式”のことで小鉄くんともめていました。自分より小さい小鉄くんに手刀食らわせる、上から目線で嫌味言う、などなど、嫌なヤツ!という印象を受けます。まぁ確かに炭治郎が言うように、言ってることは間違ってはいないのですが…。 
実は小鉄くんは無一郎と全く同じ、鏡写しのように似ています。どこがどう似ているのかを説明するのは野暮なので原作をみっちり読み込んでください!と言いたいところですが、ぼくは野暮な人間なのでここに書きます。

○無一郎と小鉄くんの似ているところ
・毒舌
・分析力に優れているが故に自分の技術力の低さを正確に捉え自分は出来ないヤツだと思い込んでいる(水獄鉢で自分の命を諦める、後の話だが無一郎は痣の出現方法について正確に分析できている)
・小鉄くん10歳、既に両親が亡くなっている。(無一郎10歳のときに両親を亡くす)
・300年前のからくり人形の技術を継承できていない(300年前の継国家の剣の技術を継承していない)
・縁壱の刀を炭治郎にあげる(鋼鐵塚から奪って炭治郎にあげる)

まだまだあります。次に続きます。


2、赤い瞳の人

無一郎は水獄鉢の中で炭治郎に語りかけられます。しかし無一郎が言うように「炭治郎にはこんなこと言われてない」のです。
そう、“無一郎は”言われてないのですが、炭治郎にこれを言われたのはからくり人形を直せない、と言って木の上で泣いていた“小鉄くん”です。
小鉄くんが炭治郎に励まされ、
無一郎はお父さんに励まされた過去を思い出しています。

3、無一郎と小鉄くんの「死」

無一郎の「死ぬ」という言葉はかなり印象的でした。(無一郎の声の河西健吾さんめちゃくちゃ良いですよね…)
この言葉は水獄鉢に閉じ込められているときに2度使っています。
まず鉢のなかで無一郎の空気が尽きたとき、
そして小鉄くんが鳩尾を刺されたとき、
です。
小鉄くんと無一郎は同時に擬似的な「死」を迎えています。
無一郎は、鉢の中で自分が死にそうなことに対して全く頓着しないのですが、小鉄くんのことになると心の中でずっと叫んでいます。これは小鉄くんも同じで、無一郎を大声で励ましながら助けようとします。そして自分が金魚に攻撃されてもお構いなしで、無一郎を助けることしか考えていません。無一郎は小鉄くんを通して自分の姿を見ているのです。
無一郎は「ぼくなんかよりも優先すべきことがあるだろう」「君じゃだめなんだ」などなど、自分に対しても小鉄くんに対しても否定的なことを言っています。自分を、そして小鉄くんを無力で非力だと決めつけています。
過去に兄の有一郎に「無一郎の無は無意味の無」、「人を助けるなんてことはな 選ばれた人間にしか出来ないんだよ」「教えてやろうか 俺たちに出来ること 犬死にと無駄死にだよ」と言われたように、記憶を思い出していなくても有一郎に言われたことは無一郎の無意識の中に深く刻み込まれています。(有一郎がきつい言葉を使っていたのは無一郎を守るためでもあったのですが。)無一郎が水獄鉢のなかで小鉄くんに言っていることは、過去に無一郎が有一郎に言われたことです。小鉄くん(無意味)は自分自身(無一郎)なのです。
無一郎が“無意味”と感じているこれらの側面は、
11歳の時に時透家を襲った鬼&玉壺、とも重ねられています。
鬼は「つまらねぇ命」「つまらない命を救ってつまらない場所で命を落とす」と言い、
無一郎は小鉄くんにからくり人形のことでもめていた際に「柱の時間と君たちの時間は全く価値が違う」「刀鍛冶は戦えない 人の命を救えない」「自分の立場をわきまえて行動しなよ」と言っており、小鉄くんを価値の低い存在だと考えています。自分以外の存在は価値が低いと考えている点が鬼と同じだったのです。
無一郎は水獄鉢で死にそうになり、生きることを諦めていましたが、予想外なことが起こります。
無一郎が“無意味”だと思っていた小鉄くんが、鉢の中に空気を送り込み、無一郎の呼吸を繋ぎました。…ほんとうにここは…毎回感動してしまうんですが…どれだけ弱くても無能でも、無意味な人間なんていないんだってことを小鉄くんが証明してくれるようなシーンですよね。それは同時に、無一郎が無意味な存在ではないことを証明してくれました。小鉄くんは無一郎であり、無一郎は小鉄くんだったからです。
今、目の前にいる小鉄くんを助けることは自分自身を助けるのと同じです。目の前にいる“誰か”はもうひとりの自分自身だからです。「誰かのためにすることは巡り巡って自分のためになる」というのはそういうことだと思います。

4、小鉄くんの死と有一郎の死

水獄鉢を出た無一郎は小鉄くんの「刀を守って」という言葉のあとに有一郎を思い出します。小鉄くんの死を目の前にして(小鉄くんは結局死んでませんが)11歳のときに死んでしまった有一郎を思い出したのです。
(アニメでは有一郎の記憶を思い出したあと、小鉄くんと会話していますが、原作だと小鉄くんとの会話で「刀を守って」と言った後に無一郎は有一郎のことを思い出します。漫画と同じ流れを映像でやろうとするとわかりずらくなってしまうから入れ替えしたのかなという印象的あります。漫画には漫画の良さ、アニメにはアニメの良さがありますが)
ぼくは「刀を守って」の後に記憶を思い出す、という順番が物凄く大事だと捉えています。
というのも、無一郎は11歳のとき、有一郎の死を目の当たりにした後、鬼を根絶やしにするという決意をしています。一方小鉄くんもからくり人形を無一郎に壊されたあとに怒りの炎が燃えています。


小鉄くんの「刀を守って」についてはまた今度のnoteで更新したいと思います。









ここまで読んでいただきありがとうございました。














この記事が参加している募集

読書感想文

note更新の活力にします‼️