見出し画像

理論家まとめ④マーク・L・サビカス

1910~

キャリア構築理論は、サビカスが唱えた理論で、特性因子理論やスーパーのキャリア発達理論などを統合・発展・展開した21世紀のキャリア理論と位置付けられている。

また、理論上の主要概念ととして「社会構成主義」「職業パーソナリティ」「キャリア・アダプタビリティ」(特に4次元)「ライフテーマ」「キャリア構成インタビュー」などがある。

あ、サビカスさんは、他とちょっとちがって少し大きい感じがする。

社会構成主義

「キャリア構成理論」は社会構成主義からはじまっていて、この社会構成主義とは、自己についての正確・客観的な説明は、社会からの産物であり、会話や人々との関係性から生まれるという考え方。

キャリア理論においても、出来事の解釈など、語りを重視する。(語りの中に意味づけが生まれる)

キャリアは主観的なものであり、事実の羅列ではない。過去の職業経験や現在の経験などを振り返って自分なりの意味づけをすることにより、未来につながっていくという考え。

キャリアコンサルタントは、クライエントの経験を「意味あるストーリー」にする手助けを行い、クライエントと共に物語を構築していく

(What)職業パーソナリティ

キャリアの「What」を示す部分を職業パーソナリティと呼び、個人のキャリアに関連する能力、ニーズ、価値観、関心のこと。

(How)キャリアアダプタビリティ(4C)

個人のキャリアにおいて、変化の必要性が生じたときにその変化を受け入れ、適応できる能力のこと。
ドナルド・E・スーパーが初めに提示し、その後マーク・L・サビカスが構築した概念。
クライエントの適応(アダプタビリティ)を援助するカウンセラーは、クライエントをみる際、社会と自己という2つの観点を持つ必要があるとサビカスは述べている。
1つ目の観点は、社会がクライエントにどのようなことを期待し要請しているのかという側面であり、2つ目は、その要請に対してクライエント自身がどのように対処しようとしているのかという適応の観点。

適応能力のある人の条件として、以下の「4C」を満たすことが必要としています。4Cに関する態度や能力を育てることができる人は「キャリアアダプタビリティが高い人」と言える。
💡かんとこーじ

1. Concern(関心)
4つのうち最も重要な要素が、Concern(関心)で、「未来を考える」こと。
変化に対応するには、何よりも自分のキャリアについて関心を持つことが必要です。一人ひとり将来のキャリアについて明確な答えはないが、「自分はどうなりたいのか?」という自分自身への問いかけが重要。

2. Control(統制)
次にControl(統制)。自分のキャリアを自分でコントロールする力。自身のキャリアには企業、組織の環境などが深く関わるので「キャリア発達についてコントロール」全てをコントールすることはできないかもしれない。ただ、ある程度の外的要素は許容しながらもキャリア構築の責任は自分にあると考え、できる範囲で柔軟に立ち回ることが大切。

3. Curiosity(好奇心)
Curiosity(好奇心)。好奇心を持ちキャリアに関する環境を模索するもの。
好奇心を持っていれば、情報や人脈といった資本を引き寄せます。また、義務感で対応するのではなく、あくまでも自然な好奇心に沿って資本づくりを習慣化させることが大切。

4. Confidence(自信)
4つ目がConfidence(自信)。困難なことでもチャレンジできる感覚を持っている状態を指す。自信があれば変化する環境の中でも自身のキャリアを発達させていくことが可能。自信は日々身の回りで起こる問題を解決することで獲得できる。

(Why)ライフテーマ

個人の職業の行動について「なぜそのような行動をとったか」という動機や価値観に関するもの。解釈や人との関わりプロセスは、キャリアストーリーのなかで語られ、そこにライフテーマが見られる。
つまり就活などの「困難を乗り越えた経験」や「学生時代に力を入れたこと」にあたり、これを考えることが「個人にとっての意味」を作り出すことで、「将来を形作るための能動的な行動」になると言われている。

キャリアストーリーにまとまりを与えたのがライフテーマ

キャリア構築インタビュー

サビカスは、キャリカウンセリングへの応用として、カウンセリングモデルを提示。クライエントのライフテーマを明らかにし、転機についての意思決定を支援する面接手法のことを「キャリア構築インタビュー」とし、5つの項目に分類。

  1. ロールモデル:演じる人としての自己・自己概念
     Q「子供の頃、誰に憧れ、尊敬していましたか?」

  2. お気に入りの雑誌・テレビ番組やWEBサイト:主体的に動く人としての努力と目標・クライエントの興味
     Q「いつも読んでいる雑誌やテレビ番組はありましたか?」

  3. お気に入りの本:創り出す人としてのお気に入りの台本
     Q「本や映画で好きなストーリーはどんなものですか?」

  4. モットー:クライエントの自分自身へのアドバイス・アダプタビリティのリソースや適応的な行動
     Q「好きな名言や格言は何ですか?」

  5. 幼少期の記憶:キャラクターアーク、モチーフとなる過去のネガティブな経験であると同時に、今や将来をガイドするためにクライエントが自ら選択し再構築した記憶
     Q「幼い頃の思い出は何ですか?」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?